ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko1226 森から群れが消えた日(後編)
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【前編からの続き】
『森から群れが消えた日(後編)』
ここは、とある山のふもとにある、森に囲まれた小さな農村・・・から少し離れた森の中。
里からゆっくりのあんよで、森の中を丸一日ほと入ったところに、
それなりに歴史を重ねたゆっくりの群れがあった。
里からゆっくりのあんよで、森の中を丸一日ほと入ったところに、
それなりに歴史を重ねたゆっくりの群れがあった。
長はもう30歳以上にもなる偉大なドス。
背の高さも3mを越え、他のドス達からも一目置かれる存在だ。
群れの幹部達も、みんな数代にわたってドスを補佐してきた、尊敬を集めるゆっくり達である。
これまで何度か危機を味わっては来たものの、その知恵と、勇気と、ドスパークによって乗り越えてきた。
背の高さも3mを越え、他のドス達からも一目置かれる存在だ。
群れの幹部達も、みんな数代にわたってドスを補佐してきた、尊敬を集めるゆっくり達である。
これまで何度か危機を味わっては来たものの、その知恵と、勇気と、ドスパークによって乗り越えてきた。
「むきゅぅ・・・さいきん、またごはんさんがとれなくなってきたわ。」
「わからないよー。せっかくあたらしいどすが、べつのむれをつくってでていったのにー。」
「そうね、むれのにんずうがへったのに、またごはんさんがたりないなんて・・・とかいてきじゃないわ。」
「わからないよー。せっかくあたらしいどすが、べつのむれをつくってでていったのにー。」
「そうね、むれのにんずうがへったのに、またごはんさんがたりないなんて・・・とかいてきじゃないわ。」
この群れでは近年、計画的なすっきりによって一年ごとにゆっくり頭数を倍増、
さらにまりさ優遇政策によって、一年に3~4匹のドスまりさを育成していた。
さらにまりさ優遇政策によって、一年に3~4匹のドスまりさを育成していた。
増えた若いゆっくり達を、若いドスまりさに率いさせて、『かいったく』に出す。
あとは今のゆっくりプレイスから程よく離れた、新たなゆっくりプレイスを見つけるまで旅を続け、
そこに入植したのち、相互に交流を行っていく。
あとは今のゆっくりプレイスから程よく離れた、新たなゆっくりプレイスを見つけるまで旅を続け、
そこに入植したのち、相互に交流を行っていく。
そうした計画的な領地拡大によって、初代ドスまりさをトップ、60匹のドスまりさを中心戦力としたゆっくりコミュニティは、
現在では構成頭数5万匹を軽く超え、その勢力圏は人間さんの村をグルっと囲むほどにまで拡大したのであった。
現在では構成頭数5万匹を軽く超え、その勢力圏は人間さんの村をグルっと囲むほどにまで拡大したのであった。
ともあれ、そんな風に群れの頭数調整を進めながらも食糧難になるということは、
このゆっくりプレイスの草花や虫の数の、回復力自体が低下してきている事を示す。
満足するまで際限なく食っては、後先考えずに食料を取りまくるのがゆっくりだから、当然と言えば当然なのだが。
と、言うことは、ゆっくりの能力でどうこう出来る範囲を超えてしまっている訳であり、
解決策はもはや一つしかない。
このゆっくりプレイスの草花や虫の数の、回復力自体が低下してきている事を示す。
満足するまで際限なく食っては、後先考えずに食料を取りまくるのがゆっくりだから、当然と言えば当然なのだが。
と、言うことは、ゆっくりの能力でどうこう出来る範囲を超えてしまっている訳であり、
解決策はもはや一つしかない。
「ゆっ!ドスは人間さんから『のうっぜい』してもらってくるよ!」
『納税』・・・早い話が、
人間さんにはお野菜の生えるゆっくりプレイスを貸してあげてるんだから、
できたお野菜さんは、ゆっくりにちょうだいね!
でもかわいそうだから、人間さんが食べる分だけは残してあげるよ、ドスは優しいね!
であった。
人間さんにはお野菜の生えるゆっくりプレイスを貸してあげてるんだから、
できたお野菜さんは、ゆっくりにちょうだいね!
でもかわいそうだから、人間さんが食べる分だけは残してあげるよ、ドスは優しいね!
であった。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「なんじゃい、はぁ。またお前さんかね。」
「ドスの群れが、ゆっくりしたご飯さんが足りなくて困ってるんだよ!
人間さんは、いつも通りお野菜さんを持ってきてね!いっぱいでいいよ!」
「ドスの群れが、ゆっくりしたご飯さんが足りなくて困ってるんだよ!
人間さんは、いつも通りお野菜さんを持ってきてね!いっぱいでいいよ!」
ドスの交渉窓口は代々、村長が行うと決められていた。
だが、今回の村長はドスより背が低いチビッ子のジジイのクセに、従順さに欠ける所があった。
今回も同様で、ここまでは過去10年以上続けられてきた受け答えであるのに、
ドスが考えているほどのお野菜さんがのうっぜいされる事はまず無い。
と言うのも・・・
だが、今回の村長はドスより背が低いチビッ子のジジイのクセに、従順さに欠ける所があった。
今回も同様で、ここまでは過去10年以上続けられてきた受け答えであるのに、
ドスが考えているほどのお野菜さんがのうっぜいされる事はまず無い。
と言うのも・・・
「いや、この間も別の若いドスが来ての。野菜をたーっぷり持って行きおったわ。
わしらも相手がお前さん達だけならいいがの。ドスが来るたんびに野菜やっとったら、
もうわしらの食べる分も無くなってしまいよるんじゃよ。」
わしらも相手がお前さん達だけならいいがの。ドスが来るたんびに野菜やっとったら、
もうわしらの食べる分も無くなってしまいよるんじゃよ。」
「ゆぅぅ。本当なの?」
「嘘なんぞつかんよ。ほれ、あっちの森に住んどるドスの群れじゃわ。」
「ゆぅぅぅ~。しょうがないね。じゃあ、これだけで許してあげるよ。ゆっくりしていってね!!」
「ほいほい。ゆっくりゆっくり。」
「嘘なんぞつかんよ。ほれ、あっちの森に住んどるドスの群れじゃわ。」
「ゆぅぅぅ~。しょうがないね。じゃあ、これだけで許してあげるよ。ゆっくりしていってね!!」
「ほいほい。ゆっくりゆっくり。」
と、まあこんな感じなのだ。
「ゆぅ~。お野菜さんが足りないよ。
人間さんをもっとすっきりーさせるか、どこかで捕まえて来ないといけないよぉ。」
人間さんをもっとすっきりーさせるか、どこかで捕まえて来ないといけないよぉ。」
ドスはある意味では賢く、お野菜を作れるのは人間さんだけであることを理解していた。
ゆっくりプレイスを貸し与え、森の危険から守ってあげる代わりに、お野菜を上納してもらう。
ただし人間さん自身が、お野菜しか食べられないことも理解しているので、搾取しすぎないように。
言ってみれば働きアリとクロシジミの幼虫の関係、養蜂業者とミツバチの関係。
ギブ&テイクの関係ということだ。
ゆっくりプレイスを貸し与え、森の危険から守ってあげる代わりに、お野菜を上納してもらう。
ただし人間さん自身が、お野菜しか食べられないことも理解しているので、搾取しすぎないように。
言ってみれば働きアリとクロシジミの幼虫の関係、養蜂業者とミツバチの関係。
ギブ&テイクの関係ということだ。
しかし、結局のところ、ゆっくりにしては賢明なドスまりさでも気づけていなかったのである。
新ドスによる開拓に適した土地は、この周辺地域にほとんど残っていないことを。
森の恵みを食いつくさないように、群れを分散させるなどの努力をしていても、
目に付けば種も卵も幼虫も、手加減無しに乱獲するゆっくり達の害によって、徐々に虫や草花が減っていることを。
目に付けば種も卵も幼虫も、手加減無しに乱獲するゆっくり達の害によって、徐々に虫や草花が減っていることを。
そしてもうひとつ。
ドスがやってくる少し前までは、この村ではゆっくりによる畑荒らしを防ぐため、
村にゆっくりが下りてくるたびに、森の群れを駆除していた。
しかし、山に入るだけでも重労働、しかも何の収穫も産まない作業に頭を抱えた村人たちは、
ドスが山にやってきたことをきっかけに、一時しのぎの対策を思いついたのだ。
村にゆっくりが下りてくるたびに、森の群れを駆除していた。
しかし、山に入るだけでも重労働、しかも何の収穫も産まない作業に頭を抱えた村人たちは、
ドスが山にやってきたことをきっかけに、一時しのぎの対策を思いついたのだ。
それは、
非常に不愉快ながら、年貢として収穫物の一部をゆっくりに渡すこと。
ゆっくりが農家に特に目の敵にされていた理由は、単に畑に侵入して作物を荒らす、
と言う程度では済まない問題を抱えていたからであった。
その問題とは、畑の荒らし方、そして、被害の大きさである。
と言う程度では済まない問題を抱えていたからであった。
その問題とは、畑の荒らし方、そして、被害の大きさである。
ゆっくりは、手も足も無く、背も低い。だから、
大根ならば地上に出ている部分、
トマトやナスは茎の根っこあたり、
白菜などは外側の柔らかい部分だけ、
実にもったいない食べ方をするのである。
大根ならば地上に出ている部分、
トマトやナスは茎の根っこあたり、
白菜などは外側の柔らかい部分だけ、
実にもったいない食べ方をするのである。
しかも、ちょっと味見程度に食われるならまだしも、
美味しいごはんが、しかも周囲一面にある、と見たら際限なく食い続けることができるのがゆっくりである。
腹いっぱい食ってはうんうんをひり出し、腹をすっきりさせてからまた食い始めるのだ。
美味しいごはんが、しかも周囲一面にある、と見たら際限なく食い続けることができるのがゆっくりである。
腹いっぱい食ってはうんうんをひり出し、腹をすっきりさせてからまた食い始めるのだ。
結果残るのは、あたり一面売り物にならない程度に食い荒らされた畑。
地面から上の部分だけキレイに食べ尽くされた大根が並ぶ、変わり果てた大根畑を見たときの、
泣きたいを遥かに通り越した気持ちは、誰もが二度と味わいたくないものだったのである。
どんな屈辱と引き換えにしても。
地面から上の部分だけキレイに食べ尽くされた大根が並ぶ、変わり果てた大根畑を見たときの、
泣きたいを遥かに通り越した気持ちは、誰もが二度と味わいたくないものだったのである。
どんな屈辱と引き換えにしても。
そんな訳で、屈辱を噛み殺しながら収穫の一部をドスに渡して、
他の収穫物の安全を保証してもらう方が、計算できる損失なだけマシだったのだ。
当然、自分達が食うに困るような量を差し出すことは無いのだが。
他の収穫物の安全を保証してもらう方が、計算できる損失なだけマシだったのだ。
当然、自分達が食うに困るような量を差し出すことは無いのだが。
だが、ゆっくり如きにやられっぱなしである事を、いつまでも放っておく人間など居ない。
計画は、間もなく最終段階に入ろうとしていたのである。
計画は、間もなく最終段階に入ろうとしていたのである。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「ゆっくりしていってね!」
「ん?ああ、ゆっくりしていってね。」
「おにーさん、ありすのおうちで、なにしてるの?」
「ん?ああ、ゆっくりしていってね。」
「おにーさん、ありすのおうちで、なにしてるの?」
間もなく独り立ちというところの、若いありすがおうちの前で出会ったのは、
笑顔のとても優しそうなお兄さんであった。
よく見ると、根元にありすのおうちがある大きな木に、紅い塗料で×を書いている。
笑顔のとても優しそうなお兄さんであった。
よく見ると、根元にありすのおうちがある大きな木に、紅い塗料で×を書いている。
「ああ、おうちを都会派にしてあげようと思ってね。ありすのカチューシャみたいで、キレイだろ?」
「ゆわぁぁ。とってもとかいはね!ゆっくりありがとう!」
「うん、どういたしまして。・・・ところでありす。」
「ゆ?」
「もし良かったら、ありすのお友達のおうちも、都会派にしてあげたいんだけど。」
「ゆ・・・ゆーん!ゆっくりりかいしたわ!おともだちのおうちに、あんないするわね!」
「うん、ありがとう。」
「ゆわぁぁ。とってもとかいはね!ゆっくりありがとう!」
「うん、どういたしまして。・・・ところでありす。」
「ゆ?」
「もし良かったら、ありすのお友達のおうちも、都会派にしてあげたいんだけど。」
「ゆ・・・ゆーん!ゆっくりりかいしたわ!おともだちのおうちに、あんないするわね!」
「うん、ありがとう。」
・・・数週間前から、どの群れのゆっくりプレイスでも、
ゆっくりしたお兄さん、お姉さんを見かけるようになった。
彼らの多くは、こうやってゆっくり達のおうちに都会派な印を描いていってくれた。
この紅い塗料は不思議な事に、夜になると美しい青白い光を放った。
ゆっくり達はそれを知ると、さらにお兄さん、お姉さんに感謝したのであった。
ゆっくりしたお兄さん、お姉さんを見かけるようになった。
彼らの多くは、こうやってゆっくり達のおうちに都会派な印を描いていってくれた。
この紅い塗料は不思議な事に、夜になると美しい青白い光を放った。
ゆっくり達はそれを知ると、さらにお兄さん、お姉さんに感謝したのであった。
別のゆっくりプレイスでは、たれ目気味でおっとりとした印象の若いお姉さんが、
子ゆっくりを卒業したばかりといった感じの若いちぇんに話しかけていた。
子ゆっくりを卒業したばかりといった感じの若いちぇんに話しかけていた。
「ねぇえ?ちぇん。」
「わかるよー?」
「お姉さんに、ゆっくりプレイスが、どこからどこまでなのか、教えてくれない?」
「わかるよー?」
「あのね。人間さんも、森に入っちゃう事あるじゃない?
そんな時、ゆっくりプレイスに入っちゃって、ゆっくり達のごはんを勝手に取っちゃったりしたら、
ちぇんも嫌でしょ?」
「わかるよー!ちぇんのごはんは、ちぇんのごはんだよー!」
「うん。じゃあ、教えてくれたら、あまあまあげちゃおうかな。」
「わかるよー!!」
「わかるよー?」
「お姉さんに、ゆっくりプレイスが、どこからどこまでなのか、教えてくれない?」
「わかるよー?」
「あのね。人間さんも、森に入っちゃう事あるじゃない?
そんな時、ゆっくりプレイスに入っちゃって、ゆっくり達のごはんを勝手に取っちゃったりしたら、
ちぇんも嫌でしょ?」
「わかるよー!ちぇんのごはんは、ちぇんのごはんだよー!」
「うん。じゃあ、教えてくれたら、あまあまあげちゃおうかな。」
「わかるよー!!」
お姉さんはゆっくり達に、群れの生息域(ゆっくりプレイス)の境界を聞き取り、
地図にメモしたり、目印の旗を立てたりしていった。
これで人間さんが、勝手に山の果物やキノコを取って言っちゃう事も無くなるだろう。
森のゆっくり達は、あのお姉さんはとってもゆっくりしていると語り合った。
地図にメモしたり、目印の旗を立てたりしていった。
これで人間さんが、勝手に山の果物やキノコを取って言っちゃう事も無くなるだろう。
森のゆっくり達は、あのお姉さんはとってもゆっくりしていると語り合った。
こうして、村を囲む森一帯の、ゆっくりプレイスの場所も、ゆっくりのおうちの場所も、
村人全員に知られることになったのである。
村人全員に知られることになったのである。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
一方、村人たちの行動の真意など知る由もないゆっくり達は、
今日が最後となるゆっくりとした一日を、いつも通りゆっくりゆったりと過ごしていた。
今日が最後となるゆっくりとした一日を、いつも通りゆっくりゆったりと過ごしていた。
このおうちに住むゆっくり一家は、父まりさに母れいむ、子れいむ1匹の3匹家族。
だが、子れいむとは言ってもすでにハンドボールサイズまで育っており、
間もなく独り立ちという事もあって、両親は先日すっきりーを終えていた。
植物型にんっしんで、赤れいむが2匹と赤まりさが3匹。
みんな、産まれる前からとってもゆっくりしていた。
母れいむはこれで5度目になるにんっしん期間を順調に過ごし、
今日は新たな命の誕生を迎えようとしている。
だが、子れいむとは言ってもすでにハンドボールサイズまで育っており、
間もなく独り立ちという事もあって、両親は先日すっきりーを終えていた。
植物型にんっしんで、赤れいむが2匹と赤まりさが3匹。
みんな、産まれる前からとってもゆっくりしていた。
母れいむはこれで5度目になるにんっしん期間を順調に過ごし、
今日は新たな命の誕生を迎えようとしている。
「ゆっ!れいむのゆっくりしたあかちゃんがうまれるよぉ!!」
「おちびちゃん、ゆっくりうまれてね!ゆっくりだよ!」
「おちびちゃん、ゆっくりうまれてね!ゆっくりだよ!」
ぷるぷるっ・・・ぷちんっ!・・・ぱふっ!
さすがに両親とも慣れたもので、
父まりさは優しく、赤まりさをお帽子で受け止める。
通常は草や木の皮で作った鳥の巣型のクッションで受け止めるものだが、
やはり親まりさのお帽子に受け止められる以上のしあわせーは無いものだった。
父まりさは優しく、赤まりさをお帽子で受け止める。
通常は草や木の皮で作った鳥の巣型のクッションで受け止めるものだが、
やはり親まりさのお帽子に受け止められる以上のしあわせーは無いものだった。
「ゆぅ・・・ゆぴゅう・・・ゆっ・・・」
「おちびちゃん、ゆっくり、ゆっくりでいいよ!」
「おちびちゃん、ゆっくり、ゆっくりでいいよ!」
「ゆぅ・・ゆぅ、ゆっくちしちぇっちぇにぇっ!」
「ゆーん!ゆっくりしていってねー!おちびちゃん!おとーさんだよ!」
「おかーさんだよ!ゆっくりしていってね!」
「ゆーん!ゆっくりしていってねー!おちびちゃん!おとーさんだよ!」
「おかーさんだよ!ゆっくりしていってね!」
「ゆっくちしちぇっちぇにぇ!ゆっくち!ゆっくち!」
「ゆわぁ!れいむはおねーさんだよ!ゆっくりしていってね!」
「ゆわぁ!れいむはおねーさんだよ!ゆっくりしていってね!」
新たな命の誕生。
子れいむは、初めての妹、輝いて見えるほど可愛い赤まりさの誕生に、単純ならざる感動を感じていた。
そう、子れいむは間もなく独り立ちの季節。
子れいむは、初めての妹、輝いて見えるほど可愛い赤まりさの誕生に、単純ならざる感動を感じていた。
そう、子れいむは間もなく独り立ちの季節。
その時が来れば、将来を誓い合った子まりさと正式につがいとなり、
一緒におうちを作り、夜になれば、れいむのばーじんを捧げるのだ。
そして誕生する初めての自分のおちびちゃん・・・・・・
一緒におうちを作り、夜になれば、れいむのばーじんを捧げるのだ。
そして誕生する初めての自分のおちびちゃん・・・・・・
自分の、初めてのゆっくりしたおちびちゃん達・・・
それは、どれほどゆっくり出来るのだろう。
それは、どれほどゆっくり出来るのだろう。
ゆっくりした群れ、食糧の心配も、外敵の不安も存在しない、
ドスと多くのゆっくりしたゆっくりに囲まれた、最高のゆっくりプレイス。
たくましく狩りが上手で美しい父まりさと、優しくお歌と子育てが上手な自分。
その最高にゆっくりした環境と、最高にゆっくりした両親の元に産まれたおちびちゃん達は、
どれほどゆっくりしたゆっくりに育つだろう。
どれほどゆっくりした生涯を送るのだろう。
ドスと多くのゆっくりしたゆっくりに囲まれた、最高のゆっくりプレイス。
たくましく狩りが上手で美しい父まりさと、優しくお歌と子育てが上手な自分。
その最高にゆっくりした環境と、最高にゆっくりした両親の元に産まれたおちびちゃん達は、
どれほどゆっくりしたゆっくりに育つだろう。
どれほどゆっくりした生涯を送るのだろう。
子れいむと、将来を誓った子まりさの独り立ちの日は、今日。
新しい命の誕生の瞬間に立ち会えた事は、
子れいむの新たなゆん生に、どんな影響を与えるのだろうか。
新しい命の誕生の瞬間に立ち会えた事は、
子れいむの新たなゆん生に、どんな影響を与えるのだろうか。
「ゆっくちうまれりゅよ!」
「ゆ!まりさ、はやくおぼうしをよういしてね!」
「ゆ!まりさ、はやくおぼうしをよういしてね!」
ま、とりあえずは、両親の出産のお手伝いが先なのだが。
「まりさは、おねーさんがべっどさんにはこんであげるね!」
「ゆっくちー!」
「ゆっくちー!」
一方、その子れいむと婚約関係にある所の、子まりさのおうちでも両親の出産が行われていた。
こちらもまた、植物型出産。
子まりさにも5匹の可愛い妹達が産まれたのである。
前の子が巣立つ直前に新しい子を産み、育て、また巣立ちの時がきたら新しい子を産む、
というペースがこの群れの、というかドスが決めた掟であり、習慣なのであった。
こちらもまた、植物型出産。
子まりさにも5匹の可愛い妹達が産まれたのである。
前の子が巣立つ直前に新しい子を産み、育て、また巣立ちの時がきたら新しい子を産む、
というペースがこの群れの、というかドスが決めた掟であり、習慣なのであった。
「ゆーん、げんきないもうとたちだよ。ゆっくりしていってね!」
「ゆぁーん、おにぇーしゃん!ありしゅ、おなかしゅいちゃー。」
「むーちゃむーちゃさせちぇー。」
「ゆぅぅ・・・」
「ゆぁーん、おにぇーしゃん!ありしゅ、おなかしゅいちゃー。」
「むーちゃむーちゃさせちぇー。」
「ゆぅぅ・・・」
産まれて早々にワガママを言う妹達に、ちょっと気分を害した子まりさではあったが、
父まりさと母ありすは優しくなだめてあげる。
父まりさと母ありすは優しくなだめてあげる。
「まりさも、もうすぐおとうさんになるのぜ。わがままなんて、おちびちゃんのとっけんなのぜ。」
「まりさだってむかしは、いっつも『こんなのたべられないよ!ばかなの?しぬの?』とかいってたわよ。」
「まりさだってむかしは、いっつも『こんなのたべられないよ!ばかなの?しぬの?』とかいってたわよ。」
そう言うと、母ありすは自分の頭に生えていた茎を子まりさに差し出し、
妹達に食べさせてあげるように促した。
妹達に食べさせてあげるように促した。
「ゆっ・・・まりさがあげて、いいの?」
両親とも、頭だけしかないのに、うんうんと器用にうなずいて見せる。
産まれたばかりの赤ゆっくりに、初めてのごはんとして茎を食べさせてあげるのは、
茎が甘すぎず苦すぎず、赤ゆっくりの味覚調整に最適であるため、
病気への抵抗力が、茎を食べることで初めて備わるという、ゆっくり特有の性質のため、
等の理由が本来のものだ。
産まれたばかりの赤ゆっくりに、初めてのごはんとして茎を食べさせてあげるのは、
茎が甘すぎず苦すぎず、赤ゆっくりの味覚調整に最適であるため、
病気への抵抗力が、茎を食べることで初めて備わるという、ゆっくり特有の性質のため、
等の理由が本来のものだ。
だが同時に、初めて食事をくれた、もっとも赤ゆっくりにとってゆっくり出来る存在であるという、
潜在意識への刷り込みの効果もある。
その大事な機会を、子まりさに譲ると言うことは、
妹達と生涯仲良くして欲しい、という両親の意思表示でもあった。
潜在意識への刷り込みの効果もある。
その大事な機会を、子まりさに譲ると言うことは、
妹達と生涯仲良くして欲しい、という両親の意思表示でもあった。
「むーちゃむーちゃ、ちあわちぇー!」
「おにぇーしゃん、ゆっくちー!」
「ゆぅ。おくちがよごれてるよぉ。ぺーろぺーろ。」
「ゆぁーん。しゅっきりー!」
「ゆぅん!ありしゅ、うんうんしゅるわ!しゅっきりー!」
「ゆわわわ、べっどのなかでしちゃだめだよぉ。」
「ゆぁーん、くしゃいわー!」
「おにぇーしゃん、ゆっくちー!」
「ゆぅ。おくちがよごれてるよぉ。ぺーろぺーろ。」
「ゆぁーん。しゅっきりー!」
「ゆぅん!ありしゅ、うんうんしゅるわ!しゅっきりー!」
「ゆわわわ、べっどのなかでしちゃだめだよぉ。」
「ゆぁーん、くしゃいわー!」
赤ゆっくり達は、好き勝手に食べ、汚し、排泄し、とても、とても手がかかる。
子まりさは、しかし、なんだかとってもしあわせーな気持ちになっていた。
子まりさは、しかし、なんだかとってもしあわせーな気持ちになっていた。
「ゆふぅん。まりさも、おちびちゃんのせわをしてしあわせーになるなら、りっぱなおとななのぜ!」
「そうなの?まりさ、とってもゆっくりしてるよ!」
「そうなの?まりさ、とってもゆっくりしてるよ!」
そして、独り立ちの時間はやってくる。
「うふふ、まりさ。ひとりだちしても、たまにはありすたちに、げんきなおかおをみせてね。」
「おかーさん。」
「いもうとたちも、みんなおねーさんにあいたいって、さわぐにちがいないのぜ。」
「おとーさん・・・ゆぅぅぅうう!まりさ、れいむとかわいいおちびちゃん、いっぱいづぐっで、
いっぱいいっぱいゆっぐぢぢで、みんなであぞびにぐるがらねぇぇええ!!」
「おかーさん。」
「いもうとたちも、みんなおねーさんにあいたいって、さわぐにちがいないのぜ。」
「おとーさん・・・ゆぅぅぅうう!まりさ、れいむとかわいいおちびちゃん、いっぱいづぐっで、
いっぱいいっぱいゆっぐぢぢで、みんなであぞびにぐるがらねぇぇええ!!」
「まりさ。ありす(まりさ)たちのおちびちゃん・・・ゆっくりしていってね!」
「ゆっぐぢぢでいっでねぇぇええ!!」
「ゆっぐぢぢでいっでねぇぇええ!!」
「ゆーん、おにぇーちゃん、ないちぇるにょ?」
「みんな、みんなゆっぐぢぢでいっでねぇぇえ!!ずーりずーり、じあわぜぇぇええ!!」
「いちゃーい!ゆっくちできにゃいー。」
「みんな、みんなゆっぐぢぢでいっでねぇぇえ!!ずーりずーり、じあわぜぇぇええ!!」
「いちゃーい!ゆっくちできにゃいー。」
こうして子まりさのおうちでは、子まりさが巣立っていくまで、明るい、未来に向かっての、
底抜けにしあわせーな笑いが止む事は無かったのであった。
底抜けにしあわせーな笑いが止む事は無かったのであった。
一方ドスのおうち、崖に掘った洞窟では、次代を担うドス達の教育が、
初代ドス直々に行われていた。
初代ドス直々に行われていた。
「一つ!ドスは、ゆっくりをゆっくりさせるための存在だよ!」
「ひとつ!まりさは、ゆっくりにゆっくりしてもらうんだよ!」
「二つ!ドスは、虫さんや、お花さんや、人間さんを支配する、ゆっくりの中のゆっくりだよ!」
「ふたつ!まりさは、むしさんや、おはなさんや、にんげんさんをどれいにするよ!」
「ひとつ!まりさは、ゆっくりにゆっくりしてもらうんだよ!」
「二つ!ドスは、虫さんや、お花さんや、人間さんを支配する、ゆっくりの中のゆっくりだよ!」
「ふたつ!まりさは、むしさんや、おはなさんや、にんげんさんをどれいにするよ!」
「ゆぅ~・・・なんだかちょっと違うよ・・・。」
「まりさはゆっくりしてるよ!どすはばかなの?しぬの?」
「まりさはゆっくりしてるよ!どすはばかなの?しぬの?」
・・・じろり
「ゆぴぃいい!?こわいよぉぉおお!!ゆっぐぢにらまないでぇええ!?」
「(ゆ~。まあ、このドスは賢い方だけど、もう少しお勉強がいるね・・・。)」
「(ゆ~。まあ、このドスは賢い方だけど、もう少しお勉強がいるね・・・。)」
若いゆっくりの群れを若いドスに任せて『かいったく』に向かわせるのはまだまだ先のようだ。
『先』はもうやってくる事は無いのだが。
『先』はもうやってくる事は無いのだが。
こうして、群れの一日は過ぎていく。
今日も多くのゆっくりが生まれ、育ち、独り立ちをした。
体力と精力に満ちた若ゆっくりたちは、つがいを求めて森を駆けまわる。
群れは子れいむと子まりさのように、将来を誓い合ったゆっくりばかりではない。
そんな、お相手の居ない若いゆっくり達は、野生である以上傷一つ、汚れ一つ無いとは言わないが、
お飾りをキレイに洗濯し、あんよの下に敷いてしわを取り、
ごはんをいっぱい食べてゆっくりとした下膨れに磨きをかけて、求婚を繰り返す。
今日も多くのゆっくりが生まれ、育ち、独り立ちをした。
体力と精力に満ちた若ゆっくりたちは、つがいを求めて森を駆けまわる。
群れは子れいむと子まりさのように、将来を誓い合ったゆっくりばかりではない。
そんな、お相手の居ない若いゆっくり達は、野生である以上傷一つ、汚れ一つ無いとは言わないが、
お飾りをキレイに洗濯し、あんよの下に敷いてしわを取り、
ごはんをいっぱい食べてゆっくりとした下膨れに磨きをかけて、求婚を繰り返す。
お互いが気に入った相手であったら、その日の夜には即すっきりー。
次はお互いの両親に報告し、当面はお互いのひとり暮らしのおうちを比べて、大きい方を新居にする。
ここは何せ10年近くゆっくり達が暮らす森だ。
新しいおちびちゃん数匹と、つがいで暮らせる程度の木の洞や洞穴などそこら中にある。
次はお互いの両親に報告し、当面はお互いのひとり暮らしのおうちを比べて、大きい方を新居にする。
ここは何せ10年近くゆっくり達が暮らす森だ。
新しいおちびちゃん数匹と、つがいで暮らせる程度の木の洞や洞穴などそこら中にある。
こうして群れは大きくなり、ドスも生まれ、また新しい群れを作って勢力圏を広げてきたのであった。
今日もまた、これまで通りのゆっくりとした未来が存在する事を信じて。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
夜。
子れいむと子まりさ。
いや、独り立ちをして同居するようになった以上、
本来は『れいむ』『まりさ』でいいのだが、不便なので子れいむと子まりさでいいだろう。
いや、独り立ちをして同居するようになった以上、
本来は『れいむ』『まりさ』でいいのだが、不便なので子れいむと子まりさでいいだろう。
若い2匹は、ほとんどのゆっくりがおうちの中でゆっくりしている闇の中を、
ゆっくりプレイス(要するに群れの居住区域)の外までお散歩していた。
ゆっくりプレイス(要するに群れの居住区域)の外までお散歩していた。
「れいむ・・・おほしさま、とってもゆっくりしてるね・・・」
「まりさ・・・ここは、とってもゆっくりできるね。」
「まりさ・・・ここは、とってもゆっくりできるね。」
そこは、2匹だけの秘密のゆっくりプレイス。
森の奥の少し開けた場所にある、小さな草原だった。
そこには小さな泉と、キレイなお花と、木々に隠れない視界いっぱいの星空があった。
子れいむと子まりさは、ドスによってれみりゃもふらんも追い払われたこの森で、
夜になるとココにやって来ては2匹で寝転がり、飽きる事も無く星空を眺めていたのである。
森の奥の少し開けた場所にある、小さな草原だった。
そこには小さな泉と、キレイなお花と、木々に隠れない視界いっぱいの星空があった。
子れいむと子まりさは、ドスによってれみりゃもふらんも追い払われたこの森で、
夜になるとココにやって来ては2匹で寝転がり、飽きる事も無く星空を眺めていたのである。
そして、どれくらいゆっくりと星を眺めていた頃だろうか。
ゆっくりプレイスの方から、何やらゆっくり出来ない声と臭いが漂ってきたのは・・・。
ゆっくりプレイスの方から、何やらゆっくり出来ない声と臭いが漂ってきたのは・・・。
この夜のことを、この声と臭いに気づいてゆっくりプレイスを見にいった事を、
子れいむと子まりさは、生涯後悔することになる。
子れいむと子まりさは、生涯後悔することになる。
村人たちは全員が、今日、この日が来る事を熱望していた。
ゆっくりと言う目障りな存在に鉄槌を下せる日を。
ゆっくりと言う目障りな存在に鉄槌を下せる日を。
周到な準備と計画、それは、60匹以上のドス達がそれぞれ支配するゆっくりプレイスを、
赤ゆっくりすらくぐれない、丈夫なゆっくり捕獲用ネットで囲うことから始まった。
ゆっくりプレイスの境界線は、目印の旗まで立てて、完璧に把握している。
赤ゆっくりすらくぐれない、丈夫なゆっくり捕獲用ネットで囲うことから始まった。
ゆっくりプレイスの境界線は、目印の旗まで立てて、完璧に把握している。
まずまともなゆっくりなら、夜に出歩くことも無い。
ゆっくりプレイスに囲いを作る作業は何の妨害を受ける事もなく終了した。
そして、逃げ場を塞がれたゆっくり達に対して、本格的な駆除が始められた。
ゆっくりプレイスに囲いを作る作業は何の妨害を受ける事もなく終了した。
そして、逃げ場を塞がれたゆっくり達に対して、本格的な駆除が始められた。
「おちびちゃん・・・まりさと、ゆっくりしてるよね。」
「ゆふふ、れいむ。もうおちびちゃんなんていっちゃ、わるいよ。」
「ゆぅん。れいむのおちびちゃんは、いつまでもおちびちゃんなんだよ。」
「ゆふふ、れいむ。もうおちびちゃんなんていっちゃ、わるいよ。」
「ゆぅん。れいむのおちびちゃんは、いつまでもおちびちゃんなんだよ。」
「しゅーや、しゅーや・・・ゆっくち・・・」
ここは、子れいむの両親のおうち。
おうちの上に生えている木は、当然夜の闇に青白く輝く目印がつけられている。
おうちの上に生えている木は、当然夜の闇に青白く輝く目印がつけられている。
ざくっ!
その、ゆっくりした一家が眠りに就こうとしているおうちの中に、何かが突き刺さるような異音が響いた。
その、ゆっくりした一家が眠りに就こうとしているおうちの中に、何かが突き刺さるような異音が響いた。
「ゆぅ、ゆ?なんなの?」
「まりさ、おうちのいりぐちで、へんなおとがしたよ。」
「ゆぁーん、ゆっくちできにゃいよぉ。」
「ゆゆぅ。まりさがみてくるから、おちびちゃんたちは、べっどさんでゆっくりまっててね。」
「ゆぅん・・・ゆっくちりかいしちゃよ。」
「まりさ、おうちのいりぐちで、へんなおとがしたよ。」
「ゆぁーん、ゆっくちできにゃいよぉ。」
「ゆゆぅ。まりさがみてくるから、おちびちゃんたちは、べっどさんでゆっくりまっててね。」
「ゆぅん・・・ゆっくちりかいしちゃよ。」
「ゆぅぅ、なんなのぉ?・・・ゆぁぁぁぁあああ!なにこれぇぇぇぇぇええ!!?」
父まりさが入り口に向かうと、おうちの入り口を塞ぐバリケード、
いわゆる『けっかい』を、何か見たことない物が貫いていた。
いわゆる『けっかい』を、何か見たことない物が貫いていた。
「ゆぅぅぅううううう!!ゆっくりでていってね!なんなのこれぇぇえええ!?」
それは銀色に輝く金属製の道具、園芸用のスコップであった。
より正確に言うと、園芸用のスコップを長い棒の先端に括りつけたような、
槍に近い形をした道具であったのだが、そんなことは、ゆっくりに理解できるはずもない。
より正確に言うと、園芸用のスコップを長い棒の先端に括りつけたような、
槍に近い形をした道具であったのだが、そんなことは、ゆっくりに理解できるはずもない。
金属製のそれは、まりさの言葉を聞くまでもなく、ゆっくりと左右に動かされ、
『けっかい』の石や木の枝を崩しながら引き抜かれた。
外敵からおうちを守るバリケードは完全に崩され、おうちの入り口は今や、
くぱぁっと大きなお口を開け、そのあられも無い姿を外にさらすばかりとなってしまったのである。
『けっかい』の石や木の枝を崩しながら引き抜かれた。
外敵からおうちを守るバリケードは完全に崩され、おうちの入り口は今や、
くぱぁっと大きなお口を開け、そのあられも無い姿を外にさらすばかりとなってしまったのである。
父まりさも母れいむも数年生きていながら、実はこれまでれみりゃにすら出会った事が無い。
ここは、ドスに守られゆっくりの楽園となった、あらゆる外敵の存在しない世界だったのだから。
だから、これまで見た事も無い、聞いた事も無い敵を前にして、
父まりさはおちびちゃんを守る術すら思いつかず、ただ、こう叫ぶことしかできなかった。
ここは、ドスに守られゆっくりの楽園となった、あらゆる外敵の存在しない世界だったのだから。
だから、これまで見た事も無い、聞いた事も無い敵を前にして、
父まりさはおちびちゃんを守る術すら思いつかず、ただ、こう叫ぶことしかできなかった。
「ど、どすぅ!どすーっ!!ゆっぐぢでぎないよぉぉおお!!ゆっぐぢだずげでぇぇえええ!!」
だが、その頃ドスの前には、そのスコップで作った槍とは比べ物にならない危険が対面していた。
「・・・・・・村長さんだね。何なの・・・何やっでるのぉぉぉおお!?」
だが、村長はドスの質問には答えるそぶりも示さず、
着流しの帯を解くと、ふんどし一枚の姿となった。
着流しの帯を解くと、ふんどし一枚の姿となった。
その全身は、ゆっくりには理解できようはずもない、重々しい鋼の鎧で覆われていた。
そう、筋肉と言う名の鎧で。
だが、ドスにも村長の脅威を感じ取ることはできた。
筋肉そのものではなく、その内側から発せられる、
巨大な岩を思わせる、押しつぶされるような圧力によって。
そう、筋肉と言う名の鎧で。
だが、ドスにも村長の脅威を感じ取ることはできた。
筋肉そのものではなく、その内側から発せられる、
巨大な岩を思わせる、押しつぶされるような圧力によって。
そして、村長は初めて重々しく口を開いた。
「おぬしで最後じゃよ。」
「ゆ・・・なに言ってるの?」
「ゆ・・・なに言ってるの?」
「・・・・・・この山のドス、全部で62匹。おぬし以外、全て駆除済みということじゃよ。」
「ゆ・・・?」
「ゆ・・・?」
ドスは、その時初めて気づいた。
村長の足元にある黒いボロキレは、ドスが今日も教育を行っていた、まだまだ未熟な若ドスのお帽子であることを。
村長の足元にある黒いボロキレは、ドスが今日も教育を行っていた、まだまだ未熟な若ドスのお帽子であることを。
「・・・ゆがぁぁああ!!」
シュゴッ!!
ドスは、それに気づくと同時にほとんど溜め無しのドスパークを放った。
必殺の一撃!!
村長が立っていた場所は、一瞬で閃光に包まれた。
だが、
必殺の一撃!!
村長が立っていた場所は、一瞬で閃光に包まれた。
だが、
その閃光をくぐった村長の低空タックルが、スパークが放たれるとほぼ同時にドスの下膨れに食らいついていた。
「・・!?」
「しっ!!」
「しっ!!」
村長のクラッチがドスの下膨れに完全に極まる。
いや、それ以上に深くねじ込まれていた。
村長の腕の長さではドスの体を抱え込むことなど本来不可能。
それを、ただ腕力だけでムリヤリ、ドスの体に腕をめり込ませ、
ドスを完全に両腕で抱え込んだのだ!
いや、それ以上に深くねじ込まれていた。
村長の腕の長さではドスの体を抱え込むことなど本来不可能。
それを、ただ腕力だけでムリヤリ、ドスの体に腕をめり込ませ、
ドスを完全に両腕で抱え込んだのだ!
「ゆぎぃぃいい!?」
「ふんっ!!」
「ふんっ!!」
そして、その瞬間ドスの視界が一変した。
ドスの体が宙に浮かび、視界は自分の身長以上の高さに飛び上がる。
そして正面を向いていたはずの視界は、空から地面と向かい合うように変わり、
地面を見ていたと思った次の瞬間には天地逆さまに変わって
ドスの体が宙に浮かび、視界は自分の身長以上の高さに飛び上がる。
そして正面を向いていたはずの視界は、空から地面と向かい合うように変わり、
地面を見ていたと思った次の瞬間には天地逆さまに変わって
ぐしゃんっ!!
ドスの体は、地面に真っ逆さまに突き刺さった。
村長の技をなんと呼ぶべきなのだろうか。
裏投げ?ジャーマンスープレックス?ある意味ではブレーンバスターと言えなくもないが。
事実を描写すれば、村長の体が後方にキレイなアーチを描き、ドスを脳天から地面に突き刺したという形になる。
裏投げ?ジャーマンスープレックス?ある意味ではブレーンバスターと言えなくもないが。
事実を描写すれば、村長の体が後方にキレイなアーチを描き、ドスを脳天から地面に突き刺したという形になる。
そして、ドスの眉毛から上は粉々に弾け飛び、ドスは逆さまのままゆっくりと意識を失っていった。
自分は、永遠にゆっくりしてしまう。
それを悟りながら、ドスは二つだけ疑問を持ちながら目を閉じた。
それを悟りながら、ドスは二つだけ疑問を持ちながら目を閉じた。
・・・どうして自分は、こんな死に方をしなければならなかったのか・・・
・・・この村長は、村人たちは、本当に自分の知っているあの村の人間さんたちなのか・・・
・・・この村長は、村人たちは、本当に自分の知っているあの村の人間さんたちなのか・・・
その答えは、人間達から見ればわかって当たり前のものであった。
為す術を知らず、ドスにも助けてもらえない父まりさと母れいむは、
産まれたばかりで動けないおちびちゃん達を守るため、意を決して外に飛び出した。
中にいようと外にいようと結果は同じであったが。
産まれたばかりで動けないおちびちゃん達を守るため、意を決して外に飛び出した。
中にいようと外にいようと結果は同じであったが。
「ゆぁぁああ・・・あ?にんげんさん?」
「ゆ・・・どうして?」
「ゆ・・・どうして?」
だが、村人達がそれに答えることはない。
ころりっ、ころりっ。
父まりさと母れいむは、人間さんのあんよでころりと上下さかさまに転がされ、
「「ゆ?」」
そして次の瞬間、
さくっ!さくっ!
「ゆ・・・ゆぎひぃぃぃいいいい!!!」
上を向いた2匹のあんよに、スコップの槍が突き刺された。
「どぼぢでっ!あんよさんが、まりさのゆっくりしたあんよさんがぁぁぁぁ!!」
父まりさの叫びともとれる問いは、村人に完全に無視しされた。
「れいむだぢ、ゆっぐぢぢでだだげなのに、なんにもぢでないのにぃぃいいい!!」
母れいむのその叫びに、村人は一瞬だけチラリと視線を動かしたようだったが、
その視線は、痛みに苦しむれいむを黙らせるほどの、煮えるような悪意だけがこめられていた。
その視線は、痛みに苦しむれいむを黙らせるほどの、煮えるような悪意だけがこめられていた。
村人の暴力はそれで止まらなかった。
続いて手にした道具はガーデニング用の小さな、金属製の熊手。
村人はその熊手をおうちの中に突っ込むと、まずは赤ゆっくり達をベッドごとそろりと引きずり出す。
枯れ草を鳥の巣状に編みあげたベッドは案外頑丈だが、壊れて赤ゆっくりがこぼれると、
引きずり出すのが面倒になるので、この作業だけは丁寧だった。
村人はその熊手をおうちの中に突っ込むと、まずは赤ゆっくり達をベッドごとそろりと引きずり出す。
枯れ草を鳥の巣状に編みあげたベッドは案外頑丈だが、壊れて赤ゆっくりがこぼれると、
引きずり出すのが面倒になるので、この作業だけは丁寧だった。
「ゆぴゃーん!ゆっくちさしちぇー!」
「おにーしゃん、ゆっくちしちぇぇ!」
「おにーしゃん、ゆっくちしちぇぇ!」
ベッドの上でもにょもにょと泣き続ける産まれたての赤ゆっくり達。
しかし赤ゆっくりの可愛らしい泣き声は完全に無視され、
村人は5匹の赤ゆっくり達を、いったん腰にぶら下げた麻袋に放り込んだ。
しかし赤ゆっくりの可愛らしい泣き声は完全に無視され、
村人は5匹の赤ゆっくり達を、いったん腰にぶら下げた麻袋に放り込んだ。
「ゆぴぃ!いちゃーい!」
「せみゃいよー!ゆっくちさせちぇー!」
「おちびちゃんがいたがってるよぉぉ!ゆっぐぢざぜであげでぇぇえ!!」
「せみゃいよー!ゆっくちさせちぇー!」
「おちびちゃんがいたがってるよぉぉ!ゆっぐぢざぜであげでぇぇえ!!」
村人の作業は続く。
おうちの前の地面にスコップで、幅も深さも3~4cm程度の、細長く浅い溝を手際良く掘ると、
そこに腰の袋から取り出した植物の種をパラパラとまいていった。
それだけを見るなら、ココに花壇でも作るのだろうか、といった感じであっただろう。
実際その種は、この山で普通に生えていたような、ゆっくりにとっても美味しい草花の種であったのだから。
だが、この作業はこれで終わりではなかった。
そこに腰の袋から取り出した植物の種をパラパラとまいていった。
それだけを見るなら、ココに花壇でも作るのだろうか、といった感じであっただろう。
実際その種は、この山で普通に生えていたような、ゆっくりにとっても美味しい草花の種であったのだから。
だが、この作業はこれで終わりではなかった。
「ゆぁーん・・・ゆぅ?おそとにだしちぇくれりゅの?」
村人は麻袋から先ほど捕まえた赤まりさを取り出すと、
「おそらとんでるみちゃー『すっぽり!』・・・ゆぁーん。せみゃいー。」
先ほど種をまいた溝に、顔が上に向くように赤まりさをねじ込んだ。
赤まりさはもにょもにょと動いて溝から出ようとするが、
サイズも溝にぴったりで、真上に這い出す力など無い赤ゆっくりには無理な話だった。
赤まりさはもにょもにょと動いて溝から出ようとするが、
サイズも溝にぴったりで、真上に這い出す力など無い赤ゆっくりには無理な話だった。
「ゆ、ゆぅぅうう!?おちびちゃんにひどいことしないでね!」
「おにーさん!おぢびぢゃんはゆっぐぢしたいいこなんでずぅぅ!ゆっぐぢざぜでぐだざいぃぃいい!!」
「おにーさん!おぢびぢゃんはゆっぐぢしたいいこなんでずぅぅ!ゆっぐぢざぜでぐだざいぃぃいい!!」
赤まりさも、赤れいむも、赤れいむも、赤まりさも・・・
結局、両親の願いもむなしく、5匹の赤ゆっくりは全員溝にねじ込まれてしまった。
結局、両親の願いもむなしく、5匹の赤ゆっくりは全員溝にねじ込まれてしまった。
・・・そして、溝にそっと土がかぶせられた。
「・・・ぴゅ・・・・むぴぃ・・・ぴぃ・・・」
「・・・・・・ゆ、ゆぁぁああああ!!おぢびぢゃん、おぢびぢゃぁぁあああん!?」
「どうぢで、どうぢでぇぇええええ!?ゆっぐぢだずげであげでぇぇえええ!!」
「どうぢで、どうぢでぇぇええええ!?ゆっぐぢだずげであげでぇぇえええ!!」
溝にかぶせられた土は、まだモソモソと苦しそうに動いており、
土の下にはおちびちゃん達がもがいているのが、両親からもわかった。
だが、それを掘りだす手段は、父まりさにも、母れいむにもなかった。
逆さまになり、あんよを深く傷つけられ、その場から動く事も出来なかったのだから。
土の下にはおちびちゃん達がもがいているのが、両親からもわかった。
だが、それを掘りだす手段は、父まりさにも、母れいむにもなかった。
逆さまになり、あんよを深く傷つけられ、その場から動く事も出来なかったのだから。
そして、土をかぶせた溝の上に水筒から水が撒かれると、
体がふやけたのか、体力が尽きたのか、赤ゆっくり達のもがく動きは徐々に緩やかになり、
村人がおうちの中から山ほど貯められた食糧や家具、キレイな石などを熊手でひっかき出し終わった頃には、
両親の目の前で、ゆっくりした未来そのものの、可愛い可愛いおちびちゃんは、
まったく動かなくなっていた。
体がふやけたのか、体力が尽きたのか、赤ゆっくり達のもがく動きは徐々に緩やかになり、
村人がおうちの中から山ほど貯められた食糧や家具、キレイな石などを熊手でひっかき出し終わった頃には、
両親の目の前で、ゆっくりした未来そのものの、可愛い可愛いおちびちゃんは、
まったく動かなくなっていた。
「お・・・ちびちゃ・・・?」
「どうして・・・どうぢでぇ・・・」
「どうして・・・どうぢでぇ・・・」
これだけ終えると、村人は次のおうち目指し、足早に去っていった。
父まりさも、母れいむも、結局命を奪われる事も無く、おちびちゃん達の埋まる地面を眺めたまま、
雨が降るか、飢え死にするまでこのまま放置されることになる。
父まりさも、母れいむも、結局命を奪われる事も無く、おちびちゃん達の埋まる地面を眺めたまま、
雨が降るか、飢え死にするまでこのまま放置されることになる。
わざわざあんよだけ傷つけて生きたまま放置するのも、赤ゆっくりを生き埋めにするのも、
別に大した理由があるわけではなかった。
ゆっくりと苦しむことで甘みが増すという話を聞き、
ならば苦しめて殺せば栄養価もあがって良い肥料になるのでは?と考えただけの、単なる思い付きである。
別に大した理由があるわけではなかった。
ゆっくりと苦しむことで甘みが増すという話を聞き、
ならば苦しめて殺せば栄養価もあがって良い肥料になるのでは?と考えただけの、単なる思い付きである。
そう、ゆっくり達は、散々自分達で荒らし続けた森の養分として、
しっかりと役立ってもらわなければならない。
ゆっくりがやってくる以前のような、豊かな森に戻った時に、
ゆっくり達の罪は、初めて完全に浄化されるのだから。
しっかりと役立ってもらわなければならない。
ゆっくりがやってくる以前のような、豊かな森に戻った時に、
ゆっくり達の罪は、初めて完全に浄化されるのだから。
「ゆ・・・なん、なの・・・?」
「ま、まりさも・・・わかんないよぉ・・・。」
「ま、まりさも・・・わかんないよぉ・・・。」
子れいむと子まりさはゆっくりプレイスに戻ろうとしたが、その途中には、
途切れる場所も無いゆっくり捕獲用ネットが、ゆっくりプレイス全体を囲っていた。
そして、その中からは、ゆっくり達の泣き叫ぶ声が響きつづけていた。
途切れる場所も無いゆっくり捕獲用ネットが、ゆっくりプレイス全体を囲っていた。
そして、その中からは、ゆっくり達の泣き叫ぶ声が響きつづけていた。
声だけ聞いて済んでいたら、この2匹にとってどれだけ幸運だったであろうか。
だが、2匹の目には、人間さんにお飾りを奪われて必死でついていく、
大量の子ゆっくり達の姿がうつってしまった。
だが、2匹の目には、人間さんにお飾りを奪われて必死でついていく、
大量の子ゆっくり達の姿がうつってしまった。
子ゆっくりと言うのも厄介なもので、
生き埋めにするにはサイズが野球ボール並という、大きさがネックになる。
成体ほどにはまとまった量の肥料にならない。
親子そろって木の根元で肥料になってもらうのは、
手間が子ゆっくりの数に比例して大きくなるので得策でもない。
集めてからまとめて潰して肥料にするのも手だが、
その後森にまくのも無駄手間で、ハッキリ言って処分がめんどくさいのだ。
とは言え生かしておくと成体まで育ってしまうので、確実に殺すしかないのだが・・・。
生き埋めにするにはサイズが野球ボール並という、大きさがネックになる。
成体ほどにはまとまった量の肥料にならない。
親子そろって木の根元で肥料になってもらうのは、
手間が子ゆっくりの数に比例して大きくなるので得策でもない。
集めてからまとめて潰して肥料にするのも手だが、
その後森にまくのも無駄手間で、ハッキリ言って処分がめんどくさいのだ。
とは言え生かしておくと成体まで育ってしまうので、確実に殺すしかないのだが・・・。
そんな訳で、村人たちは子ゆっくり用の処分場を、自分達の活動拠点でもある、
山を流れる小川の河原に、片手間で作ってしまった。
山を流れる小川の河原に、片手間で作ってしまった。
その処分場の姿を簡単に言い表すと、河原の大きめの石や木の板で囲った、
水の入っていない大きなプールと言うのが的確であろう。
他に特徴と言えば、そのプールの真上に、
河原に生える木に括りつけた、大きな網がぶら下げてあることくらいであろうか。
水の入っていない大きなプールと言うのが的確であろう。
他に特徴と言えば、そのプールの真上に、
河原に生える木に括りつけた、大きな網がぶら下げてあることくらいであろうか。
子ゆっくり達はイチイチ袋に詰めて持ち運ぶのも重くて大変なので、
お飾りだけ奪われ、この処分場についてこさせられていた。
子れいむと子まりさが見たのは、この光景である。
お飾りだけ奪われ、この処分場についてこさせられていた。
子れいむと子まりさが見たのは、この光景である。
「ゆぴぇぇぇん、まりしゃのおぼうち、かえしちぇ!かえしちぇぇぇ!」
「ありしゅのかちゅーしゃしゃん、ゆっくちかえってきちぇぇぇ!」
「れいみゅのおりぼんしゃん、ゆっくち!ゆっくちぃぃ!!」
「ありしゅのかちゅーしゃしゃん、ゆっくちかえってきちぇぇぇ!」
「れいみゅのおりぼんしゃん、ゆっくち!ゆっくちぃぃ!!」
村人たちは子ゆっくりを連れてここまで来ると、プールの上にぶら下げてある大きな網に、
子ゆっくりのお飾りを放り込む。
子ゆっくりのお飾りを放り込む。
「ゆぁぁあん!まりしゃのおぼうち、おりてきちぇぇぇ!」
これで子ゆっくり達は、プールの中に勝手に転がりこんでじっとしていてくれるのだ。
そして、ゆっくりプレイス中のおうちの駆除が終わった頃、この子ゆっくり達も最期の時を迎えた。
「おりぼんしゃん、ゆっくち、ゆっく・・・ゆぁぁあああん!!どうしちぇおみずしゃん、はいってくりゅのぉぉおお!?」
「まりしゃのおぼうち!ゆっくちかえってきちぇぇええ!!おみずしゃんがきちゃぅぅううう!!」
「まりしゃのおぼうち!ゆっくちかえってきちぇぇええ!!おみずしゃんがきちゃぅぅううう!!」
川からプールにまでつなげられた水路から、水が一気に注ぎ込まれたのであった。
「たしゅけ・・・がぼっ・・!!」
「おにーしゃん、ゆっくちたしゅけ・・・ごぼごぼ・・・」
「ゆぴぃぃいいい!?どうしちぇ、ありしゅ、ゆっくちしちぇちゃのにぃぃいいい!?」
「おにーしゃん、ゆっくちたしゅけ・・・ごぼごぼ・・・」
「ゆぴぃぃいいい!?どうしちぇ、ありしゅ、ゆっくちしちぇちゃのにぃぃいいい!?」
だが、誰も助ける者はいなかった。
当然だ。
この子ゆっくり達が、『ゆっくりしている』事自体が村人にとって、
森の生き物全てにとって迷惑なだけだったのだから。
当然だ。
この子ゆっくり達が、『ゆっくりしている』事自体が村人にとって、
森の生き物全てにとって迷惑なだけだったのだから。
ごぽっ・・・ごぼ・・・・・とぷんっ・・・・・・
その光景を見終えた子れいむと子まりさは、声一つ発する事も忘れ、ひたすら逃げた。
その時・・・子れいむや子まりさと同年代の若いちぇんとありすが、
ゆっくり捕獲ネットの外側から、村人たちに向かって叫ぶのを見たが、
2匹は立ち止まりもせず逃げ続ける事を選んだのであった。
いや、立ち止まると言う選択肢が、頭に浮かばなかったというのが正しかっただろう。
ゆっくり捕獲ネットの外側から、村人たちに向かって叫ぶのを見たが、
2匹は立ち止まりもせず逃げ続ける事を選んだのであった。
いや、立ち止まると言う選択肢が、頭に浮かばなかったというのが正しかっただろう。
一方、ちぇんとありすの方は・・・
この2匹がネットの外、つまりゆっくりプレイスの外にいたのは、
子れいむ達と同様、夜のデートのためであった。
つまり、子れいむ達同様、この夜の惨劇から逃げる事も出来たはずだったのだ。
だが、その幸運を逃してでも、この2匹は叫ばずにはいられなかったのだ。
子れいむ達と同様、夜のデートのためであった。
つまり、子れいむ達同様、この夜の惨劇から逃げる事も出来たはずだったのだ。
だが、その幸運を逃してでも、この2匹は叫ばずにはいられなかったのだ。
なぜなら、2匹の視線の先には、
おうちに紅い塗料で目印を描いて回っていた、笑顔の優しそうなお兄さんが、
ゆっくりプレイスの境界を聞いて回っていた、たれ目気味でおっとりとしたお姉さんが、
子ゆっくり達が水没していく様を見下ろしている姿があったから。
おうちに紅い塗料で目印を描いて回っていた、笑顔の優しそうなお兄さんが、
ゆっくりプレイスの境界を聞いて回っていた、たれ目気味でおっとりとしたお姉さんが、
子ゆっくり達が水没していく様を見下ろしている姿があったから。
そう、この2匹は、お兄さんとお姉さんを案内して回った、あのちぇんとありすだった。
「おにいざぁぁあん!?こんなのとかいはじゃないわぁぁあ!!」
「おねえさぁぁん!わぎゃらないよぉぉぉ!?どうぢでごんなごどするのぉぉ!?」
「おねえさぁぁん!わぎゃらないよぉぉぉ!?どうぢでごんなごどするのぉぉ!?」
お兄さんとお姉さんも、2匹の事に気がついたようであった。
ゆっくりと2匹の方に近づくと、ネットをどかして2匹をゆっくりプレイスに迎え入れ、
そっと抱き上げてくれた。
ゆっくりと2匹の方に近づくと、ネットをどかして2匹をゆっくりプレイスに迎え入れ、
そっと抱き上げてくれた。
そう、2匹が二人を案内して回った、あの日のように。
「おにぃさん・・・おにーさんは、とかいはよね?」
「わかるよー。おねーさんは、とってもゆっくりしてるんだねー。」
「わかるよー。おねーさんは、とってもゆっくりしてるんだねー。」
そして二人は2匹を両手で持ち上げると、
思い切り地面に叩きつけた。
思い切り地面に叩きつけた。
両目玉が飛び出し、叩きつけられたあんよが、後頭部が、ぐしゃぐしゃに砕けるほどの勢いで。
・・・そして、2匹は、二人の足で仲良く同時に踏みつぶされた。
お兄さんとお姉さんにとって、やはりこの2匹は特別だったのであろう。
わざわざ、自分の手でキッチリ息の根を止めてあげる程度には。
わざわざ、自分の手でキッチリ息の根を止めてあげる程度には。
子れいむと子まりさは、必死で逃げながら、
ようやく働き出した頭で懸命に考えをめぐらしていた。
ようやく働き出した頭で懸命に考えをめぐらしていた。
あれは何?
人間さん?
違うよ?
人間さんはゆっくりしてるんだよ?
いっつも笑いながらお野菜さんをくれたよ?
村に行ってもみんな、優しく森まで送り返してくれたよ?
なら、あれは誰?
誰・・・・れいむたち・・・なにをしたの・・・?
人間さん?
違うよ?
人間さんはゆっくりしてるんだよ?
いっつも笑いながらお野菜さんをくれたよ?
村に行ってもみんな、優しく森まで送り返してくれたよ?
なら、あれは誰?
誰・・・・れいむたち・・・なにをしたの・・・?
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
明け方、全ては終わった。
村長は、子ゆっくり達の物であったお飾りが満載された網を背負って、川の中央へと向かう。
そして、川の中央までたどり着くと、網をそっとほどいて、中にあったお飾りを川へと流した。
解き放たれたお飾りが川にぷかぷかと浮かび、川面を色鮮やかに彩りながら、下流へと流されていく。
そして、川の中央までたどり着くと、網をそっとほどいて、中にあったお飾りを川へと流した。
解き放たれたお飾りが川にぷかぷかと浮かび、川面を色鮮やかに彩りながら、下流へと流されていく。
それはさながら、精霊流しのようであった。
そう、
ゆっくりに生息地を追われた動物達への、
ゆっくりに無駄に消費され続けた虫や草花への、
ゆっくりに食い散らかされ、売り物にもならず腐っていった野菜への、
ゆっくりに生息地を追われた動物達への、
ゆっくりに無駄に消費され続けた虫や草花への、
ゆっくりに食い散らかされ、売り物にもならず腐っていった野菜への、
村人たちからの、せめてもの供養であった。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
子れいむと子まりさは、夜通し逃げ続け、
森を抜け、山を駆けあがり、それでも逃げ続けた。
そして朝日が顔を出し始めた頃、性も根も尽き果てた2匹はその場に崩れ落ち、
この日初めて、自分達の後方に広がる光景を目にしたのであった。
森を抜け、山を駆けあがり、それでも逃げ続けた。
そして朝日が顔を出し始めた頃、性も根も尽き果てた2匹はその場に崩れ落ち、
この日初めて、自分達の後方に広がる光景を目にしたのであった。
あたりは一面、岩肌がむき出しで草もロクに生えない、高原の荒れ地。
その遥かかなた、山のふもとには、木々の生い茂る広大な森が広がっている。
そのさらに向こうには、人間さんの村であろう、美しい畑が見えた。
その遥かかなた、山のふもとには、木々の生い茂る広大な森が広がっている。
そのさらに向こうには、人間さんの村であろう、美しい畑が見えた。
「ゆぅ・・ゆぅぅうぅ・・・ゆぅぅぁぁああぅぅうぅ・・・」
子れいむと子まりさは、自分達が何を失ったのか、この時初めて正確に理解したのであった。
これまでれいむとまりさを守り、包みこんでくれていた、
森に住む全てのゆっくりの物であったゆっくりプレイスは、もう存在しない。
これまでれいむとまりさを守り、包みこんでくれていた、
森に住む全てのゆっくりの物であったゆっくりプレイスは、もう存在しない。
人間さんや、森の全ての動物達と理想的な(ゆっくり視点で)共存関係を取り戻すことも、もはや無いであろう。
あの森にゆっくりが再び受け入れられる日が来ることは、永久に無い。
人間さんと、人間さん以外の全ての動植物が森から姿を消す日まで、永久に・・・
2匹はこの後まもなく、この岩肌むき出しの高地で、
大きな石の下に穴を掘っただけの、寒々しいおうちに住むようになった。
大きな石の下に穴を掘っただけの、寒々しいおうちに住むようになった。
そして1週間後、2匹の間には、あれほど待ち望んでいた、ゆっくりとしたおちびちゃんが誕生した。
だが、そのさらに5日後、5匹の可愛いおちびちゃん達は、
ふかふかのベッドも、温かいおうちもない、隣近所もお友達もいない環境に恨み事をこぼし続け、
ロクに食事もとれない両親の元に産まれた事を呪いながら、一時もゆっくり出来ずに飢え死にした。
だが、そのさらに5日後、5匹の可愛いおちびちゃん達は、
ふかふかのベッドも、温かいおうちもない、隣近所もお友達もいない環境に恨み事をこぼし続け、
ロクに食事もとれない両親の元に産まれた事を呪いながら、一時もゆっくり出来ずに飢え死にした。
2匹は、自分達のかつて思い描いた未来が、
決してかなうことのないことを理解し、生涯嘆き続けることになったのである。
決してかなうことのないことを理解し、生涯嘆き続けることになったのである。
※『ふたば系ゆっくりいじめ 628 ゆきのなか』へ続く
※登場キャラ設定
尾根 仁(村長):
身長227cm、体重247kg。
レスリング主体のファイトスタイルで、数々の野生動物を葬ってきた
通称『村最強の生物』。
人気エロ絵師のおねにいさんとは、名前がよく似ている。
尾根 仁(村長):
身長227cm、体重247kg。
レスリング主体のファイトスタイルで、数々の野生動物を葬ってきた
通称『村最強の生物』。
人気エロ絵師のおねにいさんとは、名前がよく似ている。
挿絵 byおねにーあき
餡小話掲載作品
その他(舞台設定のみ共有)
ふたば系ゆっくりいじめ 157 ぱちゅりおばさんの事件簿
ふたば系ゆっくりいじめ 305 ゆっくりちるのの生態
ふたば系ゆっくりいじめ 854 ごく普通のゆっくりショップ
ふたば系ゆっくりいじめ 873 ゆっくり向けの節分
ふたば系ゆっくりいじめ 924 みんな大好きゆレンタイン
ふたば系ゆっくりいじめ 934 暇つぶし
ふたば系ゆっくりいじめ 943 軽いイタズラ
ふたば系ゆっくりいじめ 1016 お誕生日おめでとう!
ふたば系ゆっくりいじめ 1028 ゆっくり工作セット
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『町れいむ一家の四季』シリーズ 前日談
ふたば系ゆっくりいじめ 522 とてもゆっくりしたおうち
ふたば系ゆっくりいじめ 628 ゆきのなか
ふたば系ゆっくりいじめ 753 原点に戻ってみる
ふたば系ゆっくりいじめ 762 秋の実り
本作品
ふたば系ゆっくりいじめ 628 ゆきのなか
ふたば系ゆっくりいじめ 753 原点に戻ってみる
ふたば系ゆっくりいじめ 762 秋の実り
本作品
『町れいむ一家の四季』シリーズ(ストーリー展開順・おまけはそうでもない)
春-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 161 春の恵みさんでゆっくりするよ
春-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 154 竜巻さんでゆっくりしようね
春-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 165 お姉さんのまりさ飼育日記(おまけ)
春-2-3. ふたば系ゆっくりいじめ 178 お姉さんとまりさのはじめてのおつかい(おまけ)
春-2-4. ふたば系ゆっくりいじめ 167 ちぇんの素晴らしきゆん生(おまけ)
春-2-5. ふたば系ゆっくりいじめ 206 町の赤ゆの生きる道(おまけ)
夏-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 137 真夏はゆっくりできるね
夏-1-2. ふたば系ゆっくりいじめ 139 ゆっくりのみるゆめ(おまけ)
夏-1-3. ふたば系ゆっくりいじめ 734 未成ゆん(おまけ)
夏-1-4. ふたば系ゆっくりいじめ 678 飼われいむはおちびちゃんが欲しい(おまけ)
夏-1-5. ふたば系ゆっくりいじめ 174 ぱちぇと学ぼう!ゆっくりライフ(おまけ)
夏-1-6. ふたば系ゆっくりいじめ 235 てんこのインモラルスタディ(おまけ)
夏-1-7. ふたば系ゆっくりいじめ 142 ゆうかりんのご奉仕授業(おまけ)
夏-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 146 雨さんはゆっくりしてるね
夏-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 205 末っ子れいむの帰還
秋-1. ふたば系ゆっくりいじめ 186 台風さんでゆっくりしたいよ
秋-2. ふたば系ゆっくりいじめ 271 都会の雨さんもゆっくりしてるね
冬-1. ふたば系ゆっくりいじめ 490 ゆっくりしたハロウィンさん
冬-2. ふたば系ゆっくりいじめ 910 寒い日もゆっくりしようね
春-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 161 春の恵みさんでゆっくりするよ
春-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 154 竜巻さんでゆっくりしようね
春-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 165 お姉さんのまりさ飼育日記(おまけ)
春-2-3. ふたば系ゆっくりいじめ 178 お姉さんとまりさのはじめてのおつかい(おまけ)
春-2-4. ふたば系ゆっくりいじめ 167 ちぇんの素晴らしきゆん生(おまけ)
春-2-5. ふたば系ゆっくりいじめ 206 町の赤ゆの生きる道(おまけ)
夏-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 137 真夏はゆっくりできるね
夏-1-2. ふたば系ゆっくりいじめ 139 ゆっくりのみるゆめ(おまけ)
夏-1-3. ふたば系ゆっくりいじめ 734 未成ゆん(おまけ)
夏-1-4. ふたば系ゆっくりいじめ 678 飼われいむはおちびちゃんが欲しい(おまけ)
夏-1-5. ふたば系ゆっくりいじめ 174 ぱちぇと学ぼう!ゆっくりライフ(おまけ)
夏-1-6. ふたば系ゆっくりいじめ 235 てんこのインモラルスタディ(おまけ)
夏-1-7. ふたば系ゆっくりいじめ 142 ゆうかりんのご奉仕授業(おまけ)
夏-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 146 雨さんはゆっくりしてるね
夏-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 205 末っ子れいむの帰還
秋-1. ふたば系ゆっくりいじめ 186 台風さんでゆっくりしたいよ
秋-2. ふたば系ゆっくりいじめ 271 都会の雨さんもゆっくりしてるね
冬-1. ふたば系ゆっくりいじめ 490 ゆっくりしたハロウィンさん
冬-2. ふたば系ゆっくりいじめ 910 寒い日もゆっくりしようね
『町れいむ一家の四季』シリーズ 後日談
ふたば系ゆっくりいじめ 132 俺の嫁ゆっくり
ふたば系ゆっくりいじめ 148 ここはみんなのおうち宣言
ふたば系ゆっくりいじめ 224 レイパーズブレイド前篇(仮)
ふたば系ゆっくりいじめ 249 Yの閃光
ふたば系ゆっくりいじめ 333 銘菓湯栗饅頭
ふたば系ゆっくりいじめ 376 飼いゆっくりれいむ
ふたば系ゆっくりいじめ 409 町ゆっくりの食料事情
ふたば系ゆっくりいじめ 436 苦悩に満ちたゆん生
ふたば系ゆっくりいじめ 662 野良ゆっくりがやってきた
ふたば系ゆっくりいじめ 807 家出まりさの反省
ふたば系ゆっくりいじめ 148 ここはみんなのおうち宣言
ふたば系ゆっくりいじめ 224 レイパーズブレイド前篇(仮)
ふたば系ゆっくりいじめ 249 Yの閃光
ふたば系ゆっくりいじめ 333 銘菓湯栗饅頭
ふたば系ゆっくりいじめ 376 飼いゆっくりれいむ
ふたば系ゆっくりいじめ 409 町ゆっくりの食料事情
ふたば系ゆっくりいじめ 436 苦悩に満ちたゆん生
ふたば系ゆっくりいじめ 662 野良ゆっくりがやってきた
ふたば系ゆっくりいじめ 807 家出まりさの反省

挿絵:おねにーあき