ランゴ・ストマック

登録日:2025/06/07 Sat 06:51:10
更新日:2025/06/09 Mon 11:51:41NEW!
所要時間約 7 分で読める……




俺にはストマック社を変える使命がある

爺さんが開発した闇菓子を使って、グラニュート社会を支配する


ランゴ・ストマックとは『仮面ライダーガヴ』の登場人物である。

【データ】

身長:205.8cm
体重:82.3kg
特色/力:大剣/絶対防御/火球
演:塚本高史
スーツアクター(怪人態):横山一敏

【概要】

本作の異種族であるグラニュートで、先代社長であった父・ブーシュの死に伴い、ストマック社の現社長の座に就いたストマック家の長男にして現当主。
普段は黒いロングコートを着た、しかめっ面をした長身の男の人間態に擬態している。
本来の姿は頭から四本の角を伸ばし、全身各所からも鋭い刃のような突起を生やしたドラゴンのようなグラニュート。
他のグラニュートよりも大型のガヴも特徴で、腹だけでなく胸まで牙をずらりと並べた大口が開いている。

【戦闘能力】

そろそろ戻そう...

お前がこの世に存在しなかった世界に

大剣とガヴから吐き出す巨大な火球を武器とする。
最大の特色は圧倒的防御力を誇る「オーラシールド展開能力」とオーラシールドによる「オートガード」
このオーラシールドはオーバーガヴのオーバースマッシュでも破りきれないほどの堅牢さを誇る上に、外部からの攻撃に対して自動的に展開される性質上、死角からの不意打ちも通用しないという絶対防御の名に恥じない防御性能を発揮する。

オートガードを抜きにした素のスペックもかなり高く、一撃ごとに怯ませる攻撃の威力、ドラゴンボールじみた高速戦闘を可能とするスピード、オーバーモードの打撃を何発も受け切る耐久力、格闘センス全てが高水準にあるストロングスタイルの強敵。


武装

  • 大剣
無骨なデザインと身の丈ほどのサイズを誇る両刃のグレートソード。
自らが発する赤黒いエネルギーを刀身に纏わせることで斬撃の範囲を自在に変化させられる性質を持ち、刀身を伸縮させて離れた間合いの敵すら両断せしめる。
なお刀身の伸縮を行う際は柄を上下にスライドさせるギミックを操作する必要がある。


【人物像】

一人称は「俺」
家長らしく性格は冷徹かつ厳格な弱肉強食論者。
ストマック家の繁栄とグラニュート界の掌握を野望として掲げ、アクの強い弟妹達の手綱を握るのに腐心している。
任された仕事を果たさない者は家族でも容赦しない主義であり、その采配に情や贔屓の類は一切存在しない。している事は悪だけど経営者としてはかなり真っ当。

腹違いの弟ショウマと継母みちるを筆頭とする人間のことは闇菓子の材料としか見ておらず、嫌悪と侮蔑を隠そうともしない。
あるいは「人間と関わったせいで父が狂った」とでも思っているのかもしれない。
というか、ブーシュにみちるとショウマを紹介された際、グロッタやニエルブ共々「何言ってんだ?親父」と至極真っ当な反応を見せていた。
「力ある者が絶対」であるグラニュート界において、「力無き者」であるショウマがブーシュに庇護されていることに関しては「お前は生まれてきたのが間違いだったんだ」と断言する*1ほど鬱陶しがっており、ブーシュが逝去した途端二人を殺しにかかった。
第23話でのショウマの回想では比較的優しく対応していたが、その直後に彼の目の前で絆斗の母である早恵を溶解槽に突き落とすよう命令して殺害するという非道な行為をしており、ストマック社と人間の力関係を見せつけていた。
また、肉親に対する情も薄く、シータの戦死には「シータが赤ガヴにやられた?」と多少驚きつつも「先走ったか……馬鹿め」と吐き捨て、残されたジープの行方も探そうとしなかった。
一応、昔は上辺だけとはいえシータとジープの誕生会には顔を出しただけブーシュよりはマシだが…。

一方、ショウマの予想以上の成長速度には「シータとジープが手を焼いたのも分からんではない」と素直に感嘆しつつ危機感も覚えており、新たなバイトを募って対策に乗り出す様子も見せている。
ショウマの強さは認めたものの、それはそれとして双子の職務怠慢は事実なのでクビや勘当は撤回しないのだった。

ご覧の通り、登場当初は威厳あるボスキャラの印象が強かった。

【数々の苦労人ぶり】

…が、その実態は、悪役でありながら想定外の事態に振り回されることが多い苦労人。
先述の通り、ストマック社の幹部を兼ねる弟妹は

  • その場のノリで行動しがちでテンションが上がると本来の目的を忘れるグロッタ
  • ストマック社にとって都合の悪い相手だろうが節操なく手を組み、場合によっては鞍替えすら躊躇しないニエルブ
  • 報連相を全くしない上に勝手な思い込みで行動しては問題を大きくするシータ&ジープ

等々、経営陣というか社会人として問題のあるメンツばかり。
ストマック社の今後を真剣に考えているランゴが却って浮いてしまっている。
何なら4人の中で一番真面目に働いているのが戦闘狂のグロッタであることが彼の苦労人ぶりをよく表していると言えるだろう。

また、ランゴにも問題が無いわけではなく「社長」という立場ゆえに現場や末端の状況まで把握しきれず、自身も目先の実績や結果にばかり目が行きがちな節があった。
これが顕著に表れたのがラーゲ9ことラキア・アマルガの件であり、彼の思惑を見抜けないまま重用した結果、闇菓子工場への襲撃とヒトプレス奪還を許した事をグロッタとニエルブからチクチク責められた際はバツが悪そうに呻いていた。
ただこの件については彼なりに反省しているのか、後に副社長になったジープに対して「目先の利益に囚われていては、会社は長続きしない」と警告とも取れる忠告を贈っている(ジープは一顧だにしなかったが)。

挙げ句、ストーリー上でも一向に戦闘する機会に恵まれず、ライダーとの邂逅も無い。
ご覧の通り、敵方のトップでありながら、仮にも肉親の幹部達からろくに情報を共有して貰えておらず、なんなら現状一番蚊帳の外な姿に11年前メロン兄さんの再来を予想する視聴者もちらほらいた。
そして、出てくる度に視聴者に心配されたり同情されたりする立場になってしまった。
ついでに「またしても何も知らないランゴ兄さん」の愛称(?)も付いた。

この時点でもネタにされていたが、第29話から苦労人ぶりが加速。
ジープを始末しなかったことが、彼を通して大統領ボッカ・ジャルダックに闇菓子事業と人間界の存在及び移動技術を知られるというとんでもない爆弾となって跳ね返ってきてしまう。
しかも、ボッカが人間を資源として利用する事に興味を示した結果、「闇菓子を利用してグラニュート界の政府・富裕層を支配する」という当初の目標は当面は頓挫
その後もボッカに脅されながら彼の秘書か何かのように扱き使われ、終いには社長の座を令嬢リゼルに奪われて自身はかつてのシータとジープと同じ仕入れ担当に格下げ。
圧倒的権力を有する大統領親子に諂うしかないという自業自得ながらも哀れな立場になってしまうのだった。
ライダーと戦うよりも先にここまで落ちぶれるボスキャラも前代未聞である。
OPや第29話以降のキービジュアルでは普通にかっこいいものの、でかでかと目立っている分「仕入れ担当」という役職が笑いを誘うとか

【第31話以降の来歴】

ストマック家の没落を避けるべく、仕入れ担当としてヒトプレスの回収に努め続け、第33話では収穫率がガヴ達に妨害される以前の水準まで回復させている。これにより双子の無能ぶりも際立った
第35話では闇菓子1000万個の製造というボッカからの無茶ぶりを承諾。
人間側にグラニュートの存在が知られることを承知で、大規模なヒトプレス回収作戦に実行を移す。*2
その計画は、飛行機やスタジアムなど人間が大勢集まる閉鎖空間で以前採取したラキアの毒素をばら撒き、幸福状態となったところを多数のバイト達がヒトプレスにするというもの。
これにより、質が良いヒトプレスを山ほど集めることができる。
数万人規模の行方不明事件が全国で続出したため、案の定メディアに報道されてショウマ達に気付かれたが、直接戦闘では人間態で3人のライダーを圧倒する。
最高戦力だったオーバーガヴもオーラシールドを破るのが精一杯で、時間切れにより変身解除。
最終的にはブリザードソルベフォームで時間を稼がれて逃げられたが、ストマック家長兄の立場に相応しい実力をショウマ達に見せつけた。

第36話では凪浜アクアホールで行われる「U・M・A」のライブの観客をヒトプレスにしようとするが、駆け付けたショウマと再戦。
当初は新形態であるマスターガヴに対しては、攻撃力の低下を見抜き優位に立っていたものの、ショウマがマスターガヴで移動し攻撃の直前にオーバーガヴに切り替えるという戦い方で逆転され始める。
そして、大剣を折られた挙げ句右目を負傷し、最期はマスターブーストの直撃を受けて敗れ去った。

なお、自身の計画がショウマに露呈した原因はジープが直接ショウマに教えたから。
彼にはランゴにショウマを倒させる算段があったが、結果としてランゴの敗北&ヒトプレス化の阻止という形で闇菓子1000万個量産計画は破綻。
ストマック社に大損害を与えてしまった。

つくづく身内に恵まれない人である。
さらにストマック家の柱でもあった彼がいなくなったことでストマック社の経営権は完全にジャルダック家が掌握、ストマック家は完全に崩壊する危機に陥った。

しかし、悪の組織のボスにしてはあまりにも呆気ない最期だったが…?

【余談】

名前はエスペラント語で「舌」を意味する「Lango」から。

怪人態のモチーフは現時点では明言されていないが、有力な線としては父親を殺して財宝を独り占めしたドラゴン「ファフニール」であろうか。*3

演者の塚本高史氏は、息子が特撮を観ていたこともあって10年前から東映にオファーを出していたらしく、今回ようやく出演することができた。なお「息子はもう大きくなってしまった」と自虐していた

ネットミームとして、「何!?●●が▲▲だと!?」という「ランゴ兄さん構文」が存在する。
これは、先述の「シータが赤ガヴにやられた?」と第21話の「ラーゲ9が赤ガヴに寝返った?」という台詞が元ネタで、公式Xにも使用されたことがある。


「質の良い項目を増やせ」と言ったはずだが変わらないな。どうなってる?

任されたのなら責任を持て。自分で頭を使え。

それができないのなら、以前のように俺が自分のエージェントに追記・修正させる。


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最終更新:2025年06月09日 11:51

*1 35話ではこの発言は飛行機のエンジン音にかき消されてほとんど聴き取れなくなっていたが、36話の回想では普通に放送された

*2 流石のジープもランゴの計画書を見て事の重大さに気付いたものの、反対意見を出す前にリゼルが承認したため黙認した。

*3 無理やり辻褄を合わせるとその血を浴びたものはありとあらゆる攻撃を防ぐという逸話が特殊能力である絶対防御と合致する