女性ナレーター:
久本雅美。マチャミの愛称で親しまれ、その姿をテレビで見ない日は無いと言われる、国民的人気タレント!
小さい頃から人に笑ってもらうことが大好きだった久本さん。本格的にお笑いの道を志し、22歳で上京。
1984年、WAHAHA本舗の設立に参加。今やテレビ・演劇にとどまらず、縦横無尽に活動の場を広げています。
久本雅美:
私ねどんなに疲れてても、この皆さんの笑い声とか笑顔を見たら、ホントに疲れが吹っ飛ぶんですね。
で、すごい割れる力って(凄いお笑いの力って)、私の中ではすごいなって思っていますので、この身を通して、
皆さんに少しでも、お役に立てれたらいいなと思いますので、生涯現役で、頑張って行きたいなと思います。
久本雅美:(黒い車から出ながら)
おざいまーすおざまーす(おはようございます)
女性ナレーター:
華やかな舞台の裏で、人知れず自分の弱さと戦った挑戦の日々。
自分らしく輝けるようになった秘訣を、久本さん本人が余すところなく語ります!
(唐揚げ音)(テロップ:2014年11月1日大森池田記念会館)
久本雅美:
ありがとうございま(小声で少し笑いながら)
どうも皆さんこんにちはー!(観客:こんにちわー)まーほんとにこの空間緊張しちゃいますよね~(観客少し笑う)
大丈夫みんな元気ですか?(観客返事)ありがとうございます~あの今日わたくしが、ビデオオンデマンドという
やつでですね、なぜ創価学会に入会したのか、この信仰をしてどう思ったのかというぅですね、
話させて頂きますけど、大丈夫ですかみなさん?お気楽に聞いていただければいいと思います。
だいじょぶ?ほんとあっ、イケメンありがと~前で!(観客が笑い、カメラが切り替わって赤い服の男性が頭を下げる)
テンション上がっちゃう~!じゃちょっと座らせて頂きますよろしくお(ね)がいしまーす(唐揚げ音)フフw
なんかこういう形初めてだからちょっと緊張するよね。ねえみんな大丈夫?映ってもいいんだってね。
映りたがりさんの集まりなんだよね?(観客笑い)よかったよかったそれはよかった。
私は今あのー、中野区というとこで創価学会婦人部として、またあの芸術部として、地域、そして全国をですね
同志の皆様と一緒に走らせて頂いてるわけなんですけども、元々は、大阪生まれの大阪育ちでして、
いや今はもう東京の方が長くなっちゃいましたけどね、とにかくまあ大阪で生まれ育ったわけですよ。
(テロップ:お笑いの道へ入るきっかけ)
で高校、大学と行かせて頂いて、短大のときになっ、あのーお友達になった女の子がいてね、
短大の時にお友達になった「立野匡美さん」って女の子がいて、その子とたまたま東京に行く機会がありましてね、
それでまぁ色んな舞台観て、「自分がどこの劇団入りたいか決めたいから付き合って!」なんて言われて、
「あっ、いいよ~」つって軽い気持ちで二人で行ったんです。
そしたら私がハマっちゃってね、ものすご~く感動しちゃったんです。
「なんてお笑いってかっこいいんだろう、なんてお笑いってすごいんだろ、なんてお笑いって素晴らしいんだろう」
ってねもう感動しちゃったの。「決めた!私も一緒に東京出る!私はこの劇団に入って、お笑いの女優さんになるから、
一緒に東京出よう!」なんてね。二人で一生懸命もう朝から夜まで、もうバイトして、お金貯めて、
それでもうこそっと東京来てはね、もう家まで決めて、とにかく用意万端全部整えて、それで、あのー、
いよいよ、出る何日か前にね、「お父さんお母さん、話があります!」(発音不明瞭聞き取れず)ウチのお父さんお母さんがね、来て、「どうした?」って言うから、「うん、あのー、東京に行って、お笑いの劇団に入って、女優さんなる!」
って言ったんです。まそれまで親にとってビックリですよ。演劇のえの字も言ってないですし。
親はもうがっかりですよ、もう急に言い出したけど。この子は一旦言い出したら聞かないな~って。
もう母なんかうなだれててさぁ、もうあの子は(アホの子は)言う事聞かないからしょうがないな~って言うんで
まあほんとに二人ともしょんぼりしてました。うなだれてました。
でも(今)私はもう行こうって決めた。まあその時はほんとにもう、夢と希望に満ち溢れて、
「もう絶対にビッグになってやる。絶対に活躍してやる!」ってね「お父さんお母さん見ててください!」って思いで、
夢と希望に満ち溢れて、上京して参りました。
憧れの劇団にも、なんとか直談判で入れてもらって、新しい生活が始まるわけですけれども、
最初のうちは、やること成すこと新鮮で嬉しくてね、もういよいよ東京来て入団してお笑いの女優さんになるんだ~って
もう夢に満ち溢れていますから、なんにも怖いもん無しでぶつかっていってました。
(テロップ:不安な日々)
ところが、そういった浮かれた生活っていうのはあっという間に、終わっちゃうんですね。
あのね、やっぱりこの、お笑いの難しさに、ぶち当たったんですね。
もうアマチュアとプロなんか雲泥の差だから。まあやっぱり私が友達に向かってね友達とパパパって
笑かしてる場合じゃない。やっぱり人生賭けて、命賭けてみなさんやってらっしゃるから。
毎日怒られるんです。「なにやってんだ!」って「それていいと思ってんのか!」「もっと面白いことがあるだろ!」
「それでお客さんが納得するのか!?」って。毎日怒られちゃうんです。私もう演劇もやったことないから。素人だから。
「久本お前すぐ立て!」って言われても「えぇ…立ってます…」(発音不明瞭)なんてたりとかね。(観客少し笑う)
「お客さんに向かってお尻向けるんじゃない!」ってもうそっから始まってますから。
いろんなとこから怒られて怒られて、まあそりゃ力が無いのは当然なんですけども。
もうどんどんどんどん自信が無くなって、萎縮していくわけです。
でも負けたくないから頑張ろうと、そう不安とあそ(発音不明瞭)の日々に悶々として変わってr、行くわけですけれども、
なんとか踏ん張って頑張ろうっていう風にやってたんです。
1年2年3年が過ぎました。
んでどうしようかな~って思ってた時に、
(テロップ:ワハハ本舗 旗揚げ)
柴田理恵さんたちと一緒に、「新しい劇団を作ろう!」ってことになったんです。
まあそんとき色んな皆さん想いがあったと思います。それぞれの理由があったと思う。私ももう色々悩みました。
「このまま行ってね、どうなのかな~」って。やっぱりこう自分で劇団を作って、痛い目に会って初めて
力が付くんじゃないんだろうかっていうって思いもあった。そしてまたやっぱり、劇団というものは、作ったひとのもんだから、
なかなか自分の意見も通らないんじゃないかって。これからは仲間同士でやるから、まあ言いたいことも言えて、
やりたい事もやれると、いよいよ本領発揮だと。再びまた、夢と希望に満ち溢れて、劇団旗揚げするわけです。
(画面が切り替わって、旗揚げ当時のテロップと久本の写真)
ところが、環境が変わっても、なんーにも変わってない自分に愕然とくるわけですよ。
それどころかね、周りはみんな、あれもやりたいこれもやろうってね、意気軒昂(いきけんこう)にね、
もう想いに満ち溢れてるわけですよ。
ところが私は相変わらず「どうやったら面白いんだろ、どうやったら笑ってもらえるんだろ、何が面白いんだろ、私はお笑いに向いてるんだろうか、でも頑張りたい」っていうこのままで終わってるから。
何が正しいのか何が悪いのかがまあ見えない。分からないんですね。
そういう時って、人の意見に左右されちゃうんですよ。誰かがね、こうだ!って言われたらね、
うん、ほんとにそうなんです(ほんとにそう思うんです)。あぁほんとだなぁって。
でも「私はこうだ」って言うと、「あっ、なるほどなぁ」って。
でも「僕はこうだ」って言われたら、「うーん、なるほど」って。
「いや私はこう思う」って「あっ、なるほどなぁ」
「いや僕はこう思う」「うんうん、なるほどなぁ」(段々観客の笑い声)
「いや私はこう思う」「あぁ、なるほどな」
「いや僕はこうry」「あぁ、なるほどな」
「じゃあ久本は?」「うぅん、なるほどな」ってね。(観客の笑い声)
意見が無いんです。下手な意見言ってね、「だからお前バカなんだ」とか「だからお前バ…ダメなんだ」
って言われたらどうしようっていう。恥かきたくない。舐められたくない。かっこ悪い自分になりたくないってもう
空元気。あと虚勢ばっかりはい、張んね。もう虚勢ばっかり張って。とにかくもう自分をこれ、もう必死でこう、踏ん張る、踏ん張りをね。そう、そうゆう時っていうのはね、たんだここの、(なんだかこの)人と自分を比べだしちゃうんですよね。
どうなんだろうって。負けたくない負けたくないって気持ちがいつの間にか、自分に負けたくないじゃなくて、
もう「この人に負けたくない」「あの人に負けたくない」って。人と自分を比べては「あの人に勝ってる」とか、
「あの人に負けてる」とか、「あの人よりイケてる」「あの人よりダメ」ってこうね、
もうね、常に自分を人と比べては「自分は今どこにいるんだろう」「今どういう立場なんだろう」
「今どこの位置にいるんだろう」なんてね。そんなことばっかり考えてね、どんどんどんどん行き詰まってくる。
でもなんとか頑張りたいけどなーと思いながら、もう四苦八苦するわけですよ。
でも元々この持ってる面白さは持ってるわけ。じゃどこでこの面白さを発揮するかって言ったらね、
飲み屋なんです。うふふふふ(観客笑い)飲み屋でみんなを笑かすわけよ~。喫茶店とか飲み屋とかで
こんなんたんなってワーってって、みんなから面白いな~面白いな~って。
みんなに言われるんだけど、演出家に言われてね、「久本」って「君は普段面白いのに、どうしてそれが
舞台に出ないんだ」って言われるわけ。それ自分でも分かってるわけですよ、周りも気が付いてるわけ、
何よりも自分が一番よく分かってる。このどうでもいい時に自分がワーって本領発揮してね、
いざ一番輝かなきゃいけない舞台ではなんにもできなくて萎縮してる自分がもう嫌で嫌で、
どうしたらいいんだろー、私このまま消えてなくなっても誰も気が付かないだろうな~とかね、
このままどうなっていくんだろう、いつもこうやってまた悶々としてた。
でも踏ん張りたーいとか、もうこのね、この気持ちで毎日焦って、焦りながら生きてたんです。
最終更新:2025年06月04日 17:56