よにんのかみさま
四人の神様
【分類】
【解説】
この世界には大きな神さまが四人いました。
一人は空に、一人は海に、一人は陸に、最後の一人は昼と夜になりました。
やがてそれらからまた別の神が生まれ出でました。
海からは、
水が、
金が。
陸からは、
土が、
木が。
空からは、
風が、
火が。
昼と夜からは、
光が、
闇が生まれました。
そして最後に全てから
名も無き獣が生まれました
世界はそれらの神々によって整えてられていきました。
神々の寵愛は世界に満ち、草木が生まれ、動物が生まれ、ありとあらゆる生き物が生みだされていきました。
ところががあるとき、名も無き獣があろう事かこの世界を独り占めしようと考えたのです。
そして名も無き獣はあらゆるものを食らうドラゴンを、世界に生み出してしまいました。
あわてた他の神々が止めるように説得しましたが、名も無き獣は既に神としての存在を放棄し、その世界の竜の中へと魂を移していたのでした。
竜の力はすさまじく、他の動物たちを喰らい、木々を焼き、海を干上がらせ陸を海に変えてしまいました。
困り果てた神々は、苦渋の選択をすることになりました。
すなわち、神々の力を地上の生き物に貸し与えること。その力を使い、竜を倒す者が現れるのを願うこと。
けれど神々の力は強大で、その力を使える生き物はなかなか出てきません。
何百年もの間、世界は竜の庭のようになっていたとき。
ソレが生まれたのです。
神の力は生物の体に宿りましたが、その力を使うことが出来たのは今の人間の祖先だけでした。
それらは、有るモノは魔法として、有るモノは技術として、人間達はその類い希なる知性を以てみるみるうちに力を付けていきました。
やがて力を付けた人間達はドンドン強くなり、竜を倒せるまでの強さを発揮するようになったのです。
人間に倒されるようになった竜は、やがて人間を軽視することを止め、その暴虐ぶりを止めるようになりました。
やがて国は落ち着きを獲得し、地上に住む竜は辺境にてひっそりと暮らすようになりました。
けれど悲しいことが起こり始めたのです。
手を取り合って暮らしていた人間達が、お互いに争いを始めるようになったのです。
地面に線を引き、自分の国だと宣言し。
隣の国に勝手に入ってきて、そこに住んでいる人達を殺したり、誘拐して自分たちの国で奴隷のような扱いをしたりしました。
それを見かねたのが八人の神様達でした。
人間達が争いを止めるように、新しい動物たちを作り出したのです。
動物たちに自由意志を与え、時に知性を与えたりして。
そうして生まれた動物たちは、時に人間を襲い、そして人間はその動物たちを殺す為、人間同士での争いをしなくなりました。
それでも完璧にとは言えません、知性を得た人間は、もはや神様達の手から離れていってしまったのです。
そして今も、この世界に生きる人間達を神様達は見続けているのです。
最終更新:2023年07月01日 10:13