雑記
地図
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匿名ユーザー
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私が小学生のころ(もう何年前か、何年生のときかも思い出せないけど)、新学期に教科書と一緒に地図帳をもらいました。
最初は、地図を見ているだけでわくわくしました。地図帳は最初に日本の詳細な地図、後半に世界の各地の地図、そして最後の見開きに全体の世界地図が載っていました。
私はまず、自分の住んでいるあたりの地図、そしてそこが日本のどのあたりか、最後にそれが世界全体のどこらあたりかを、確認しました。
順に追っていくことで、世界、というものがいかに広いのか、目も眩むような思いでした。
順に追っていくことで、世界、というものがいかに広いのか、目も眩むような思いでした。
想像もできないくらい、世界は広いと思ったのを覚えています。
地理は苦手で、産業がどうだとか工場ベルトがなんだとか、そういうのはてんで苦手だったのですが、地図を眺めるのは大好きでした。
そのうち、私は地図に私だけの世界を書き加えるようになりました。
今の地図帳はわからないですが、私が小学生のころの地図帳は印刷が安かったのか消しゴムでこすると印刷を消すことができたのです。
最初は、自分の住んでいる近所に、デパートや遊園地など(なにせ小学生ですから)、近くにあったら楽しいだろうと思ったものを書き加えました。変に気合の入った絵とか、つけて。
そのうち、現実にあるものだけでは飽き足らなくなって、ゲームやファンタジーの世界にあるような様々な地名や絵を加えて行きました。
気がつくと、私の地図帳は現実の世界とはまったく異なる地図帳になっていました。私の中にある、私の中にしかない世界の、地図。
数年(十数年?)たって、ある漫画の中で、同じようなことをテーマにしたお話に出会いました。
びっくりしました。私と、同じことを考える人がいた。
嬉しく、懐かしく思いました。
「『そんな所あるもんか』
って言うたびに
国はひとつずつ
消えちまうんだ」
って言うたびに
国はひとつずつ
消えちまうんだ」
私は、大人になってその地図帳をあらゆる意味でなくしてしまったことに、悲しくなりました。