金色皇后

【元ネタ】金色姫伝説&うつろ船伝説
【CLASS】ライダー
【マスター】
【真名】金色皇后
【性別】女
【身長・体重】160cm・52kg
【属性】混沌・善
【ステータス】筋力D 耐久D 敏捷B 魔力B 幸運B 宝具A+

【クラス別スキル】
騎乗:A
 幻獣・神獣ランクを除く全ての獣、乗り物を自在に操れる。

対魔力:D
 一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。
 魔力避けのアミュレット程度の対魔力。

【固有スキル】
変化:D+
 人間の成人女性体の範囲内で衣装含む外見特徴を変更できる程度。
 伝説では養蚕の祖。その亡骸が蚕に変じたという。

神性:C-
 神霊適性を持つかどうか。高いほどより物質的な神霊との混血とされる。
 死後、富士と筑波の神と共に、養蚕・機織の起源として祭られたが、
 召喚時に他の二柱との「接続」を切って、ランクを低下させている。

四つの休:A
 継母に四度捨てられても人や獣に救われ、苦難を通じて繭を作る術を授かった。
 不要な肉体機能と感覚を閉じることで受信する。何かを。
 自身の能動的な判定にマイナス補正を掛けて発動する、啓示と戦闘続行の複合スキル。

【宝具】
『常世の浪掻き分ける靭(とこよのなみかきわけるうつぼ)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:3~10 最大捕捉:5人
 舟であると同時に、神を育んだ繭としての性質を持つ球状の障壁。
 物理防護性能に加え、障壁内の任意の対象に最大Bランクまでの疑似神性を付与できる。
 神性ランクの変化は障壁内に留まっていたターン数に応じて上昇・持続する。

『顕世の織り成す虚舟(テキスタイル・ブラックボックス)』
ランク:A+ 種別:対民宝具 レンジ:1~100 最大捕捉:300人
 うつろ船の蛮女が手にしていた箱。
 「人類の想像の地平」を内包した、神舟の動力にして制御系。
 真名解放と共に異形の船体を形成し、常に観測者の「認知と想像の一歩先」へ、
 その破壊的な航跡以外は、見ることも触れることも敵わない形状・速度へと自己改良を始める。
 核を完全に破壊されない限り自動修復し、既知の攻撃を上回る速度を獲得する。

 舟は誰かに観測され自己進化するため、その改良が「人類の想像の一歩先」分を超えることはない。
 「人類の想像の一歩先」へと追いつく、速さと力のみがこの舟に届きうる。
 ミステリー、オカルト――手が届きそうな距離にある神秘だからこそ、皆が解き明かそうとする。
 馬車馬の鼻先にニンジンをぶら下げるみたいに、人々に神秘を暴き立てさせる対民宝具。

【Weapon】
『綿糸』
 筑波山の神によって紡ぎ方を伝えられた繭糸。神衣の素材。
 ヴィジュアルが近未来なビームのワイヤー。

【解説】
4世紀――天竺仲国に生まれた金色姫は、継母の手で四度の苦難に晒され、
いずれも生きて戻ったが、行く末を案じた王に、桑で作られた靭舟に乗せられる。
常陸国に流れ着いた彼女は、そこでようやく権太夫夫妻に掌中の玉と愛されるが、
病に罹り、天からの迎えが来たように息を引き取る。

夫婦の夢枕に立った金色姫は、自身の亡骸が変じた蚕に、桑の葉を与えるよう伝える。
かつての苦難と同じく、獅子・鷹・船・庭と四度の休みを経て蚕は繭を作り、
筑波と富士の神によって製糸と機織の技術が伝えられる――養蚕の起源の物語だ。

養神として祭られ、永い時の中で彼女はふと思う。あの温もりをもう一度、と。
あの時と同じく、うつろ舟に乗り天を下り、かつての浜へとたどり着く。
1400年余りの時が、過ぎていた。愛しい人々の面影はなく、そこにあったのは拒絶。
時は江戸末期、鎖国の時代。言葉の通じぬ蛮女の正体は、大陸の姫君か、はたまた罪人か?
騒ぎを恐れた漁民たちは、彼女を舟に乗せ沖へ帰したという。

あぁ、また私は捨てられるのか。
斯くして虚の舟は、空想の地平を彷徨い続けることになる。

【蛇足】
18後半~19世紀初頭、飛行船ツェッペリン号が建造され、ライト兄弟の初飛行の時代、
西洋の人々の想像する、宇宙人の船舶像は「気球に翼が生えたような形状」だった。
現代世界で広く想像される「円盤状のUFO」が目撃される……もとい想像できるようになったのは、
1947年6月のケネス・アーノルド事件、そして1947年7月のロズウェル事件以降の事である。

対して「うつろ舟の蛮女」は18世紀初頭日本・江戸時代の文献に複数残るUFOミステリー。
当時、世界でも稀な「円盤状の鉄舟」に乗った異界からの訪問者との遭遇伝承である。

……しかし、同じ話の骨子を持つ、金色姫伝説を載せた、
「養蚕秘録」は1802年、「兎園小説」の出版は同時期の1825年の事。
文献に残るうつろ船の特徴であるガラス張り・流線形の形状・材質・宇宙文字(?)などは、
その時代の西洋船舶の特徴を模した、想像可能な範囲の創作でしかないとされる。

新技術との接触・文明のブレイクスルーが発生した時、
人がそこに新たな「空想の余地」を見出すという事だけは確か。
光が強く差すほどに、未知の闇も濃くなるのだ。
最終更新:2016年11月17日 17:41