【元ネタ】史実、カバラ
【CLASS】キャスター
【マスター】
【真名】シモン・バル・ヨハイ
【性別】男性
【身長・体重】172cm・71kg
【属性】秩序・中庸
【ステータス】筋力C 耐久B 敏捷D 魔力A+ 幸運C 宝具A++
【クラス別スキル】
陣地作成:B→A+
魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。
“工房”の形成が可能。
ただ洞窟など辺鄙な土地の限定空間を陣地化する場合は別で、
伝承補正によりその領域を“神殿”すら凌駕する“聖域”に変貌させられる。
バル・ヨハイは遺体を掘り返して「汚れた街」ティベリアを清め、
また洞窟において数々の奇跡に遭遇したという。
道具作成:A
聖典の記述者とされ、
テキスト方面でのアイテム製作を特に得意とする。
【固有スキル】
殉教者の魂:B
彼自身に殉教の事実はないが、殉教に臨もうとする師の意思を継承し、鋼の信仰を得ている。
精神面への干渉を無効化する精神防御。
気配遮断:C-
隠密行動に適した能力。洞窟隠れ。
サーヴァントとしての気配を断つが、逃げ隠れる為にしか使用できない。
使い魔(妖精):C
ベン・テマリオン。
現界時より、妙にフランクな謎の生き物が付き纏っている。
数秘術(カバラ):A++
現代カバラの直接の源流。
魔術系統としてのカバラの事実上の開祖、または中興の祖。
神代が閉じた後、つまり預言者以後の時代において絶後を謳われる、魔術師にして聖人である。
【宝具】
『第三聖典・遍照神智(マザール・トーヴ)』
ランク:A++ 種別:対城宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:1000人
ゾーハルの最大教義である神の流出を体現する“破裂”の宝具。
聖典が彼の胸奥より神の光を引き出し、爆発させ、太陽の如き輝きをもって辺り一面を照らし出す。
神光は熱量も太陽のそれに匹敵し、光が収まった後にはすべての営みが消え失せているだろう。
キャスターを起点とした球状の光放射の形を取る宝具のため、
光線型や飛矢型に比べて扱いづらい欠点がある。
なお、マザール・トーヴ(マゼルトフ)とはヘブライ語のお祝いの言葉。
結婚式では新郎がグラスを砕き、列席者がこれを叫びかける慣習がある。
伝承によれば、バル・ヨハイが悪魔を祓った時、宮廷のガラス窓が一斉に全て割れたといい、
また物が壊れるのは神の裁きが下る吉兆とされることから、
マザール・トーヴは食器が割れた時などの間投詞としても用いられる。
ガラスの破砕、ラグ・バオメルの火、ゾーハルの流出(アツィルト)思想、
後のルリアの「器の破裂」などのイメージの合体物、それがシモン・バル・ヨハイの“マザール・トーヴ”である。
【Weapon】
『ゾーハル』
カバリズムにおける最大の聖典。ゾーハルとは「輝き」あるいは「流出」の意味である。
ラビ・シモン・ベン・ヨハイまたは弟子が記したユダヤ神秘思想の集大成とされる、
古典時代(タルムードの時代)のアラム語で書かれた膨大な文書群。
スペインのモーシェ・デ・レオンが著者とされるがその紹介は今や正確さを欠き、
現代の研究ではデ・レオンは複数のラビが書き連ねたテキストの最終的な編者であったと考えられる。
複数の文献が一つに編纂された書物であり、
断片が収集され現在の形になるまでにもテキストが追加されたことが伺われ、
また初期執筆者にはデ・レオンよりも有能で高名なラビも多く含まれていたと予想される。
だが正統派は依然としてゾーハルの著作をラシュビに帰す見解を堅持し、
デ・レオンがシモンの予言通り神殿破壊から1200年後の1270年に洞窟から見出したのがゾーハルだ、
と主張するものもいるという。
『ベン・テマリオン』
元気な子供やスポーティな少女が大好きな自称・悪魔。タマリオンとも。
フランス系ユダヤ人の伝承によれば、ベン・テマリオンは人に親切な妖精(リュタン)なのだという。
なお、キャスターは自作自演を否定している。
【解説】
アラム語表記のシモン・バル・ヨハイ、
または頭文字を拾った略称のラシュビの名で呼ばれるタンナーイーム第四世代のラビ。
ツファットの神秘主義とメロン山の祭祀伝統に深く関連付けられ、
偉大な神秘主義者として多くのヘカロート文献と、かの奥義書の頂点ゾーハルの著作を帰せられる。
アキバ・ベン・ヨセフの五大弟子の一人にして、アキバに叙階されたただ二人の弟子のうちの一人である。
13年師に仕え、投獄されたアキバを見舞ってその理想と精神性を共有したという。
ハドリアヌスの迫害を逃げ切るも、アントニヌス・ピウス統治下のラビの集会で反ローマ的主張を唱え、
またもや当局に追われる身となり13年間の潜伏を迫られた。洞窟で息子と研究生活を送ったとされ、
ゾーハル、即ち「ミドラーシュ・デ・ラビ・シモン・ベン・ヨハイ」はこの時期に書かれたとされる。
皇帝の死後舞い戻り、伝説によれば当代のローマ皇帝の娘に宿った
悪魔ベン・テマリオン(あるいはアスモデウス)を祓い、再熱しかけたユダヤ人迫害を止めたという。
ラビ・アキバの影響と師の刑死のトラウマからアンチ異邦(ローマ)人発言が目立ち、
タルムードにある「最高の異教徒は死に値する。最高の蛇の頭は砕かれねばならぬのだ」という言葉は
反ユダヤ主義に度々引用される。
最終更新:2017年03月22日 21:44