ミハイル・クトゥーゾフ

【元ネタ】史実 
【CLASS】アーチャー
【マスター】
【真名】ミハイル・クトゥーゾフ
【性別】男性
【身長・体重】178cm・101kg
【属性】秩序・中庸
【ステータス】筋力C 耐久A 敏捷E 魔力C 幸運B 宝具A+
【クラス別スキル】
対魔力:E
 魔術に対する守り。
 無効化は出来ず、ダメージ数値を多少削減する。

単独行動:C
 マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
 ランクCならば、マスターを失ってから一日間現界可能。

【固有スキル】
戦略:B
 外交や兵站など大局的に物事をとらえ、戦う前に勝利を決する力。
 ロシアの気候を武器にナポレオンを敗走せしめた事(大元はバルクライの焦土戦術だが)と、外交官としても活躍した手腕を表す。

カリスマ:C+
 軍団を指揮する天性の才能。団体戦闘において、自軍の能力を向上させる。
 首都を捨てての焦土戦術でさえ人々に容認させるほどのカリスマ性。

仕切り直し:B
 戦闘から離脱する能力。また、不利になった戦闘を初期状態へと戻す。

支援砲撃:B
 戦闘時、大砲を召喚、設置し、砲撃を行なうことが出来る。
 通常の砲弾のみならず、宝具を利用した冷凍弾も発射可能。

【宝具】
『冬将軍(ジェネラル・フロスト)』
ランク:A+ 種別:対軍 対国宝具 レンジ:0~99 最大捕捉:1000人
 かのナポレオンをも敗北せしめたロシアの厳冬、その冷気が宝具にまで昇華されたもの。
 クトゥーゾフの撤退経路に魔力を注ぐ事で、その周囲に凍える吹雪を渦巻かせる。
 吹雪による冷気は毎ターンHPとMPにスリップダメージを課し、魔力供給を含めた回復行為と見なされる効果を阻害する力を持つ。
 さらに規模が一定以上になった場合、相手の退却の成功率も低下させられる。

【解説】
 帝政ロシア時代、エカチェリーナ2世、パーヴェル1世、アレクサンドル1世の3代にわたって仕えた軍人。
 英雄ナポレオンをロシアの気候を利用した焦土戦術で破り、その野望を頓挫させた事で有名。
 隻眼で肥満体質、女癖も悪かったが、兵士や一般国民からの人気は高かった。

 軍人一家に生まれ、貴族砲兵学校で軍事を学ぶ。
 諸方面で活躍した後に不敗の名将アレクサンドル・スヴォーロフの幕下に加わり、その軍才を開花させた。

 最後の主君アレクサンドル1世とは折り合いが悪く、
 フランスの名将ナポレオンとアウステルリッツで戦った際には名ばかりの司令官に格下げされ、進言も軽視された。
 結局、アウステルリッツの戦いは敗北に終わり、その責を取る形で左遷させられるが、
 対トルコ戦で再び活躍し、自らの能力を示してみせた。

 フランス皇帝ナポレオンのロシア遠征が始まると、総司令バルクライは焦土戦術を取ったが、
 人望の無さが災いして軍とアレクサンドル1世の支持を失い、それに代わる形でクトゥーゾフが総司令官に抜擢される。

 宮廷勢力、軍隊、ロシア国民の声に強要されるような形で行ったボロジノの戦いでは敗北を喫するが、
 以後はロシアの冬の凍てつく気候を利用した焦土戦術を徹底。
 これが功を奏し、ナポレオンはモスクワを占領しながらも戦略的には追い詰められ、撤退を余儀なくされる。

 クトゥーゾフは撤退するフランス連合軍に執拗な追撃戦を仕掛け、壊滅的な打撃を与えることに成功。
 ロシアを救った英雄として、彼の名は不朽のものとなった。
 翌年、反ナポレオンを掲げた諸国連合においてロシア軍の指揮を取ったが、陣中で死去した。

 なお、クトゥーゾフはナポレオンを完全に失脚させることに懐疑的で、
「戦いの成果は、すでに海洋を支配している国のものとなるだろう。その国の覇権は容認できない」と述べていたという。
 しかし、「ヨーロッパの解放者」たらんとするアレクサンドル1世に、その意見が容れられる事はなかった。


【元ネタ】史実
【CLASS】アーチャー
【マスター】フィオレ・フォルヴェッジ・ユグドミレニア
【真名】ミハイル・クトゥーゾフ
【性別】男性
【身長・体重】181cm・124kg
【属性】秩序・中庸
【ステータス】筋力D 耐久C 敏捷E 魔力E 幸運C 宝具A+
【クラス別スキル】
対魔力:B
 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。
 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。
 “冬将軍の護り”によって、僅かだが強化されている。

単独行動:B
 マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
 ランクBならば、マスターを失っても二日間現界可能。

【固有スキル】
幻霊融合:D
 外的要因を加えずとも幻霊と自身を融合させることができる。その適性。
 彼の場合、その対象は「戦争と平和」の「自分自身」である。
 英霊としての格を減少させることを代償に、幻霊にあって自身にはない能力を発揮可能。
 融合対象となる幻霊を深く理解することで能力はさらに高まるが、
 老齢期が全盛期となるクトゥーゾフ本人に、「あの超長編小説」を熟読・理解する気力はないため、これ以上深く取り込めない。

冬将軍の護り:C-
 ナポレオンが率いる常勝のフランス大陸軍(グランダルメ)――そのロシア遠征を頓挫させた絶凍の加護。
 相対する敵が多勢であればあるほど、敵勢全体の幸運にマイナス補正を付与する。
 本来ならば大寒波の行使やカリスマなども複合されるが、それは神の恩寵を得たロシア皇帝にしか許されない領域となる。

深慮遠謀:A
 “幻霊融合”によって獲得したスキル。
 クトゥーゾフと「クトゥーゾフ」、二人の戦略眼を複合することで、
 極めて限定的な千里眼とでも云うべき戦略思考を発揮できる。

【宝具】
『燃え落ちる聖都こそ、アンチキリストの墓に相応しい(ジュグェニィ・モスコヴェイ)』
ランク:A+ 種別:対軍宝具 レンジ:1~100 最大捕捉:1000人
 聖都モスクワさえ巻き込み、灰燼に帰した焦土作戦、その具現たる常時発動宝具。
 このサーヴァントが発生させる“炎”総てに、焦土戦術の概念が自動付与される。
 炎に焼かれた火傷は、対象の魔術回路を蝕み、治癒に要する魔力も倍加する。
 敵軍がその炎を遠目で見るだけでも、魔力値が僅かに減少し続ける効果も有し、まさに敵をからめ手で疲弊させる宝具となる。
 真名解放は通常必要としないが、クトゥーゾフに魔力放出能力はないため、外的手段を以て火を熾す必要がある。
 (逆に言えば、他者による破壊工作でも、それをクトゥーゾフ自身が直接命じることで、その工作員が熾す炎は、短期間宝具としての神秘を得る)。
 (なお、工作員が炎を熾す場合は真名解放を必要とする。魔力はクトゥーゾフと工作員で折半(4対6))。

【解説】
 ナポレオン戦争期に活躍し、エカチェリーナ女大帝、パーヴェル一世、そしてアレクサンドル一世に仕えた帝政ロシアの軍人。
 肥満し、女癖も悪く、作戦会議中に午睡に耽ることがしばしばあったため、アレクサンドルからは嫌われていたが、
 それでもナポレオンのロシア遠征の野望を挫き、ソビエト連邦時代には国民的英雄の地位を得るに至った。
 家系はテュルク系を起源に持つジョチ・ウルス系モンゴル貴族。若いころはポーランド戦線やトルコ戦線で活躍。
 特に三度にわたって参加するトルコとの戦争では、第一次では右目を失明。第二次ではスヴォーロフ将軍の麾下の将として活躍した。
 その後は予備役に編入されていたが、第三次対仏大同盟がはじまると老練な将として復帰。
 大同盟軍の(事実上の)総司令官として、アウステルリッツ三帝会戦を指揮するが、敗北し、地方左遷を喰らう(その間に、三度目となる露土戦争に司令官として参加)。
 (また、アウステルリッツの作戦会議では、公然と居眠りをし、軍事的見識に乏しいアレクサンドルが、作戦に口を挟むのを放置していたという)。
 ナポレオンのロシア遠征が始まると、総司令官バルクライが、その消極的戦略(焦土作戦。ガチでナポレオンにビビっただけ説もある)ゆえに降ろされ、
 世論に押されるかたちでクトゥーゾフが総司令官となった。
 ボロジノ会戦での戦術的敗北後に、バルクライ同様、焦土作戦をとり、聖都モスクワを明け渡した。
 (モスクワは言わば副首都。この時期の首都は、遥か北西のサンクトペテルブルクだが、モスクワも首都に勝るとも劣らぬ重要性を持った)。
 モスクワ市長ロストプチンの命による市内のライフライン断絶と放火工作、クトゥーゾフ軍による聖都南方からの包囲、
 そして、モスクワ引き払い後の執拗な追撃戦によって、ロシア軍はフランス大陸軍を壊滅せしめた。
 クトゥーゾフはこの功績で公爵となり、翌年のフランス侵攻軍の司令官として指揮を執るが、陣中で病没した。
最終更新:2020年03月22日 21:31