マンスール

【元ネタ】史実
【CLASS】アサシン
【マスター】
【真名】マンスール
【性別】男性
【身長・体重】180cm・75kg
【属性】秩序・悪
【ステータス】筋力C 耐久A 敏捷B 魔力C 幸運A 宝具B
【クラス別スキル】
気配遮断:C
 サーヴァントとしての気配を絶つ。隠密行動に適している。

【固有スキル】
戦略:B
 外交や兵站など大局的に物事をとらえ、戦う前に勝利を決する力。

直感:A
 戦闘時に常に自身にとって最適な展開を“感じ取る”能力。
 研ぎ澄まされた第六感はもはや未来予知に近い。視覚・聴覚に干渉する妨害を半減させる。

黄金律:A
 身体の黄金比ではなく、人生において金銭がどれほどついて回るかの宿命。
 死後、浪費家の指導者が幾度も台頭したが、彼の遺産により、百年間、国家財政は支障を来さなかったという。

魅惑の美声:C+
 天性の美声。異性、同性問わず魅了の魔術的効果として働くが、対魔力スキルで回避可能。
 対魔力を持っていなくても抵抗する意思を持っていれば、ある程度軽減することができる。
 マンスールは説教師としても名高く、彼の口からは美しいアラビア語が発せられたと伝わっている。

【宝具】
『千里映鏡(ミルアー・バリード)』
ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:1000人
 千里の果てまでも見通し、範囲内のあらゆる状況の把握を可能とする鏡。
 バリード(駅伝)制度によって国内の事情を細部まで把握していたことから
 民間で魔法の鏡で千里離れた場所まで見通していると噂された逸話に由来する宝具。

『黄金門宮の秘事(セッル・カスル)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人
 アリー家の者達の遺体を、名前と血統を書いた札を貼った上で仕舞っていた部屋があった、とする伝説が宝具となった物。
 対象の名前を記載した札を何らかの手段で対象と接触させることで、対象に“死の運命”を与える――つまり即死判定を行う。
 また、札に対象の先祖の名前を併記し、その系譜を明らかにすればするほど即死判定の成功率が上昇する。
 記載する系譜については対象が自称しているものでも良い。

『平安の神都(メディナ・アッサラーム)』
ランク:A+ 種別:対軍宝具 レンジ:20~ 最大捕捉:1000人
 マンスールが建設し、国家体制の中心とした新都バグダードが宝具にまで昇華されたもの。
 マンスールは灰で巨大な円を描き、その円に沿って綿油と綿の実をまいて火を付け、やがて帝都となる地の全体を眺望した――
 その逸話を再現することで、描いた円の範囲内にかつてのバグダードの威容を再現できる。
 三重の城壁による守りに加え、非ムスリムから魔力を収奪する力により大規模宝具を間接的に封じる、鉄壁の防御宝具。

【解説】
 アッバース朝の二代目カリフ(指導者)にして、実質的な創始者と看做される人物。
 公的には信義に欠け人命を軽視する恐怖政治家だったが、私的には質素な生活を送る寛容な人物だったという。

 通称はアブー・ジャアファル。
 前半生は不明瞭な点が多い。彼が誕生したアッバース家は反ウマイヤ朝を掲げてアッバース革命を成し遂げたが
 彼自身は当初別の反乱に参加していたという。

 異母弟サッファーフがアッバース革命のカリフ(指導者)となった頃に表舞台に名前が出るようになり
 サッファーフが没した際、後継者に指名され、マンスール(勝利者)を名乗り二代目カリフとなった。

 以後、カリフの地位を狙う叔父アブドゥッラーや、中央と対立するホラーサーン総督アブー・ムスリム
 反抗的なシーア派や法に背く人間などアッバース朝にとって危険と判断した存在を次々に排除し
 強力な軍隊と官僚制度を整備して中央集権化を推し進めた。

 軍事面ではウマイヤ朝の完全な滅亡は成し遂げられず、トゥーラーンやインドへの侵略も失敗に終わった。
 しかし反アッバース朝を掲げる数々の反乱の鎮圧には成功し、国内に安定をもたらしている。

 その精華の一つが新都バグダードであり
 この都はやがて「世界の十字路」として交易と情報網の結節点となり、アッバース朝に繁栄をもたらすこととなる。

 マンスールの統治は、アラブ国家からイスラム国家への変遷をもたらしたという点で世界史に特筆される。
 すなわち民族国家から人種を問わぬ宗教国家への変化であり、イスラム教の世界宗教化の始まりである。
最終更新:2020年03月26日 22:16