アブドゥッラー・イブン・アリー

【元ネタ】史実
【CLASS】ライダー
【マスター】
【真名】アブドゥッラー・イブン・アリー
【性別】男性
【身長・体重】170cm・62kg
【属性】中立・悪
【ステータス】筋力B 耐久C 敏捷B 魔力C 幸運D 宝具A
【クラス別スキル】
対魔力:D
 一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。
 魔力避けのアミュレット程度の対魔力。

騎乗:A
 幻獣・神獣ランクを除く全ての獣、乗り物を自在に操れる。

【固有スキル】
軍略:C
 一対一の戦闘ではなく、多人数を動員した戦場における戦術的直感力。
 自らの対軍宝具の行使や、逆に相手の対軍宝具に対処する場合に有利な補正が与えられる。

プランニング:C+
 対象を暗殺するまでの戦術思考。
 軍略と異なり、少数での暗殺任務にのみ絞られる。

加虐体質:C
 戦闘において、自己の攻撃性にプラス補正がかかるスキル。
 これを持つ者は戦闘が長引けば長引くほど加虐性を増し、普段の冷静さを失ってしまう。
 攻めれば攻めるほど強くなるが、反面、防御力が低下してしまう。

【宝具】
『死の呻吟を肴とせん(ウマイヤ・ヤァス)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人
 ウマイヤ家を和解の宴に招き寄せた上で騙し討ちにし、
 死者や瀕死の者の上に絨毯を敷いて押し潰しながら宴を続けた、という逸話から。
 80人ほどの亡霊が運ぶ絨毯であり、アブドゥッラーを乗せて死臭と瘴気を漂わせながら移動する。
 亡霊たちは生者に対する怨念から、生者を掴んで中心部へと引きずり込む。
 その後、絨毯の重みが増し、引きずり込まれた者は圧殺される。

『葦の海の故事の如く(フィルアウン・ワーグラクナ)』
ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:80 最大捕捉:1000人
 ザーブ川の戦いでウマイヤ朝の大軍を敗走させ、その多くは溺死し、アブドゥッラーはコーラン第二章五十節を唱えたという。
 その逸話が宝具化したもの。
 敵が退却した際に発動可能。退路に敵のみを呑み込む激流を出現させ、溺死させる。

【解説】
 アッバース朝の王族。初代カリフ(指導者)のサッファーフ、二代目カリフのマンスールの叔父。
 アッバース革命の功臣の一人で、ウマイヤ朝をマルワーン2世を敗死させる決定打を生み出した。
 主君サッファーフの死後、カリフの地位を要求して反逆するも敗れ、獄死した。

 サッファーフがカリフとなった事で地位を引き上げられ、軍隊の指揮官に任命される。
 特にアブドゥッラーはウマイヤ朝の本隊とも言えるカリフ・マルワーン2世との戦いを担当した。
 一説にはマルワーン2世を敗死させた暁には、後継者に任命する、と主君サッファーフから約束されていたという。

 ザーブ川の戦いでウマイヤ朝の大軍に勝利したのを皮切りに破竹の勢いで進軍したアブドゥッラーは、
 ウマイヤ朝の首都ダマスカスを占領し、エジプトに逃走したマルワーン2世も捕殺するという大功を挙げる。

 かくしてアッバース朝の覇権を固めたアブドゥッラーは、以後、軍の重鎮として遇されウマイヤ朝の残党狩りに勤しむこととなる。
 和解の宴に偽装して騙し討ちを図ったり、ウマイヤ朝の再興を掲げた反乱軍を叩き潰したり、と
 ウマイヤ朝に対する激烈な弾圧を行う一方、シリアに住む有力なアラブの部族長を懐柔し、シリアに平穏をもたらした。

 主君サッファーフが没すると、ビザンツ帝国侵攻計画を取りやめ、
「マルワーン2世を敗死させた暁には、後継者に任命する」というサッファーフの約束を理由に後継者の地位を要求。
 後継者になるよう遺言されたマンスールと激突することとなる。

 しかし、マンスールの側に立ったホラーサーン総督アブー・ムスリムの名将ぶりには、アブドゥッラーも歯が立たなかった。
 アブドゥッラーは内通の恐れからホラーサーン兵を抹殺したものの、
 アブー・ムスリムはアブドゥッラーの従えるシリア兵に目をつけていた。
 そして、アブー・ムスリムは、シリア兵の故郷への赴任をちらつかせることで、彼らの家族を暗に人質に取り、離散させてしまったのである。

 軍を失ったアブドゥッラーは兄弟のスライマーンに庇護を求め、2年間を過ごした後、
 マンスールに安全を保証されて出頭するも、騙し討ちの形で投獄され、獄死した。
 一説には土台が塩でできた家に住まわされた後、水を流し込む事で家屋を潰され圧死させられたという。
最終更新:2020年03月26日 22:17