都市と名はついているがいわゆる街のような人口密集地は中心部のごくわずかであり、
農村レベルの共同体がいくつも点在することで生活圏が形成されているというのが実態である。
王都
キングヒルの数倍はあろうかという広大な土地を開墾して作られており、
農業用水はアルメリア領を横断する河川群「
フルス水系」から灌漑で賄われている。
住人は大規模農園を経営する地主に、住み込みで雇われた小作人とその家族。
さらにはだだっ広い都市内の交通と物流を担う荷運び人や作物を買い付ける商人の支店などで構成される。
主要な生産品目は麦をはじめとする穀類と青豆、次いで果物や野菜など。
とくに穀類はぶっちぎりのトップシェアを誇り、国内消費量のほぼ全てを担う。
大量生産される穀物はそのまま加工して食べるだけでなく、無論家畜の飼料としても活かされる。
一説には都市に住まうアルメリア人の生涯消費カロリーは実に8割がデリンドブルグ由来だとされ、
名実ともに同国の台所であり、アキレス腱ともいえる重要な土地。
アルメリアを大国たらしめる人口の維持には、穀倉都市による食料自給が不可欠である。
その膨大な生産力は国内だけでなく、隣国や同盟国にとっても高い価値を持つ。
特にデリンドブルグにほど近い山岳国家
フェルゼン公国では自国が農作に適さない土地であるため、
国境を越えてまで頻繁に大量の穀類を買い付け、自国の民に供給している。
こうした背景からデリンドブルグは軍事的にも重要な拠点であるにも関わらず、
敵対国家からの破壊工作の対象になることはまずない。
穀倉都市を滅ぼせば巡り巡って自分たちが飢えることになるからである。
一方で内政的・経済的にも欠かすことのできない土地であり、ここを抑えることは王国全体に影響を及ぼすことから、
『覇道の』グランダイトによる国家転覆の際には真っ先に領土簒奪の標的となった。
ストーリーモードでもプレイヤーはまずデリンドブルグを覇王から奪還するところから始めることになる。
ちなみにプレイヤーが農地を買い取る、あるいは開墾して農作を行うこともでき、
作物は一時的なバフをもたらす食料アイテムや薬の素材となったり、
パートナーのステータスを引き上げる育成アイテムを作ることができる。
農作にはこまめな世話とそこそこのリアル時間を費やす必要があるため、
そうした作業を嫌うプレイヤーに対する需要が芽生え、ひとつの市場を形成している。
農業
ガチ勢が検証したところによれば、作付単位面積あたりの収穫量は現実のそれを遥かに上回り、
ゲームであることを考慮してもなかなかにファンタジーなペースで作物を手にすることが出来る。
この件について
フォーラムで議論が巻き起こったところ、開発から公式設定というかたちで回答があった。
デリンドブルグは土地全体に地脈を通して絶えず魔力が循環しており、
精霊がそれを作物の成長に必要な栄養素へと変換する。
このため農地は常に肥沃であり、同時に精霊が病害虫の発生源も駆逐してくれるため、
連作障害も起こらず年間を通じて安定した収穫量が確保されているのだとか。
ちなみにこのどこまでも人間に都合の良いシステムは人為的に構築されたものであり、
穀倉都市開闢の際に
霊銀結社から技術供与があったことが示唆されている。
王国領の一角を丸ごと
自治領にする横紙破りが許されるのも、
食料事情の劇的な改善によってアルメリア王家が結社に対して頭が上がらないためであろう。
ゲーム上でも地平線の向こうまで視界の全てを埋め尽くす金色の麦畑は圧巻の一言であるが、
本当に金色しか目に飛び込んでこないため方向感覚や距離感が狂いやすい。
その単調極まる景色は無駄に再現性が高く、マップの無駄な広さも単調さに拍車をかける。
歩けども歩けども一向に代り映えしない景色のせいで集中力は途切れ、
エンカウントでも挟もうものなら自分がどちらに向かっていたかさえ忘れてしまう。
ヘイズフォッグ霧煙街道とは違いれっきとした街中にも関わらず遭難者が続出した。
黄金の麦畑はなかなかに風光明媚な好ロケーションであり、
鉄道が通っていることから他都市や隣国とのアクセスも良い好立地なのだが、
いかんせん風景として面白みにかけることやもっと便利な街がいくらでもあるためか、
箱庭モードの立地としてはあまり人気がない。
穀倉都市自体の広さも相まって土地が余っており、常に投げ売り状態で地権書が市場に並んでいる。
参考までに大人気の
リバティウムは立地にもよるがだいたい100倍~1000倍の値段で取引される。
地代の安さに目を付けた交易ギルド「
アルメリア商工業協同組合(通称メリ協)」が土地を買い占め、
商店に改築した自宅を並べることで箱庭エリア全体に巨大な商店街を展開している。
交易所とはまた異なるルールで盛んに取引が行われているため、
金策や交易に興味があるなら一度足を運んでみるのもよいだろう。
最終更新:2020年06月09日 23:07