戦国BASARA/エロパロ保管庫

こいひとよ2

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奥州に真田幸村が単身乗り込み、一戦交えたことがある。宿命のrivalと言って楽しそうにしていたが、
戦を終えた後に女だとばれたと青い顔をしていた。殺せばいいと懐剣を渡し、隙を伺わせた。
しかし結果として、政宗は幸村に心も体も預けてしまった。
体についた口付けの跡を見たことがある。ふしだらな、と詰りたかった。しかし無邪気に
あいつのことが好きだと告げてきた顔が息を飲むほど美しく、何も言えなくなった。
いつか女に戻っても、彼女は幸村の元に行く。そう告げられたような気がした。
己が悶々としている間に、政宗は幸村に抱かれ、恋慕われ、女になっていく。
――手に入らない。
そう気づいたとき、小十郎は政宗を穢した。
共に絶望を味わいたかった。
主君と家臣。どうあがいても乗り越えられない壁。
それは本来彼女の兄との間の関係であった。ごく自然な形で、政宗は兄と自分にあった
関係を己のものにした。
奥州を治めようと、独眼竜と恐れられていようと、女で、影でしかない。
そう知らしめたかった。
小さな頃から見守ってきた自分のことを知らせたかった。
暗い欲望に身を任せた。
柔らかな肌をしていたはずなのに、必死にもがく体と泣き喚きたいのを我慢していた
目しか思い出すことができない。
彼女を絶望の淵に叩き落した。
あの夜を後悔しなかったことはない。許された今でも悔やんでいる。
絶望から救ったのは、真田幸村だった。何があったのかは知らないし知りたくもない。
「伊達に、真田の血を入れる。あの男なら俺の秘密を守ってくれるし、例え子が武田を襲っても、
全力で立ち向かう。そういう男だ」
そう言って笑う顔がどれほど美しいと思ったか。
豊臣に滅ぼされ真田に奪われたとき、政宗は驚くほど美しくなっていた。ようやく日の目を見た
右の眼が、きらきらと宝玉のように輝いていた。
あれが恋する娘の顔なのか。
どうして自分が彼女をあんなふうに変えられなかったのか。
今でもとらわれ続けている。



小十郎と成実と「政宗」の三人で、政宗の遺骸を縁ある寺に埋葬した。
「これも、お持ちください」
そういって刀を土饅頭に突き立てていた横顔を覚えている。
その日の、夜のことだった。
泣きながら低く呻く声を聞いた。
何故、何故兄上が。何故、私ではなかった。何故、毒など盛った。戦で決着をつければよいであろう。
何故、何故。
あの日、少女は死んだ。
(あの日に、伊達は滅んだ)
そして生まれたのはなんだったのか。
一人の少女を犠牲にして、何に、我々は縋っていたのか。
「少し、お休みになられてはいかがですか?」
声をかけられ、小十郎は顔を上げた。陽徳院が水の入った水筒を持って笑っていた。
墨染めの衣を纏い、髪を頭巾で隠していても、生まれ持った愛らしさは少しも損なわれていない。
むしろ浮世離れした魅力に溢れている。
「難しい岩でもあるのですか? 先ほどからずっと、ここに座り込まれておられますが」
「あ、いえ……少し、考え事を」
立ち上がって陽徳院から水筒を受け取り、蓋を開けた。水筒から零れる水は大分温んでいるが
とてもうまいと思った。
「……ありがとうございます」
空になった水筒を返すと、陽徳院は愛らしく笑う。夏の日差しを受けても尚涼しげな笑みに、
小十郎は知らず安堵の息をついた。
陽徳院は畑を見渡すように体を捻る。奥州で野菜を育てていた頃にはなかった葉や茎、
花がいくつもあって珍しいのだろう。ミミズやオケラを見つけて大騒ぎしていたのは、彼女だったか
それとも政宗だったか。
こいひとよ3

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