戦国BASARA/エロパロ保管庫

こいひとよ4

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政宗は頭をがりがりとかいて膝を崩した。いろはを抱きしめる。
「ま、いいか。こいつは長女の五郎八(いろは)。あと二人はまだ小さいから上田に置いてきた。
いろは、挨拶はどうした?」
「いろはと言います」
子供は政宗から離れ、ぺこっと頭を下げた。高く結った髪が尾のように跳ねた。
それから恥ずかしそうに政宗の隣に座る。
「長旅でお疲れでしょう。菓子でもいかがですか?」
陽徳院は微笑み、京の菓子を差し出した。いろはは目を輝かせて母を見上げる。
政宗は一つ食べ、残りをいろはの前に置いた。いろはは嬉しそうに菓子を頬張る。
目を細めいつまでも咀嚼をする様子は、幸村とよく似ている。
「そっくりですね」
「だろ? 顔は俺なんだけどな、物食う様子とか幸村とそっくり」
政宗は嬉しそうに笑う。
「頭もいいし、槍の筋もいいんだ。茶もいい腕前してるんだぜ」
小十郎はふと眉根を寄せた。武家の子なのだから女といえども槍や刀くらい握るだろうし、
茶道を嗜むことや教養を培うことが悪いことではない。
だが。
「裁縫とか、料理とか、そう言ったことは」
「あ、ぜーんぜんダメ。雑巾縫わせたら自分の着物と一緒に縫うし、砂糖と塩間違えた煮っ転がし作って
自慢げに膳に並べるし」
政宗はけたけた笑った。小十郎は眉間を揉んだ。今ここで怒ってもどうしようもない。
そういう政宗は何でもかんでも何気によく出来たが、よく飽きた。水準以上の成績を修めると、
それで満足してしまうのだ。どちらの「政宗」も、そういう傾向が強かった。
のめり込んで覚えたのが料理と文学だったが、これはこれで突き抜けてしまって、どうしようかと思ってしまった。
二人で野菜で鳳凰だの青竜だの麒麟だのを作り自慢げにしていたのを、「食べ物で遊ぶな」と怒るのがかつての日常だった。
「あまり似ておられませんね。実によいことです」
「小十郎!」
思った言葉をつい口にすると、政宗の拳が飛んできた。笑って掌で受け止める。
受け止めた拳は、仕事に慣れた手をしていた。



政宗はただ娘を連れて遊山に来た訳ではなく、朝廷や将軍の様子を探りに来たらしい。
時々橙とも赤ともつかぬ色の髪をした男と何か喋っている。
「旦那がさぁ、間諜みたいな真似をしなくていいってカンカンだよ」
「もののついでだって言っておいたのに、まだ分かってねぇのかよ。
愛と小十郎に会いに来たのが目的で、ついでに京の状況を探れたら探るってだけだぜ? 
朝廷や幕府に忍び込んだりするのは、お前の仕事だろ」
「だからさ、情勢とか状況とかそういうのは俺が探っておくから、あんたはのんびりしときなよ」
「お前じゃ市井は探れねぇだろ? だから俺がやるって言ってんのに……」
煙草の入っていない煙管でがりがりと頭を掻きながら、政宗はため息をついた。
仲睦まじいと聞いていたが、どうやらただただ仲良しこよしという訳ではないらしい。
そもそも、政宗が普通の女のように着飾って奥座敷に閉じこもっている訳がない。
真田の苦労が容易に理解できる。
「あと、鍛錬の相手がいなくってつまらないってさ」
「真田隊使えばいいじゃねぇか。俺が輿入れする前は、そうやってtrainingしてたんだろ?」
「それがさあ、物足りないらしくて。命取り合うようなギリッギリの、あんたたち好きでしょ?」
それは鍛錬とは呼ばないだろ、と密かに突っ込みを入れる。
政宗は楽しそうに笑う。煙管をくるくると器用に回した。彼女の煙草は起床時、昼過ぎ、就寝前と
決まった時間にほんの少し吸う程度だったはず。足元に布が落ちているので、恐らく手入れの最中だったのだろう。
男装して煙管を持っていても、女であることは分かる。どこのやくざ者の姐御ですか、と嫌味を言いたくなるが。
「毎日戦してるようなもんだから、楽しいんだろ。毎日ヤりあえて、俺も楽しいけどね」
「楽しそうだねぇ。俺には理解できないなー」
「お前に分かって貰おうなんて思っちゃいねーよ。――小十郎」
ようやく政宗は小十郎に気づく。煙管を腰の煙草入れに締まった。煙草入れには、
金泥で水に流れる六文銭が描かれている。身に付けるものまでその紋を使うのかと思うと、
妙に虚しい気分になった。
ふと目を離した隙に男は消えた。鴉の羽音がやけにうるさい。
こいひとよ5

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