戦国BASARA/エロパロ保管庫

こいひとよ5

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「畑に出て行ったって聞いてたぜ」
「暑い盛りの時刻は、畑に出ない方がいいんです。水を撒いただけですよ」
布を拾って手渡すと、政宗は決まりの悪そうな顔になって居住まいを正し、襟を直した。
さすがの政宗も京独特の蒸し暑さに参っているらしく、着こなしがだらしない。
「生絹(すずし)の着物を、あつらえましょうか」
「No thank you」
生絹であつらえた着物は、さっぱりとした着心地で見た目も涼しげだ。しかし単で着れば
肌や体の線が「いい感じ」に透けるため、着るには恥じらいを捨てる必要がある。
「人目もねぇ場所なら着てもいいんだろうけど。あれ、すっげぇ恥ずかしいんだよ」
「左様ですか。……少し、安堵致しました」
小十郎は政宗から少し離れたところに膝をついた。背筋を正し、僅かに目を伏せる。
「暑いんだな、京は」
「ええ。そのくせ冬は奥州よりも寒い。雪は……あまり降りませんが」
「そうか。お前は、今どこに住んでるんだ」
「この近くに家を建てました。男一人の寂しい所帯ですよ」
「……なんだ、wifeはいねぇのか」
「残念ながら、毎日尼寺に足を運び野菜を置いていくような男に嫁ぐ物好きな女は、京にはいないようです」
「HA! お前のことだから拒んでるだけだろ? まだ遊郭ではもててんのか?」
小十郎は渋い顔をした。奥州では、遊郭の手入れをするたびにあちこちから色っぽいお声がかかった。
政宗のみならず成実にもからかわれた。まさか手を出す訳にはいかず、かといって役目を変わってくれと
泣きつくようなみっともない真似はできず、ただただ我慢した。
あれは一体何の修行だったのだろう。
「行く用事などありません」
政宗は驚いたように目を見張った。それから顔を覗き込んでくる。
「……お前、出家したのか?」
「! してません!」
何を言わんとしているのか察し、小十郎は声を荒げた。
「じゃあ、いいだろ。女を好きになって、そいつを抱いたって。……俺は、お前に抱かれたりしないぜ?」
分かっている。
けれど諦めがつかない。
何故あんな形で抱いたのだろう。想いを告げて、互いに納得の行く形に持っていけば、
違う未来が拓けただろうに。
「一度でよかった。誰よりも何よりもお慕いして焦がれた貴方を、この腕で抱ければと
思いました。着物越しとは違う、貴方の肌を味わいたかった」
政宗は目を眇めて笑う。手が伸び、頬に触れた。ばーか、と唇が動く。
仕事と武芸に慣れた、大きな手。頬についた傷跡をなぞる手に自分の手を重ねた。
政宗の顔に明らかな恐怖が浮かぶ。忘れた訳じゃない。ただ罪を許しただけ。
「何もしませんよ」
安心させるために笑いかける。政宗はゆるゆると詰めていた息を吐き、小十郎の頬をなぞった。
「一度だけだって言っただろ。それに、今の俺は真田幸村の妻だ。安易に人に肌を見せる訳にはいかない」
「分かっております。けれど、だからといって想いを断ち切ることができますか?」
簡単に断ち切れるようなら、悩んだり間違いに走ったりしない。
「……絶てよ。みじめに泣いて、人のモンになったこと悔やめよ。そうしたらスッキリして、
次の女ってヤツも見つかるだろ」
ぺち、と軽い音を立てて平手が打たれた。平手を打った手は小十郎の唇を一度なぞって離れる。
「お前、俺が幸せになることが己の幸せだって、前、言ったよな。……俺は、夫は……元気だし、
側室との確執を気にする以前に側室いないし、子供は元気だし、嫡男にも恵まれた。上田は豊かだし
甲斐の信玄公は壮健で安泰だ。ま、甲斐の嫡男はちょっと不安だけど、その時はその時だ」
政宗は笑う。赤い唇が誇らしげにつり上がる。
「小十郎。これで、俺は不幸だと思うか?」
無言で首を振る。政宗は満足そうに頷き、目を細めて近づいてくる影に目をやった。
いろはと陽徳院が二人でタライを運んで近づいてくる。政宗は裸足のまま庭に飛び降りる。
陽光が小十郎の目を強く射る。手をかざし、髪を跳ねさせて二人に近づく政宗の背を見つめた。
目が慣れてきたので手を下ろす。一度唇に触れた。乾いた唇にはもう指の感触は残っていない。
「何か釣れたのか?」
「豆腐でございますわ。大きな豆腐を購いましたので、是非お見せしたくて運んでまいりました」
「ははうえ、大きな豆腐です!」
陽徳院と目が合う。陽徳院はにこりと可愛らしい笑みを浮かべた。白い頭巾が後光のように柔らかに輝く。
小十郎は軽く頭を下げ、手を合わせる。
立ち上がって庭に出る。陽光は強く、小十郎は目を細めた。凶悪な人相がさらに凶悪になるが、
目を開けていられないのだから仕方がない。
こいひとよ6

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