戦国BASARA/エロパロ保管庫

北部戦線異状なし6

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匿名ユーザー

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「しかし本当に、この先のこと、冗談でなくまじめに考えなくてはなりませんぞ」
ゴリゴリと大根を下ろしながら呟く小十郎を、政宗が柳眉を吊り上げ睨みつけた。
何本目かもわからない徳利のおかげで、うっすら桜色に染まっていた頬が見る見る青くなる。
かじりついていた餅を吐き捨て、もうその話はやめって言っただろ!と怒鳴りつける
主を、大根おろしにしょうゆをたらしながら、負けずに小十郎も眉を寄せ見返した。
「今すぐどうこうでなくとも、今後の展望くらいは必要でしょう。もっと計画性を持ちなされ」
「noisy!だいたいお前に言われなくても俺だって、後継問題くらい考えてんだよ!」
「ほう!それは頼りがいのあることですな!」
で、どうなさるおつもりで?と慇懃に大根おろしの鉢を差し出し、ぎろりと
見据えてくる三白眼を、隻眼がやや引き気味に睨み返す。
数瞬、考え込むように宙をさまよったその目が、ぱっと瞬いて再び忠臣に戻った。
「だから、ガキができりゃあいいんだろうが要するに!だったら隠し夫でも作ってだなあ!
とっとと仕込んで二、三人産んじまえばいいんだ!母親は侍女かなんかってことにして!
OH Perfect!これならすべてのproblemが一挙解決だ!」
どうだ!と胸を張る主を、小十郎は言葉もなくして呆然と見つめた。

どう考えても、女の発想じゃない。
やはり自分は育て方を誤ったのか。ある意味非常に男らしいといえなくもないが。
いや問題はそういうことではなくて。

「……何を考えておられるかー!」
落雷の轟音が城内を駆け巡った。遠くで聞く城の者達は慣れたことゆえ、特に
気にしなかったが、間近の政宗はうわっと叫びざま、思わず耳を押さえてひっくり返った。
だが、すぐさまがばっと跳ね起き、怒り心頭の顔でねめつける忠臣を、挑むように睨み返す。
その顔が、妙な笑みに歪んだ。
「もっとご自分を大切になされい!そもそもそれでは根本的になんの解決にも……
いやそんなことよりも!」
「うるっせえ!言っとくがなあ、状況、人品考えて、このProjectの第一候補は小十郎、
お前だぞ!覚悟しやがれ!」
勝ち誇ったようなその笑いに、一瞬うぐ、と息を呑み、だがやがて蒼白だった小十郎の
顔に、徐々に血が上ってきた。
左頬の傷を白く浮き上がらせ、憤怒に燃えるその表情に、さすがの政宗が少々鼻白む。
「まっぴらごめんこうむりますな!」
叩きつけるようなその言葉に、今度は政宗の顔に濃い朱が上った。
「AAHAA!?てめ、人のせっかくのproposeその一言で済ますか!?だいたい自分だって
嫁もらってないだろうが!」
「小十郎のことなどどうでもよろしい!よい年をして、ふざけるのも大概になされい!」
「shit!男でも女でも俺が一番とか、抜かした舌の根も乾かねえうちにこの野郎!」
「それとこれとは別問題です!」
「こっちだってどうせ抱くならcuteでprettyで柔らかいのがいいところを、
お前みたいな中も外もガチガチなので我慢してやろうってんじゃねえか!
文句があるなら乳つけてから言いやがれ!」
「語るに落ちましたな!というかやはりそれが本音ですかー!」

杯が宙を飛んだ。膾や魚の骨ごと庭に投げ捨てられた朱塗りの膳が、雪の上に鮮やかな跡を残す。
餅も大根おろしも蹴散らし、片膝立てて身を起こしざま、政宗の手が傍らにまとめて
積んであった、六刀に伸びた。
すばやく鞘が払われ、雪風よりも鋭い刃がむき出しになる。三対両手に構え、ぎらぎらと
睨みおろす主に向かい、小十郎も目を逸らさぬまま段平に手をかけた。
「son of a bitch!ぶっ飛ばす!むしろ犯す!表に出やがれ!」
「やれるものならやってみなされ!久しぶりに尻を叩いてやりましょうぞ!」
「ガキ扱いすんじゃねえ!」

怒号と爆音、剣戟の音が静かな城内にこだまする。音に揺さぶられ、庭の松から、
雪がなだれのように崩れ落ちた。
騒ぎを聞いても、ああ、またやってなさる、と、城内の者はいたって呑気だ。
風呂を沸かしておこうか、傷薬もいるでしょう、でもどちらにしても政宗様の
お手当ては、小十郎様にしか許されていませぬが、と侍女たちが顔を見合わせ笑う。
HELL DRAGON!と気合の入った雄たけびに、それは城が壊れるからおやめなさいと
申し上げているでしょう!と、怒声が飛んだ。



伊達の『男』当主、奥州筆頭伊達政宗に後継が生まれるのは、これより五年後のこととなる。
だいたい世の中は、思いがけない方向に動いていくものなのだ。

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