元就の訳のわからない怒りに困惑しつつ、受け答えた。
「ああ、これか?」
改めて見れば同情したいほど生々しい切り傷である。
これは肌の出しすぎと確信し責めたてる。
「大方その錨で切ったのであろう!」
「....は?」
「つくづく間抜けな男だな!武器もつかいこなせ....」
「これはお前さんが切った傷じゃないか?」
「?」
今度は元就が困惑した。近づいてみれば確かにこの傷はあの武器の傷だ。
「あん時は痛かったなぁ。灼けるような痛みだった。」
澄ました顔に陰りはない。既に思い出のようである。
それとは逆に
元就の血の気が引いた。
ー傷を付けた?
ー私(我)が?
急にさっきまでの怒りがしぼんでしまった。何故かはわからない。
「.....そうか。」
語尾が下がっていく。
それだけ言うと元就は顔を伏せてしまった。
我が。
いきなり自問自答が始まる。
「ああ、これか?」
改めて見れば同情したいほど生々しい切り傷である。
これは肌の出しすぎと確信し責めたてる。
「大方その錨で切ったのであろう!」
「....は?」
「つくづく間抜けな男だな!武器もつかいこなせ....」
「これはお前さんが切った傷じゃないか?」
「?」
今度は元就が困惑した。近づいてみれば確かにこの傷はあの武器の傷だ。
「あん時は痛かったなぁ。灼けるような痛みだった。」
澄ました顔に陰りはない。既に思い出のようである。
それとは逆に
元就の血の気が引いた。
ー傷を付けた?
ー私(我)が?
急にさっきまでの怒りがしぼんでしまった。何故かはわからない。
「.....そうか。」
語尾が下がっていく。
それだけ言うと元就は顔を伏せてしまった。
我が。
いきなり自問自答が始まる。
何なんだ。一体。
すっかり消沈してしまった元就を見て不審に思う。最後の言葉なんか、完全に元気がない。
少しだけ気になったものの、すぐに海原へ目を向けなおした。
すっかり消沈してしまった元就を見て不審に思う。最後の言葉なんか、完全に元気がない。
少しだけ気になったものの、すぐに海原へ目を向けなおした。
厳島は、近い。
登場
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