目の前には悪趣味の一言で片付けたくなるような眩い黄金色の建築物。
何処からともなく昔の偉い坊さんの唄の様な物が聞こえてくるのは気の所為
なのかそうで無いのか。
おそらく常人ならば僅かばかりの時間で視覚と聴覚から侵されるような感覚に
苛まれるであろう、そんな恐ろしい場所だった。
何処からともなく昔の偉い坊さんの唄の様な物が聞こえてくるのは気の所為
なのかそうで無いのか。
おそらく常人ならば僅かばかりの時間で視覚と聴覚から侵されるような感覚に
苛まれるであろう、そんな恐ろしい場所だった。
「民衆の銭を巻き上げこのような悪趣味な物を作るとは…」
「僧侶の風上にもおけませんなぁ、お館様」
「頭がくらくらしそ…早く仕事を済ませて家に帰りたいよ」
領地内での本願寺派寺院による強引な布施の徴収や不当な金額での
物品の売りつけに業を煮やした武田軍の三人がやってきたのは、京都にある
本願寺総本山である。
「しかもここの奴らは銭の力で筋肉を増強していると聞く」
「な、なんと…」
信玄の言葉に幸村は驚愕の表情を見せる。
己の力で筋肉を磨かない不埒な者がこの世に存在するのかと言う驚きだ。
横では佐助が微妙にげんなりとしているが、二人はそれに気づきもしない。
「筋肉とは本来己の力のみで鍛え上げてこそのもの。それを銭の力でどうにか
しようとは不届千万」
「全く、全く持ってその通りでございます、お館様っ!」
「ここはわしらがその腐った性根を叩き直さねばならぬ。わかっておろうな、幸村」
「わかっております、お館様」
「偽りの筋肉で民を虐げる輩をこの手で打ち砕くのだ!」
「この幸村、真の筋肉の誇りに掛けてお館様と共に参りましょうぞ、お館さぶぁぁ!」
「その意気や良し。行くぞゆきむるぁぁ!」
目も眩む様な視界と幻聴か否かも解らない不気味な音に何一つ戸惑う事も無く、
轟音と共に信玄と幸村は黄金色の中に消えてゆく。
「…もしかしてあの人ら、民衆がどうとか言うんじゃなくて、鍛えずに筋肉をつける
のが単純に許せないだけ?」
まさかね、ハハ…と佐助の口から乾いた笑いが漏れた。
「入りたくないなぁ。でも大将と旦那が行っちゃったし、やっぱ行かなきゃいけない
だろうな…」
大きなため息を一つつき、佐助は先に行った二人の上司の後を追うように
不気味に輝く本願寺の中へと入っていった。
「僧侶の風上にもおけませんなぁ、お館様」
「頭がくらくらしそ…早く仕事を済ませて家に帰りたいよ」
領地内での本願寺派寺院による強引な布施の徴収や不当な金額での
物品の売りつけに業を煮やした武田軍の三人がやってきたのは、京都にある
本願寺総本山である。
「しかもここの奴らは銭の力で筋肉を増強していると聞く」
「な、なんと…」
信玄の言葉に幸村は驚愕の表情を見せる。
己の力で筋肉を磨かない不埒な者がこの世に存在するのかと言う驚きだ。
横では佐助が微妙にげんなりとしているが、二人はそれに気づきもしない。
「筋肉とは本来己の力のみで鍛え上げてこそのもの。それを銭の力でどうにか
しようとは不届千万」
「全く、全く持ってその通りでございます、お館様っ!」
「ここはわしらがその腐った性根を叩き直さねばならぬ。わかっておろうな、幸村」
「わかっております、お館様」
「偽りの筋肉で民を虐げる輩をこの手で打ち砕くのだ!」
「この幸村、真の筋肉の誇りに掛けてお館様と共に参りましょうぞ、お館さぶぁぁ!」
「その意気や良し。行くぞゆきむるぁぁ!」
目も眩む様な視界と幻聴か否かも解らない不気味な音に何一つ戸惑う事も無く、
轟音と共に信玄と幸村は黄金色の中に消えてゆく。
「…もしかしてあの人ら、民衆がどうとか言うんじゃなくて、鍛えずに筋肉をつける
のが単純に許せないだけ?」
まさかね、ハハ…と佐助の口から乾いた笑いが漏れた。
「入りたくないなぁ。でも大将と旦那が行っちゃったし、やっぱ行かなきゃいけない
だろうな…」
大きなため息を一つつき、佐助は先に行った二人の上司の後を追うように
不気味に輝く本願寺の中へと入っていった。