戦国BASARA/エロパロ保管庫

右目と左目15

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匿名ユーザー

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「元親、元親!元親ぁ!Wake up!…Please wake up!……いやああぁぁ!!」
政宗は元親に縋りつくと、必死の形相で彼女に呼びかける。
しかし、幾度声を掛けてもその身体を揺さぶっても、元親からは一切の応え
がなかった。
崩れ落ちる身体を成実に支えられながら、政宗は半ば錯乱状態のまま、子供
のように泣き叫ぶ。

「………」

小十郎は、凍りついたように目の前の光景を呆然と見つめていた。
慟哭する政宗。
物言わぬ元親。
ああ、これではまるでいつもと逆だな。
状況も忘れて、小十郎の頭の中には、間抜な考えばかりが浮かんでくる。

以前から頭痛の種だった者は、それよりもっと前から奥州を煩わせていた賊
と相討ちになった。
丁度いい。煩いごとが一度に消え、双方共倒れになったのだ。
賊から奥州を守る為、山に散ったひとりの客将。
話の筋書きにしては出来過ぎだ。
政宗様には気の毒だが、それも時が経てば、徐々に心の傷も癒されていく
だろう。
これで、元に戻るだけだ。
元に……

『うるさいんだよ、いっつも人の耳元でグチグチグチグチ!』
『アンタは俺のオヤジか!?だったら、もう少し娘を優しく扱えよ。一応こ
れでも、政宗同様「れでぃ」の端くれだぜ?』
『一々悩んでたら、この先身が持たねぇだろ?案ずるより生むが易し!…何、
笑ってんだよ』

──元に……?

さんざん俺達を引っ掻き回しておいて、今更何処へ行くつもりだ?
お前には今、政宗様がどんなに悲しまれているのか、判らないのか?
お前は、俺達を…『俺』を……!

「………ふざけんじゃねぇぞ」

元親に対する理不尽な感情は、小十郎の理性を焼き切った。
爆発的に沸き起こった衝動に突き動かされるまま、彼女の傍で泣き続ける政
宗を半ば押し退けるようにして身を乗り出すと、吐血の後が残る白い頬を、
容赦なく叩き始めたのだった。

「起きろ、このブス!さっさと目ェ醒まさねぇか!」
指先に感じた微かな温もりに賭けて、小十郎は元親に怒鳴り続ける。
「いいか!『佳人薄命』なんてのはな、政宗様のようなお方の為にある言葉だ!
たとえ天地が引っくり返っても、お前みてぇな救いようのねぇドブスに、当て
嵌まる筈ねぇだろうが!」
あまりの暴言に、思わず泣くのを止めて、目を丸くさせている主君も目に入
っていないのか、小十郎は元親の胸倉を掴むと、揺さぶり始める。
「……だから、とっとと目を開けろ。それで、俺に突っかかって来い!今日
だけは大目に見てやる!……どうした!起きろ!目を醒ませ!」
「小十郎…」
「起きろ、起きやがれ!……死ぬな!おい!ブス!……長曾我部元親!!」


その時。
「…ぅ……」
それまで地に投げ出されていた手が、ぴくりと僅かな動きを見せた。
次いで、それまで固く閉じられていた瞼がゆっくりと開くと、青みがかった
右目に、段々と光がよみがえってくる。

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