戦国BASARA/エロパロ保管庫

秀吉×女半兵衛

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「奇跡は起きないから奇跡っていうんだよ、秀吉」
彼女の細く白い手が伸びると、秀吉の武骨な手にそっと触れた。
いつもより体温が高く感じるのは熱のせいだろうか。
己の膝に添えられた手をじっと見詰めていた秀吉は伏せていた顔を上げた。
大阪城の奥にあるその部屋には、ごく一部の者を除いては近付かないように伝えていた。
この部屋に居るのは、中心に敷かれた布団で休んでいた半兵衛とその枕元に座る秀吉だけだった。
雨の多いこの時期には珍しく、障子を通して差し込む光は柔らかい。
半兵衛は体を起こすのも辛いのだろうが、そんな事は少しも感じさせず、いつものように口元に微笑を浮べていた。
顔に掛かる癖の強い髪を軽く払い、紫瞳をすっと細める。
「ならば半兵衛…」
「…その先は言ってはいけないよ」
間近に迫った端整な顔が更に近くなる。
ふわり、と漂う花のような香りに秀吉は一瞬だけ気を取られた。
そして温かく柔らかな唇が己のそれに触れたのだと気付くと、僅かに目を見開いた。
離れていく彼女の顔から視線を逸らす事が出来ない。
「ほら、今日はこの後、重要な軍議があるんだろう?」
大将が遅れたら部下に何と言い訳する気だい、と揶揄するような口調で半兵衛に言われ、秀吉はむっつりと黙り込んだ。
「策についてはこの前渡した書面の通りに、だよ」
僕が出席出来ないのは非常に残念だけどね、と半兵衛は寂しげに笑う。
ここ最近だろうか、彼女のこんな顔を見かけるようになったのは。
「…分かった、半兵衛」
後で結果を伝えに来よう、と秀吉は言い、何か食べたいものはないかと聞いてきた。
「そうだな…温かい飴湯が欲しいな」
「では、すぐにでも用意させよう」
秀吉は立ち上がり、半兵衛の顔をもう一度だけ振り返ると、部屋を出て行った。
遠ざかっていく足音が聞こえなくなると、半兵衛は不意に咳き込み、手元にあった布を取り口に当てた。
恐る恐る外してみれば、紅い血の痕がある。
「僕に残された時間は…あと少し……か」
まだ遣り残した事があるのだから、それまでは死ねないんだけど、と自嘲気味に嗤う。
やがてそれは押し殺した嗚咽へと変わっていった。


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