戦国BASARA/エロパロ保管庫

三年目の浮気8

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匿名ユーザー

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香を焚き染めた夜着を纏い、小十郎の居室に向かう。
まだ明かりの灯った部屋で小十郎は書類の検分をしている。ぴしりと背筋を伸ばして
書類を読んでいる背中は、政宗を拒んでいるように見えた。
「小十郎」
名を呼ぶ。
「小十郎」
もう一度。ぱたん、と書を閉じる音がした。小十郎が静かに動き、型どおり頭を下げた。
「いい、顔を上げろ」
「御用でございますか」
「……別に」
普段なら、小十郎の前に座って小十郎の胸に顔を寄せる。小十郎は政宗の背を撫で、
無言を貫く。己の意思などないように振舞うが、手が温かくて気持ちいいのだ。
そうすればいい。
小十郎に遠慮する必要などない。
けれど、今日は遠慮する理由があった。
「俺が……」
言葉が引っかかって出てこない。
小十郎を傷つけるだろうか。
いや、もしかすると、小十郎は喜ぶかもしれない。
閨ではいつもひどいことをする。呆れているかもしれない。
唇を引き結び、小十郎を見下ろす。小十郎は静かな目をしている。どこか空虚な目だ。
「俺は――」
小十郎は静かな目を政宗に向ける。
疲れてるな、と思った。もう少しでこの忙しさは終わるが、無茶をさせすぎたかもしれない。
「疲れてるだろ」
「大丈夫です」
「嘘つけ」
膝を折って小十郎と視線を合わせる。手を伸ばして目元を擦る。荒れた肌。寝てないことが丸わかりだ。
「田植えが終われば、少し休めますし。大丈夫ですよ」
「……ん」
小十郎の手は動かない。いつもなら、政宗の腕を受け入れるように動く。
「政宗様こそ、昨夜はお休みになられてないでしょう」
今日の様子を見てたら分かるか、と政宗は小十郎の腕をつかむ。顔を伏せた。
静かな目は、咎められるより恐ろしい。
「俺は」
顔を上げると、小十郎の目に自分の顔が映っている。情けない顔だ。
「この小十郎に、言えないことでもあるのですか?」
小十郎は政宗が何をやっても受け入れる。
好き放題暴れても背中を守り、無謀な政策を出しても実現しようと苦心する。
苦言はすべて伊達家の、政宗のため。分かっているから聞く耳を持つ。
きっと、昨日のことも受け入れてしまう。そうやって小十郎の心をすり減らしてしまう。
なんてことを、しようとしたのだろう。
こんなに大切な存在を傷つけようとした。
「……俺は、ひどいことをした」
「撫で斬りでもなさいましたか」
「そういう事じゃねぇ。……三河に、行こうって……」
それ以上言葉を繋げる前に、小十郎は政宗の頬を叩いた。
手を上げられるのは初めてではない。ただあまりにも久しぶりで、何が起こったのか
分からなかった。
「小十郎」
「……俺に、どうして欲しいんですか」
小十郎の声に怒気が満ちている。
「あばずれと蔑みましょうか。尻でも叩きましょうか。明日の評定でなじりましょうか」
「違う、俺は抱かれてない」
「それでも徳川に心が傾いた。違いますか」
目をつぶって俯いた。三河に嫁いでもいいと思ったのは事実だ。
小十郎が傍にいると腹が立つから、という子供じみた理由だった。
「……政宗様。俺は、あなたがどのように振舞われようと、どのような戦を行おうと、
あなたについていくと決めた。あなたのために命を失ってもいいと思っている」
「知ってる」
「あなたは俺の主です。俺の都合など考える必要はない。不要なら捨て置けばいい」
「違う!」
首を振って額を押し付ける。腕に縋る力を強くする。
「俺にはお前が必要だ。片倉小十郎が、俺の傍にいないなんてありえねぇんだ!」
「恐悦至極に存じます」
「……なんだよそれ」
顔を上げる。小十郎は無表情で遠いところを見ている。
感情を押し殺そうとしている。先ほど手を上げたことを悔やんでいる。
「なじれよ。怒鳴れよ。俺は、お前以外の男を選ぼうとしたんだぞ。嫁ごうとしたんだぞ!」
「ならば、どのように蔑まれることをお望みですか」
「――――!!」

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