真綿に包まれたような柔い快楽しか知らなかった私の中の女は、今、名も知らぬ女に強制的に開花させられていた。
頬を紅潮させ一心不乱に女陰を舐め取る様は無垢にすら見えるのだが、いかんせん不埒が過ぎる。
私と言えば歯列が震えぬようにしかと食いしばり耐えるしかなかった。吹き出る汗が眦を侵し、涙のように伝うのが不快だ。
私の腰の下に積んだ布団が宛がわれ、尻が浮いた姿勢で固定された。、
控えていた兵が女の肩を引き、準備もなしに彼女の下肢に先程の鼈甲の片端を突き入れた。
あぅ、と女が呻き、膝立ちになる。背に拘束されたままの両腕の為、腰を張り出した態になった女が身を寄せる。
赤々と熟れた女陰から、斑に透ける黄褐色の器具がそそり立つ様がつまびらかに見えた。
幼さも残した薄い肢体に似つかわしくなく、またそれ故にこの上なく淫靡な対比を描いている。
鈍く反射する鼈甲は隠されたままの女の目の色に似ていた。それが、ぬかるんだ私の秘部に押し付けられる。
視界の利かぬ女の腰を兵が支え、私の女陰に宛がう。女が位置を決めかねてゆらゆらと動き、その度に擦れて肌全体に痺れが走った。
噛み締めた唇も功を成さず、引きつった声が喉から漏れれば、女は「大丈夫だから」と繰り返した。
水の入った袋を踏み潰したような音がして、忌まわしい器具が潜り込んできた。圧迫感に息が詰まる。
呼吸の仕方も分からぬ程に肺が熱くなる。異物が捻じ込まれた入り口がじくじくと痛みを訴えた。
動く、と抑揚なく女が宣言し、始めはゆっくりと、徐々に激しく抜き差しが行われた。
その頃には最後の兵も出て行き、牢の中には二人の荒れた息遣いと淫らな声、粘液をかき混ぜる音が壁に柔らかい壁に吸い込まれる事も無く反響した。
手が使えず、支えるのが困難な体を揺らして女は私の内部を穿つ。
責め立てる側にいるのに余裕無く喘ぐ女の遠慮ない嬌声が鼓膜に響いて、こちらまで釣られそうだ。
何とか慣れ始め、堪える私に気付いたのか、女が乗り上げて私の顔を探った。小柄な女と、女性にしては上背のある私では繋がったままでは顔を寄せられない。
鼈甲がずるりと抜けて、私は開放感に大きく息を吐いた。
と、女が私の口を探り当て、唇を吸う。抵抗する歯列を舐め、「声を」と促してきた。
「声をあげれば、他の音は聞かなくてすむ……」
器用にも再び挿入と律動を開始し、女が私を快楽に誘う。溺れるのではなく、流れに身を任せるのだと。
「もがいて、溺れれば死ぬだけだ……けれど、流れに乗ればいつか、何処かに辿りつくだろう。
だからそなたも、忘れろ、余計な事は。目が眩めば、光は見えなくなる」
言葉らしい言葉はそれっきりで、女は再び獣の声を撒き散らした。私も返すべき言葉が見つからなかった。
せめて。目を硬く瞑り、優しい市を思い出した。目の前の女の胡桃色こそ虚像で、私と繋がるべきは、私と揃いの真っ直ぐな黒い髪なのだ。
一層激しく女が動き、ひくりと大きく跳ねた。強い衝撃に目を開けると、女がのけぞって白い喉を晒していた。
がくりと俯き私の腹に女の髪がかかるほど近づく。そのまま女が床に雪崩れ込み、私の内部から器具が引きずり出た。
抜ける瞬間、器具の返しが引っかかり予期せぬ強い刺激が襲った。捲り上げられた襞が波打つ。ひゅ、と喉が引き連れて軽く思考が飛ぶ。
終わりを察したのか監視兵がやって来て、まず私の手枷を鎖から外した。肩の痛みに顔が歪む。
次に兵はぐたりと横たわる女から鼈甲を抜き、続いて腕の拘束具と目隠しを取った。初めて見た女の腕は予想通り血の気がなく、骨と見違えるほど細い。
枯れた白だ。活力も希望もこれまで生きてきた人生すら全て否定され蹂躙され、貪り尽くされた後に残った侘しい色。
久しく動かしていなかった女の両腕は萎えているようで、関節の軋みに呻いた。私の手枷も外され、自分で膝の縛りを解いた。
兵は邪魔をしなかった。情事の後ではろくに動けまいと高をくくっているのだろう。実際そうで、痺れた節々では抵抗は難しい。
扉の向こうにも複数人控えている気配がする。兵から女の体を清めている布を引ったくって、出て行けと睨んだ。
頬を紅潮させ一心不乱に女陰を舐め取る様は無垢にすら見えるのだが、いかんせん不埒が過ぎる。
私と言えば歯列が震えぬようにしかと食いしばり耐えるしかなかった。吹き出る汗が眦を侵し、涙のように伝うのが不快だ。
私の腰の下に積んだ布団が宛がわれ、尻が浮いた姿勢で固定された。、
控えていた兵が女の肩を引き、準備もなしに彼女の下肢に先程の鼈甲の片端を突き入れた。
あぅ、と女が呻き、膝立ちになる。背に拘束されたままの両腕の為、腰を張り出した態になった女が身を寄せる。
赤々と熟れた女陰から、斑に透ける黄褐色の器具がそそり立つ様がつまびらかに見えた。
幼さも残した薄い肢体に似つかわしくなく、またそれ故にこの上なく淫靡な対比を描いている。
鈍く反射する鼈甲は隠されたままの女の目の色に似ていた。それが、ぬかるんだ私の秘部に押し付けられる。
視界の利かぬ女の腰を兵が支え、私の女陰に宛がう。女が位置を決めかねてゆらゆらと動き、その度に擦れて肌全体に痺れが走った。
噛み締めた唇も功を成さず、引きつった声が喉から漏れれば、女は「大丈夫だから」と繰り返した。
水の入った袋を踏み潰したような音がして、忌まわしい器具が潜り込んできた。圧迫感に息が詰まる。
呼吸の仕方も分からぬ程に肺が熱くなる。異物が捻じ込まれた入り口がじくじくと痛みを訴えた。
動く、と抑揚なく女が宣言し、始めはゆっくりと、徐々に激しく抜き差しが行われた。
その頃には最後の兵も出て行き、牢の中には二人の荒れた息遣いと淫らな声、粘液をかき混ぜる音が壁に柔らかい壁に吸い込まれる事も無く反響した。
手が使えず、支えるのが困難な体を揺らして女は私の内部を穿つ。
責め立てる側にいるのに余裕無く喘ぐ女の遠慮ない嬌声が鼓膜に響いて、こちらまで釣られそうだ。
何とか慣れ始め、堪える私に気付いたのか、女が乗り上げて私の顔を探った。小柄な女と、女性にしては上背のある私では繋がったままでは顔を寄せられない。
鼈甲がずるりと抜けて、私は開放感に大きく息を吐いた。
と、女が私の口を探り当て、唇を吸う。抵抗する歯列を舐め、「声を」と促してきた。
「声をあげれば、他の音は聞かなくてすむ……」
器用にも再び挿入と律動を開始し、女が私を快楽に誘う。溺れるのではなく、流れに身を任せるのだと。
「もがいて、溺れれば死ぬだけだ……けれど、流れに乗ればいつか、何処かに辿りつくだろう。
だからそなたも、忘れろ、余計な事は。目が眩めば、光は見えなくなる」
言葉らしい言葉はそれっきりで、女は再び獣の声を撒き散らした。私も返すべき言葉が見つからなかった。
せめて。目を硬く瞑り、優しい市を思い出した。目の前の女の胡桃色こそ虚像で、私と繋がるべきは、私と揃いの真っ直ぐな黒い髪なのだ。
一層激しく女が動き、ひくりと大きく跳ねた。強い衝撃に目を開けると、女がのけぞって白い喉を晒していた。
がくりと俯き私の腹に女の髪がかかるほど近づく。そのまま女が床に雪崩れ込み、私の内部から器具が引きずり出た。
抜ける瞬間、器具の返しが引っかかり予期せぬ強い刺激が襲った。捲り上げられた襞が波打つ。ひゅ、と喉が引き連れて軽く思考が飛ぶ。
終わりを察したのか監視兵がやって来て、まず私の手枷を鎖から外した。肩の痛みに顔が歪む。
次に兵はぐたりと横たわる女から鼈甲を抜き、続いて腕の拘束具と目隠しを取った。初めて見た女の腕は予想通り血の気がなく、骨と見違えるほど細い。
枯れた白だ。活力も希望もこれまで生きてきた人生すら全て否定され蹂躙され、貪り尽くされた後に残った侘しい色。
久しく動かしていなかった女の両腕は萎えているようで、関節の軋みに呻いた。私の手枷も外され、自分で膝の縛りを解いた。
兵は邪魔をしなかった。情事の後ではろくに動けまいと高をくくっているのだろう。実際そうで、痺れた節々では抵抗は難しい。
扉の向こうにも複数人控えている気配がする。兵から女の体を清めている布を引ったくって、出て行けと睨んだ。




