あの夜で終わらせるはずだった。たった一度きりの行為にするはずだった。
それは寂しさを紛らわすためだけの、何の感情も含まない行為であるはずだったのだから。
それは寂しさを紛らわすためだけの、何の感情も含まない行為であるはずだったのだから。
濃姫の両の手首を、慶次の掌が包んだ。ゆっくりと左右に開き、固定させる。
それは抗おうと思えばいつでもできるような、ひどく優しい力であった。
しかし濃姫は抵抗することができなかった。
慶次の瞳にある熱を、見てしまったからだ。
愛した者が一度たりとも向けてはくれなかった、しかし欲しくてたまらなかった感情を、
この男はくれるからだ。惜しみなく。溢れるほどに。
「帰蝶」
とうとう、濃姫は瞳を閉じた。
それは抗おうと思えばいつでもできるような、ひどく優しい力であった。
しかし濃姫は抵抗することができなかった。
慶次の瞳にある熱を、見てしまったからだ。
愛した者が一度たりとも向けてはくれなかった、しかし欲しくてたまらなかった感情を、
この男はくれるからだ。惜しみなく。溢れるほどに。
「帰蝶」
とうとう、濃姫は瞳を閉じた。
唇と唇が触れ合う。その柔らかさに、慶次はこっそり驚いた。
初めて濃姫と繋がったあの夜は、唇に触れなかった。
誘われるまま愛撫し、まだ濡れてもいない領域を侵した、あの夜。
『呼んで。帰蝶と、……呼んで』そう言ってすすり泣く濃姫を熱にうかされたように
求め、溺れた夜。
唇の弾力と弾力が拮抗し、たわむ。
しっとりと濡れたように輝く紅。それが慶次の唇に吸い付く。
触れては離れ、離れては触れる。
もどかしいほどの柔らかな愛撫に根負けしたのか、濃姫の唇が小さく開いた。
誘われるように慶次の舌が這い出る。
唇を幾度か往復し、ゆっくりと濃姫の口内へ侵入した。
舌先が触れ合う瞬間の、ぬるりとした感触。熱。今にも溶けだしそうな柔らかさ。
それがたまらなく愛しい。
一度触れ合ってしまえば、もはや離れることなど不可能に思えた。
舌の裏を舐め、舌先でくすぐりあい、絡めあう。
頬の内側や上あごを這うように撫ぜていくと、濃姫の口からくぐもった声が漏れた。
「っ、う……」
角度を変え、唇を貪りながら、指はするすると濃姫の肌を滑る。
闇色の着物を割って、なめらかな頂に触れた。そこもしっとりと汗ばんでいる。
初めて濃姫と繋がったあの夜は、唇に触れなかった。
誘われるまま愛撫し、まだ濡れてもいない領域を侵した、あの夜。
『呼んで。帰蝶と、……呼んで』そう言ってすすり泣く濃姫を熱にうかされたように
求め、溺れた夜。
唇の弾力と弾力が拮抗し、たわむ。
しっとりと濡れたように輝く紅。それが慶次の唇に吸い付く。
触れては離れ、離れては触れる。
もどかしいほどの柔らかな愛撫に根負けしたのか、濃姫の唇が小さく開いた。
誘われるように慶次の舌が這い出る。
唇を幾度か往復し、ゆっくりと濃姫の口内へ侵入した。
舌先が触れ合う瞬間の、ぬるりとした感触。熱。今にも溶けだしそうな柔らかさ。
それがたまらなく愛しい。
一度触れ合ってしまえば、もはや離れることなど不可能に思えた。
舌の裏を舐め、舌先でくすぐりあい、絡めあう。
頬の内側や上あごを這うように撫ぜていくと、濃姫の口からくぐもった声が漏れた。
「っ、う……」
角度を変え、唇を貪りながら、指はするすると濃姫の肌を滑る。
闇色の着物を割って、なめらかな頂に触れた。そこもしっとりと汗ばんでいる。




