まろみのない身体つきや表情に甘さがなく女には見えない。
けれど、男のような逞しさもない。
中途半端なのだ。
「…こんなのの何がよかったの片倉さん…?」
試しに笑ってみた顔は、自分でも驚くほど歪んで不細工だった。
けれど、男のような逞しさもない。
中途半端なのだ。
「…こんなのの何がよかったの片倉さん…?」
試しに笑ってみた顔は、自分でも驚くほど歪んで不細工だった。
「…おい。猿飛…?」
「あ、片倉さんおかえりー」
考え事に没頭しすぎて気付かなかったなんて俺さま不覚だね。
振り返ってへろりと笑ってみたけど、片倉さんはなんだか微妙な表情だ。
傍目にはいつもの無表情だけど、最近は俺にもわかるようになってきた。
何かを一生懸命堪えている顔だ。
「遅かったね。お仕事忙しかったんでしょう?」
ご飯はもう食べた?と続けようとして、まるで新婚さんみたいな会話だと気付いた。
あれ?実際新婚さんだからいいのか?
でも俺は認めてない…って。
「…片倉…さん…?」
「あ、片倉さんおかえりー」
考え事に没頭しすぎて気付かなかったなんて俺さま不覚だね。
振り返ってへろりと笑ってみたけど、片倉さんはなんだか微妙な表情だ。
傍目にはいつもの無表情だけど、最近は俺にもわかるようになってきた。
何かを一生懸命堪えている顔だ。
「遅かったね。お仕事忙しかったんでしょう?」
ご飯はもう食べた?と続けようとして、まるで新婚さんみたいな会話だと気付いた。
あれ?実際新婚さんだからいいのか?
でも俺は認めてない…って。
「…片倉…さん…?」
すごい顔で、こっち見てる。
上から下までもう穴開くってくらいに。
片倉さんに合わせて自分の身体を見て、気付いた。
まだ片倉さんの陣羽織着たままだった…。
「や、その、ちょっと退屈だったっていうか、あんまりに立派だったから好奇心っていうか……………ごめんなさい」
さすがに勝手に着たのはまずかったか。
もしかしたらこの仕立ての良さからして竜の姫様にもらった奴かもしれないし。
「今すぐ脱ぐから」
へらへら笑って誤魔化しながら襟に手をかけたが。
「…あの?」
片倉さんの手が、その俺の手を掴んでいた。
「おい猿飛…」
「は、はい?」
「てめえ何考えてやがる…」
「や、そのね?あーと…」
「俺を殺す気か」
そんなに怒ったの!?
さあっと青ざめたのが自分でもわかった。
片倉さんはもう泣いてちびって土下座して逃げたくなるような形相で、逃げ腰な俺の手を掴んで強くて引いた。
上から下までもう穴開くってくらいに。
片倉さんに合わせて自分の身体を見て、気付いた。
まだ片倉さんの陣羽織着たままだった…。
「や、その、ちょっと退屈だったっていうか、あんまりに立派だったから好奇心っていうか……………ごめんなさい」
さすがに勝手に着たのはまずかったか。
もしかしたらこの仕立ての良さからして竜の姫様にもらった奴かもしれないし。
「今すぐ脱ぐから」
へらへら笑って誤魔化しながら襟に手をかけたが。
「…あの?」
片倉さんの手が、その俺の手を掴んでいた。
「おい猿飛…」
「は、はい?」
「てめえ何考えてやがる…」
「や、そのね?あーと…」
「俺を殺す気か」
そんなに怒ったの!?
さあっと青ざめたのが自分でもわかった。
片倉さんはもう泣いてちびって土下座して逃げたくなるような形相で、逃げ腰な俺の手を掴んで強くて引いた。




