笛の音は絶え、代わりに濡れた音が廊下に低く響いた。
「ん……」
苛立った精神がそのまま現れた噛み付くような深い口付けは応えるのが精一杯で、
駆け引きなどは考えもつかない。
薄く目を開けて、政宗を見る。政宗は目を閉じようともせずに、情欲に満ちた目で
小十郎をじっと見ていた。
じん、と、体が疼く。
ようやく口付けから解放されると、政宗は小十郎の豊満な胸に顔を埋めた。
小十郎の着物は、政宗の手によってすべて払われている。
米沢は、夏は暑く、冬は雪に閉じ込められる、過酷な土地だ。山から吹き降ろす風が
そうさせている。
夜になっても蒸し暑い。肌と肌が触れ合うのが、政宗相手でなければ「鬱陶しい」と
払うところだ。
政宗の着物を乱す。襟から手を差し入れ、胸に手をやる。乳首をそっと口に含むと、
政宗の声に熱が籠もった。
「ん……」
くぐもったような甘い声。小十郎は薄く笑うと、袴を乱した。
「小十郎?」
何をしようとしているのか、と、声が問う。政宗の下帯を解き、小十郎は顔を上げた。
「政宗様が、苛立っておられるのは、真田幸村のせいでしょう。頭から、
離れないからではありませんか」
「ああ……そうだ。あいつの首が、取れなかったからだ」
「この小十郎が、真田のことなど吹き飛ばしてみせます」
ためらうことなく、政宗の男根を口に含む。
真田幸村のことを語るときだけ、政宗は年相応の若さや青さを取り戻す。目は光り輝き、
頬は赤く上気する。
まるで、恋をする少年のような。
――互いにその気がないことは知っている。真田幸村は身分違いの夫を迎えて仲睦まじいと聞くし、
政宗もまた、当分は正室を迎えぬと公言している。
だが、小十郎は真田幸村に嫉妬していた。
少しでも、政宗の心から彼女を取り除きたい。
「……ふっ………」
政宗の顔が蕩ける。それを見て、小十郎は満足そうに笑う。
時折政宗の顔を見上げながら、小十郎は一心に舐める。節くれだった、
女ながらに武人らしい指と厚みのある舌を巧みに使い、ぴちゃぴちゃと濡れた音を
立てて奉仕をする姿は、さながら娼婦のようだった。
「……今度、戦になったら、叩きのめす」
何を、とも、誰を、とも、聞かなかった。
政宗の手が、小十郎の肩を強くつかむ。
「この、俺がな」
じっとりとした熱さを秘めた声。
見上げることができずにいた。
「ん……」
苛立った精神がそのまま現れた噛み付くような深い口付けは応えるのが精一杯で、
駆け引きなどは考えもつかない。
薄く目を開けて、政宗を見る。政宗は目を閉じようともせずに、情欲に満ちた目で
小十郎をじっと見ていた。
じん、と、体が疼く。
ようやく口付けから解放されると、政宗は小十郎の豊満な胸に顔を埋めた。
小十郎の着物は、政宗の手によってすべて払われている。
米沢は、夏は暑く、冬は雪に閉じ込められる、過酷な土地だ。山から吹き降ろす風が
そうさせている。
夜になっても蒸し暑い。肌と肌が触れ合うのが、政宗相手でなければ「鬱陶しい」と
払うところだ。
政宗の着物を乱す。襟から手を差し入れ、胸に手をやる。乳首をそっと口に含むと、
政宗の声に熱が籠もった。
「ん……」
くぐもったような甘い声。小十郎は薄く笑うと、袴を乱した。
「小十郎?」
何をしようとしているのか、と、声が問う。政宗の下帯を解き、小十郎は顔を上げた。
「政宗様が、苛立っておられるのは、真田幸村のせいでしょう。頭から、
離れないからではありませんか」
「ああ……そうだ。あいつの首が、取れなかったからだ」
「この小十郎が、真田のことなど吹き飛ばしてみせます」
ためらうことなく、政宗の男根を口に含む。
真田幸村のことを語るときだけ、政宗は年相応の若さや青さを取り戻す。目は光り輝き、
頬は赤く上気する。
まるで、恋をする少年のような。
――互いにその気がないことは知っている。真田幸村は身分違いの夫を迎えて仲睦まじいと聞くし、
政宗もまた、当分は正室を迎えぬと公言している。
だが、小十郎は真田幸村に嫉妬していた。
少しでも、政宗の心から彼女を取り除きたい。
「……ふっ………」
政宗の顔が蕩ける。それを見て、小十郎は満足そうに笑う。
時折政宗の顔を見上げながら、小十郎は一心に舐める。節くれだった、
女ながらに武人らしい指と厚みのある舌を巧みに使い、ぴちゃぴちゃと濡れた音を
立てて奉仕をする姿は、さながら娼婦のようだった。
「……今度、戦になったら、叩きのめす」
何を、とも、誰を、とも、聞かなかった。
政宗の手が、小十郎の肩を強くつかむ。
「この、俺がな」
じっとりとした熱さを秘めた声。
見上げることができずにいた。
恋とは違うと分かっていても、振り払うことができない。
求められていても、抱かれても、精を中に放たれても、政宗の心はここにない。
己は、ただ欲情を処理するだけの器なのだと言い聞かせる。
そうしないと勘違いをしてしまう。
ただ抱かれているだけ。それ以上でもそれ以下でもない。
精を飲み見上げれば、欲と熱を含んだ左の目が、じっと小十郎を見ていた。
心を暴くような、黒い瞳。長く傍に仕えていても、恐れは消えない。
着物を乱したまま、政宗は膝に肘を置いて偉ぶる。政宗のそれは、
まだ天に向かっている。
上に乗れと言われ、小十郎は足を広げて政宗に跨ると、そそり立つ男根を女陰にあてがった。
ゆっくりと腰を下ろし、体重をかけないよう、柱に手をつく。
じわじわと這い上がってくる充足感に、体が蕩ける。
政宗が初めての相手という訳でもないが、政宗にとって小十郎は初めての女だった。
初陣前に「男」になるよう、手解きをした。
優位に立てたのは最初だけで、今は翻弄されるばかりだ。
女の味を覚えた政宗は、時々女中と楽しんでいるようでもある。女中が明らかに
小十郎を避けるので、すぐに分かる。政宗の欲は小十郎一人で受けられるほど
優しいものではないから、むしろ助かっているのだが。
「大した重さじゃねぇだろ。乗れよ」
「……主の上に乗って、悦ぶような小十郎ではありません」
「HA! 固い女だ」
戦と農業に従事し引き締まった腿を撫でられると、ぞわぞわした快楽が上がってくる。
ゆっくりと胎内を締め、柱に爪を立てながら、政宗に気遣うように腰を動かした。
抜けるぎりぎりまで腰を持ち上げてから体を落とせば、より快楽が増す。体を昂ぶらせ、
主を昇らせようと動きを激しいものに変えていく。
小十郎の熱がどんどん上がっていく。腰を折り曲げ、肉芽を政宗に擦り付ける。
こうすればより強い快楽を得られる。
その様子を見つめる政宗は、得体の知れぬ薄い笑みを浮かべていた。
知らず、動きが緩くなる。政宗の眉間にシワが寄った。
「忘れさせるんだろ? ちゃんと動けよ」
腰を抑え込まれ、突き入れられる。
求められていても、抱かれても、精を中に放たれても、政宗の心はここにない。
己は、ただ欲情を処理するだけの器なのだと言い聞かせる。
そうしないと勘違いをしてしまう。
ただ抱かれているだけ。それ以上でもそれ以下でもない。
精を飲み見上げれば、欲と熱を含んだ左の目が、じっと小十郎を見ていた。
心を暴くような、黒い瞳。長く傍に仕えていても、恐れは消えない。
着物を乱したまま、政宗は膝に肘を置いて偉ぶる。政宗のそれは、
まだ天に向かっている。
上に乗れと言われ、小十郎は足を広げて政宗に跨ると、そそり立つ男根を女陰にあてがった。
ゆっくりと腰を下ろし、体重をかけないよう、柱に手をつく。
じわじわと這い上がってくる充足感に、体が蕩ける。
政宗が初めての相手という訳でもないが、政宗にとって小十郎は初めての女だった。
初陣前に「男」になるよう、手解きをした。
優位に立てたのは最初だけで、今は翻弄されるばかりだ。
女の味を覚えた政宗は、時々女中と楽しんでいるようでもある。女中が明らかに
小十郎を避けるので、すぐに分かる。政宗の欲は小十郎一人で受けられるほど
優しいものではないから、むしろ助かっているのだが。
「大した重さじゃねぇだろ。乗れよ」
「……主の上に乗って、悦ぶような小十郎ではありません」
「HA! 固い女だ」
戦と農業に従事し引き締まった腿を撫でられると、ぞわぞわした快楽が上がってくる。
ゆっくりと胎内を締め、柱に爪を立てながら、政宗に気遣うように腰を動かした。
抜けるぎりぎりまで腰を持ち上げてから体を落とせば、より快楽が増す。体を昂ぶらせ、
主を昇らせようと動きを激しいものに変えていく。
小十郎の熱がどんどん上がっていく。腰を折り曲げ、肉芽を政宗に擦り付ける。
こうすればより強い快楽を得られる。
その様子を見つめる政宗は、得体の知れぬ薄い笑みを浮かべていた。
知らず、動きが緩くなる。政宗の眉間にシワが寄った。
「忘れさせるんだろ? ちゃんと動けよ」
腰を抑え込まれ、突き入れられる。




