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戦国BASARA/エロパロ保管庫
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戦国BASARA/エロパロ保管庫

迷宮情死16

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政宗の調子のいい日に、躑躅が崎では宴が催された。
宴は信玄とその日躑躅が崎にいた家臣、妻子ちだけで行われ、政宗の旅立ちに際した簡素なものであった。
中央で、幸村が舞を披露している。
何を思って舞っているのかよく分からないな、と政宗は脇息にもたれながら幸村を見た。
(足の踏み込みも、手もなっちゃねぇよ。即興なんて無茶するんじゃねぇよ)
政宗自身、能ならいくらでも舞える。鼓も太鼓も笛もお手の物だ。欠点ばかりが目についてしまう。
袖が泳ぐ。そこは抑えろよ、としかめ面をする。
赤い小袖。幸村がそれ以外の小袖を着ているのを見たことがない。
奥州で、違う小袖を縫ってやろうと思った。赤以外がいいだろうか。
明るい色が似合うだろうから、萌黄やはなだはどうだろう。
少し前の席で、信玄の正室、三条夫人がきっちりと背を伸ばして舞を見守っている。
三条が脇息など使わないのだから、政宗も背を伸ばした方がいいのだろう。だが、
脇息にもたれないと体が持ち上げられない。
弱ったな、と自分の腕を見た。肉が落ち、筋だけになってしまった。
女のたおやかさも逞しさもない。
幸村が一度政宗を見た。唇が開く。何を言うつもりだろう、と政宗は背を伸ばした。


ひとときの 安らぎも得ぬ
苦しみは 我が身より出づ
踏み初めし 恋路にまよひ
よるべなく あくがれまどひ
いたづらに まつはりつきて
かのひとの 重荷となりぬ

息を飲み、信玄を見た。信玄は女中から酒を受けている。戸惑いも怒りも見せない。
誰も、何も言わない。
だがこれは。
「恋の……重荷……」
能の謡曲だ。
身分違いの恋をした老人が、わずかな逢瀬を夢見て女の臣下が出した無理難題に挑むも、
その難題に耐えることができずに絶望して死んでしまう。
老人は女の守り神として仕え、それで能は終わる。
女は身分が高く、見ることすら老人にとっては罪になる。それでも老人は女に恋をした。
苦しい思いを謡ったものだ。
何故、この場で。そのような謡曲を謡うのだろう。

かにかくに まだ焦がるるか
あさましき 恋の奴(やっこ)や
道すがら ひとめ見るたび
このこころ 逸りてやまず
やすまらず 乱れてやまず
恋しさは 重荷となりぬ

顔を上げることができない。
胸を抑えた。息が苦しい。
見なければいけない、と顔を上げる。
先ほどの滑稽さはどこにいったのか。金色の扇が美しく軌跡を描き、幸村は背を向けた。
つ、と歩む動きは見事だ。政宗でもああは動けない。


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