元就は検分するような目で、指を伝う白濁した液体を舐める元親を見た。
何かを連想した元就は、頬をほのかに染めて、つ、と、目を逸らす。
何かを連想した元就は、頬をほのかに染めて、つ、と、目を逸らす。
「そなたは男と寝たことがあるのか」
「おうよ、経験済みだ」
「家康殿と寝てないのではなかったか」
「おうよ、経験済みだ」
「家康殿と寝てないのではなかったか」
元親は半眼で元就を睨んだ。
「男なんてあいつだけじゃねえだろ。あいつに初めて会ったのなんてたかが一年と少し前なんだぜ」
「…………そなたはまだ婿取りしていなかった筈では」
「そりゃあ家と家のことだろうが、
いいじゃねえか、惚れた相手に一晩の夢を預けるぐれえはよお。
硬ぇこと言うなよ」
「…………そなたはまだ婿取りしていなかった筈では」
「そりゃあ家と家のことだろうが、
いいじゃねえか、惚れた相手に一晩の夢を預けるぐれえはよお。
硬ぇこと言うなよ」
元就は何故か苛々した。
「孕んだらどうする」
悪びれるふうでもなく、元親は答えた。
「どうせ跡取りは必要なんだ、一人くらい惚れた相手の子がいても悪かねえだろ」
「貴様には貞操が無いのか!」
「貴様には貞操が無いのか!」
元親は注ぎすぎた白い酒をあおって、はあ、と、酒臭い息を元就に吹きかける。
「おいおい、人のこと経験豊富そうとか言っておいてそれかよ、
あんただって寝たんだろ、あの風来坊と。
そっちこそ孕んだらどうするか、考えなかったのかよ。
あんたが前田に輿入れしたなんて聞いてねえぞ。
………まさか前田の種を貰ってお家の復興、なんて、既成事実作ろうなんて
最中に考えてたんじゃねえだろうな。
……………………
…………なんだよその目。
考えてもなかったってツラしてんな………悪い、
あんた男のフリのしすぎで自分が女だってこと忘れてたのか?
毛利のあんたが前田の子を産めば、そいつが長じたら安芸一国くらいは
治めさせてくれるかもしれねえとかちらっとでも考え…………
…………なかったのかよ、その様子じゃあ」
あんただって寝たんだろ、あの風来坊と。
そっちこそ孕んだらどうするか、考えなかったのかよ。
あんたが前田に輿入れしたなんて聞いてねえぞ。
………まさか前田の種を貰ってお家の復興、なんて、既成事実作ろうなんて
最中に考えてたんじゃねえだろうな。
……………………
…………なんだよその目。
考えてもなかったってツラしてんな………悪い、
あんた男のフリのしすぎで自分が女だってこと忘れてたのか?
毛利のあんたが前田の子を産めば、そいつが長じたら安芸一国くらいは
治めさせてくれるかもしれねえとかちらっとでも考え…………
…………なかったのかよ、その様子じゃあ」




