戦国BASARA/エロパロ保管庫

吼えぬ孤狼12

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小太郎はそこで眼を覚ました。まだ真夜中だった。

…腕の中で寝息を立てる氏政を見つめながら、ぼんやりと思う。

「傀儡人形」だった頃…不幸でもなければ幸せでもなかった。
幸か不幸かなど感じる事もなかった。

今はどうだろう。不安もある、切ないような、苦しいような、何処かもどかしい思いもある。
幸せかどうかはわからない。…ただ、この腕のぬくもりを離したくないと思った。

大切にしたいと思うのに、壊してしまいそうになる。
…この衝動は何なのだろう。


北条に仕える以前に雇われていた、松永軍の大将が言っていた言葉を思い出した。

「欲しがればよいのだ。どうせ人はすぐに死ぬ…」

その言葉通り、その男も欲望のままに欲しがり、自分の希望通りの方法で死んでいった。

欲望に従えば、楽になれるのだろうか。例え、行き着く先が破滅だったとしても…。



「ん…」

身体に感じる緩やかな刺激により、氏政がゆっくり覚醒する。
目覚めた氏政が最初に見たのは、まるで獲物に貪りつく獣の如き小太郎の姿だった。

「ふ…風魔…!?や…ぁっ」

氏政の寝巻きは既に剥ぎ取られ、裸体を小太郎の前に晒している。
小太郎は氏政に覆いかぶさり、乳房にしゃぶりついている。

「んあっ…あ…はぁ…」

氏政の意思とは裏腹に、小太郎の愛撫で身体が熱く火照り出す。
あんなに嫌だと思っていた行為なのに……氏政はそんな自分に愕然とした。

幾度となく味わった、身を焼き切るほどの絶望感と恐怖心は、一向に磨り減ってはくれない。

何故じゃ、もういいというておるのに…何故わしの心は死んでくれんのじゃ?

…恥ずかしさと悔しさで、氏政の瞳から涙がこぼれる。

瞳からぽろぽろとこぼれる涙を、小太郎はそっと唇で拭う。

何故、この期に及んでもこの男は優しいのだろう。
悲しいくらいに。

気を持たせて、安心させて、突き落とす。
それを平然とやってのける小太郎に、氏政は困惑を隠せない。

氏政の布団を掴む手を半ば無理矢理にはずし、手を握る。

触れてみて初めて、小太郎の手は、大きくて力強いと実感する。
その中に握りこまれる己の手の何と弱く小さい事か。

氏政の唇を奪い、貪るように口内を犯す。
乳房にしゃぶりつき、ぴちゃぴちゃと音を立てて舐め上げる。
長く骨ばった指は、氏政の秘所をねっとりとかき回す。


小太郎は、かようにまで苛烈な男だっただろうか。
彼はおそらく以前と何も変わっていない。
ただ、何かひとつだけ、ガラリと入れ替わっているような気がした。


氏政はふと思った。

…孤狼だ。

群れの中に身を置いても、他とは決してあいまみえない。
身を隠すように紛れようとも、他とは明らかに異質。
群れを呼ぶ為の遠吠えさえも不要。
孤独にして孤高。

静寂と冷徹の化身でありながら、内には狂おしいほどの熱と、衝動を抱えている。

小太郎は、決して吼えぬ孤狼なのだ。


ああ、わしは喰らわれるのだ。

…そう思うと、不思議と心が和らいだ。
喰らわれてしまえば、もうそれ以上の恐怖など訪れない。

悲しくも辛くもないのに、涙がこぼれた。



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