戦国BASARA/エロパロ保管庫

鬼蝶3

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帰蝶が気が付くと其処は見た事もない部屋だった。民家などでなく城である事は直ぐ解ったが、外の景色も帰蝶の知るものではなく、自分が何処にいるのか皆目見当も付かなかった。
「やっと起きたのか」
突然の声に振り返ると、燻銀色の髪をした長身の男が立っていた。紫の椿柄などという突拍子もない着物を着ているが、女の様に端正な顔の所為か違和感が無い。
「そなたは何者ですか? 此処は何処? の……信長様は?」
帰蝶は矢継ぎ早に質問したが、男は何も答えず、帰蝶の傍に座ると白湯を差し出した。
「まぁ飲めよ。順々説明してやるからよ」
少しでも早く今がどういう状況なのかを知りたかったが、帰蝶の声は水分不足で大分掠れていたので大人しく湯飲みを受け取ると喉へと流し込んだ。
「俺は長宗我部元親。あんたとは一応親戚関係に有るし、名前くらい聞いた事があるだろ」
帰蝶は危うく手から落とし欠けた湯飲みを畳の上に置くと、良く良く元親の顔を見詰めた。
確かに帰蝶と元親は親戚関係にある。元親の母は美濃斎藤氏の出身であるし、正室も斎藤氏の娘である。だが、帰蝶が元親を知っているのは、そんな理由でではない。長宗我部元親と言えば、一時は信長と同盟を組んでいた事もある四国の鬼である。家臣からは姫若子などと皮肉られ、信長は鳥なき島の蝙蝠などと揶揄したが、この男の手による四国統一は最早時間の問題であり、其の力は侮る事が出来ない群雄の一人である。

「……会うのは初めてなんだから、顔見たって俺が本物か影かなんて解らないだろ?」
元親は、穴が開くのではないかと思う程自分を凝視する帰蝶に、真偽を疑われているのだと勘違いして笑いながら顔を近付けた。間近に迫った美しい顔に帰蝶は一瞬立場を忘れて見惚れたが、直ぐに正気に返ると元親を睨み付けた。
「此処は何処なの?」
「此処は四国に決まっているだろ。あんた……あんた本能寺で気を失っている所を明智に捕まってたんだよ。そのあんたを貰い受けて、四国に連れてきたって訳さ」
其処まで話すと、元親は少し悲しそうな顔で帰蝶を見詰めた。
「信長は本能寺で自刃した。あんたも、亡骸を見た筈だ……明智はあんあたを慰み者にしようと思ったみたいだけどな。まぁ、偶然俺の部下が京に行っててよ、だから上手い事言ってあんたを四国に連れてこれたって寸法よ」
元親は良い難そうに話し、途中はにかんだりする様子などは、帰蝶が想像していた鬼とは全く違っていた。元親の話が本当ならば、元親は帰蝶の恩人という事になる。
しかし不思議なのは元親の動きが速かった事だ。幾ら帰蝶が心痛で寝込んでいたとはいえ、一ヶ月も経っているとは思えない。とすると、元親の部下は数日の内に光秀の元から帰蝶を救い出して四国に連れてきた事になる。元親は偶然京に部下が居たなどと言ったが、恐らく平素から間者を放っていたのだろう。出なければこうも上手く立ち回れる筈がない。
鬼蝶4

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