戦国BASARA/エロパロ保管庫

鬼蝶4

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「礼は、言います。本当に有り難う……」
深々と頭を下げた帰蝶に、元親は慌てて顔を上げる様に言った。其の顔は、未だ話す事があると言いたげだった。
「姫さん、あんた、明智を討つつもりだろう……けど、其れはどう足掻いたって出来やしねぇ」
「私は、例え一人でも明智を討ちます!」
「そうじゃねぇ、そうじゃねぇんだよ。姫さん、明智はな、もういねぇんだ」
元親は吐き捨てる様にそう言うと、有らん限りの力で帰蝶を抱きしめた。
帰蝶は突然の行為に驚き元親を押し退けようとしたが、痩身だが筋肉質の身体はびくともしない。
「姫さん、明智はなぁ、死んだんだよ。あんたの仇は羽柴が討っちまったんだよ……」
帰蝶は元親の言う意味が解らず、すっかり体中の力が抜けていった。
「それは……一体? 私は何年も眠っていたというの?」
「明智が信長に取って代わったのは、十一日だけだったんだよ。あんたが昏倒していたのは十五日だけだよ。今日は六月十七日だ。まぁ、それでも目覚めないんじゃないかと不安にはなったけどな」
元親は抱きしめていた腕を緩めると、真っ直ぐ帰蝶を見詰めた。気まずくなって帰蝶が先に目を逸らしたが、直ぐに一つ疑問が湧き、元親の前に座り直した。
「長宗我部殿……長宗我部殿の話が全て事実ならば、何故数日で私は四国に? 光秀は何故私をすんなり引き渡したの?」
元親は言葉に窮した様ではにかんで誤魔化そうとしたが、帰蝶が其れで納得する筈も無い。説明しようとしない元親に苛立った帰蝶は、先程とは逆に元親を畳の上に思い切り押し倒すと、馬乗りになってなって上から睨み付けた。元親は、突然の事に鳩が豆鉄砲を食らった様な顔をしている。
「……おい、これは、可笑しいだろ? 普通押し倒すのは俺の方だぞ」
少し顔を引きつらせながらも、元親は笑って起きあがろうとした。帰蝶も戦女として戦場に立つ女であり其の力を侮る事は出来ないが、そうは言っても先程の遣り取りでも解る様に肉体的には元親の方が遙かに勝っており、帰蝶一人抱えて抱き上がるぐらい造作もない。
しかし、起きあがろうとした元親の頬を帰蝶の簪が掠めた。驚いた元親は、起きあがるのを止めて帰蝶を見詰める事しかできない。
「長宗我部殿が私を助けてくれた理由は、大方御正室殿に頼まれての事だろうが、其れにしても余りに素早い動き……長宗我部殿が光秀と組んでいたとしかっ!」
殺気の籠もった眼差しに危険を感じた元親は、動く手で帰蝶の右手を握ると、散々逡巡した後帰蝶の顔を見上げた。
「だからな、部下があんたを助けたんだよ。俺の命令だとか上手い事いってな。
明智にとっては俺も姫さんも血縁関係にあるし、第一信長を討って直ぐじゃ四国相手に戦が出来る訳もねぇ。だから多少理不尽でも俺の要求を呑んで姫さんを解放したんだろ」
「其処は疑っていない。光秀は狡猾な男、私の命一つで安全が買えるなら喜んで差し出すでしょう。長宗我部殿、私が知りたいのは、何故部下が勝手に長宗我部殿の名を騙って私を助け出したのか」
「…………! だからよ、部下は知ってたんだよ!」
「何をっ!」
元親の声が自棄の様に大きくなるので、帰蝶の声もつられて怒鳴り声になる。端から見れば喧嘩でもしている様に思える光景だが、それにしては元親の顔には怒りは無く寧ろ途惑っている様に見える。
鬼蝶5

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