■鬼蝶
魔王×魔王の妻前提で、鬼×魔王の妻です。
魔王×魔王の妻前提で、鬼×魔王の妻です。
天文十八年、織田上総介信長の元に嫁いだ帰蝶は僅か十三歳であった。
其の年齢が指し示す様に、此の婚姻は政略の元成されたものであり、帰蝶は万が一の際には信長を暗殺する様斉藤道三から言い含められていた。
しかし、美濃の蝮と呼ばれ下克上を体現したような男であった道三の娘に相応しく、帰蝶もまた女性らしからぬ広い視野を持つ肝の据わった少女だった。帰蝶は、信長が本当にうつけで有れば殺すが、そうでなければ道三を殺すと言い放ったのだ。
其の年齢が指し示す様に、此の婚姻は政略の元成されたものであり、帰蝶は万が一の際には信長を暗殺する様斉藤道三から言い含められていた。
しかし、美濃の蝮と呼ばれ下克上を体現したような男であった道三の娘に相応しく、帰蝶もまた女性らしからぬ広い視野を持つ肝の据わった少女だった。帰蝶は、信長が本当にうつけで有れば殺すが、そうでなければ道三を殺すと言い放ったのだ。
うつけだと専らの噂であった信長だが、実像は理知的で先見の明に優れた人物だった。
神仏を恐れず政教分離を目指すなど、其の新しい感覚は帰蝶をさえも当惑させる事が屡々有ったが、しかし帰蝶は妄信的に信長を信頼した為戦場にあっても二人の意見が食い違うような事はなく、子供にこそ恵まれなかったが仲睦まじい夫婦であった。
神仏を恐れず政教分離を目指すなど、其の新しい感覚は帰蝶をさえも当惑させる事が屡々有ったが、しかし帰蝶は妄信的に信長を信頼した為戦場にあっても二人の意見が食い違うような事はなく、子供にこそ恵まれなかったが仲睦まじい夫婦であった。
乱背なりに幸せであった帰蝶だが、不幸は突然訪れた。天正十年六月二日、その日は梅雨には似合わぬ様な美しい星空が見えていた。毛利討伐に向かう織田軍は京都の本能寺に逗留しており、当然帰蝶もその中にいた。
戦の前で気が高ぶっている信長は帰蝶が気を失うまで閨を貪り、それは何時も通りの日常だった。帰蝶は平素と同じ夜を迎え、そして朝を迎える筈だった。
鬼蝶2
戦の前で気が高ぶっている信長は帰蝶が気を失うまで閨を貪り、それは何時も通りの日常だった。帰蝶は平素と同じ夜を迎え、そして朝を迎える筈だった。
鬼蝶2