戦国BASARA/エロパロ保管庫

駒剣

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■駒剣

「哀れだな」
責め苦を受けてなお一向に口を開く様子の無いかすがを、毛利元就は憐憫の眼差し
――しかし心底では馬鹿にしている事が解る類――をした。
「そなたがそうして口を噤めば噤む程、謙信の信頼は増そう。だが、女としての価値は
……謙信も仏の様な顔で残酷な事をする」
薄笑いを浮かべる元就の唇は形が良いが、其れだけに一層かすがの心を逆撫でする。
かすがは上杉不識庵謙信に心酔しているが、其処には恋愛感情だけではない複雑で絶
対的な信頼関係が有る。其れを揶揄される事は、かすがにとって実に不愉快且つ許し難
い事だった。
「五月蠅いっ! 貴様如きに私の想いが解って堪るか!」
怒声と共に歯片が転がり落ち、其の責め苦が如何に酷い物であったかを物語っているが、かすがは気丈にも泣き言一つ漏らさず其れに耐えていたのだ。だが、謙信に対する侮辱を許す事は出来ない。
「私には女の気持ちなど解らぬし、解りたくもない」
元就の声は冷たく座敷牢に響く。
かすがは、元就の情の欠片も感じない抑揚の無い声に、少しばかり寒気を覚える。
元就の持つ冷徹さというのは、武将として必要な其れではなく、もって生まれた人間の冷たさだった。
「だが、謙信の気持ちも解らぬ」
そう言うと、元就はかすがの忍装束を引き裂いた。
蝋燭の火で薄暗い牢に、かすがの白い姿態が浮かび上がる。肌には幾つもの傷跡――連日の拷問で癒える間もなく、傷の上に傷を重ねる様な酷い物も少なくない――が有るが、其れさえも情欲を煽る様な美しさだ。
「な……何の真似だ!」
「何? 解らぬ程幼くは在るまい……勿論、そなたを陵辱するのだ」
薄々解っているとは言え、其の言葉は矢張りかすがに恐怖を与えた。顔から血の気が引くのを、はっきりと感じる。
「精々啼け」
元就の指が、かすがの乳房を掴む。其れは、痩躯のからは思いも寄らぬ力強さだった。かすがは顔を顰めたが、元就は楽しげに口角を吊り上げただけだった。

謙信の声が聞こえた気がした。
だが、其れも今のかすがには苦しいだけだった。
(未完)
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