戦国BASARA/エロパロ保管庫

夜明け前3

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nozomi

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次の任務に歩き巫女の候補を伴うよう千代女から言われた時、佐助は違和感を隠せなかった。
戦忍と歩き巫女は根本的に違う。戦忍は戦闘に重きを置き、歩き巫女は情報収集に重きを置く。
――あれはただの歩き巫女ではない
夜の帳の降りた薄暗い部屋の中、灯の周りに蛾が纏りついている。
脇息に凭れた千代女の顔に珍しく興奮の色が浮かんでいた。
――血に憶さないかどうか見てやっておくれ
千代女がその者に一体何を期待しているのか――それは佐助の範疇ではない。
甲賀の血脈である甲斐信濃二国巫女頭領の千代女に命ぜられれば、
一介の忍である自分に拒否権は無い。「御意」と謹んで承った。
しかし歩き巫女の候補と言っても、千代女の屋敷には女の数が多い。
一体誰の事を……と思っていた所、奥の襖が静かに開いた。一人の娘が座している。歳は十代半ば過ぎくらいか。
その顔を見て、佐助は「ああ」と思った。
前に見たのは五年程前だったか。佐助の師が千代女の屋敷に用があって一緒に行った時だ。
あの時、娘は屋敷の庭で自分より年下の子ども達の面倒を見ていた。その白い手で毬をつき、皆で童歌を歌っていた。


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