「佐助、あのな。お前に紹介したい御仁がおるのだ」
そう言った幸村の様子に、猿飛佐助は今までにない嫌な予感を覚えた。
百戦錬磨の一流の忍びである己だが、この手の感覚は生まれて初めてだ。
だからこそ、余計に恐ろしさを感じる。
百戦錬磨の一流の忍びである己だが、この手の感覚は生まれて初めてだ。
だからこそ、余計に恐ろしさを感じる。
何故なら、己の主である真田幸村が、頬を薄朱色に染め、まるで恋する乙女のように恥じらっているのだから。
いや、事実乙女であるのだが。
ただ、その上につく言葉を認めたくない。
ただ、その上につく言葉を認めたくない。
佐助は洗濯する手を止め、縁側に立つ幸村を見た。
幸村の眼は怯えているように、こちらを伺うように、やや潤んでいた。
幸村の眼は怯えているように、こちらを伺うように、やや潤んでいた。
「……………いやぁ~…あはははははははははは…。お客さんかな~?俺様今忙しいから~。
お八つなら、いつもの戸棚の上だからお茶菓子はそれで~」
お八つなら、いつもの戸棚の上だからお茶菓子はそれで~」
佐助は目をそらし、再び桶の中をじゃぶじゃぶとかき回した。
「佐助」
「もー旦那がしょっちゅう着物汚すから、洗濯が追いつきませんよ~。てか、これ絶対戦忍の仕事じゃないよね?」
「佐助」
「薄給だって文句一つ言わないんだから、俺様ホントできた忍だよねー。いやぁ、別に給料上げてほしいとか、そんなんじゃないから!」
「佐助」
「俺様みたいな優秀な忍がいて、旦那は幸せ者だね~!炊事洗濯情報収集、暗殺から子守まで何でもこなす!一家に一人猿飛佐助!ヒャッホゥ!」
「すわぁすけぇぇぇぇぇえええぇぇぇえぇええぇぇ!!!!」
「あーハイハイ!わかってますよ!わかりましたよ!わかっちゃいましたよ!いいじゃない!現実逃避するくらい!!」
「もー旦那がしょっちゅう着物汚すから、洗濯が追いつきませんよ~。てか、これ絶対戦忍の仕事じゃないよね?」
「佐助」
「薄給だって文句一つ言わないんだから、俺様ホントできた忍だよねー。いやぁ、別に給料上げてほしいとか、そんなんじゃないから!」
「佐助」
「俺様みたいな優秀な忍がいて、旦那は幸せ者だね~!炊事洗濯情報収集、暗殺から子守まで何でもこなす!一家に一人猿飛佐助!ヒャッホゥ!」
「すわぁすけぇぇぇぇぇえええぇぇぇえぇええぇぇ!!!!」
「あーハイハイ!わかってますよ!わかりましたよ!わかっちゃいましたよ!いいじゃない!現実逃避するくらい!!」
空しい抵抗も意味をなさず、佐助は勢いよく立ちあがり、どしどしと幸村の元へ向かう。
先ほどとは別種の赤みで頬を染め、幸村は拳を握り締めていた。
先ほどとは別種の赤みで頬を染め、幸村は拳を握り締めていた。
「何なのだ!人の話をはぐらかしおってからに!真面目に聞けぃ!」
「…うん、もうね。旦那、親の心子知らずって言葉知ってる?」
「知ってるが、それがどうした」
「………………こうさ、今まで大事に大事に育ててきたお花を、見知らぬ無粋な輩に摘み取られるって言うか
鳶に油揚げかっさらわれるって言うか、そういう心境なの。俺様」
「?よく解らんが、元気を出せ」
「……………………で、話って、何」
「佐助、泣いておるのか」
「…うん、もうね。旦那、親の心子知らずって言葉知ってる?」
「知ってるが、それがどうした」
「………………こうさ、今まで大事に大事に育ててきたお花を、見知らぬ無粋な輩に摘み取られるって言うか
鳶に油揚げかっさらわれるって言うか、そういう心境なの。俺様」
「?よく解らんが、元気を出せ」
「……………………で、話って、何」
「佐助、泣いておるのか」




