「せっかく人が挨拶に来たってのによぉ。遅いから様子見にきたんだよ。You See?」
「そうでござったか。申し訳ありませぬ」
「別に謝るようなことじゃねぇよ。ホラ、食え」
「そうでござったか。申し訳ありませぬ」
「別に謝るようなことじゃねぇよ。ホラ、食え」
そう言って、手にしていた八橋を幸村の口へと運ぶ。
自然と恋人同士特有の甘ったるいような温かいような痒くなるような空気が流れはじめ、佐助は思わず顔をしかめた。
が、すぐに思い直す。
自然と恋人同士特有の甘ったるいような温かいような痒くなるような空気が流れはじめ、佐助は思わず顔をしかめた。
が、すぐに思い直す。
そうだ、旦那の幸せが何よりだって言ったばかりじゃないか
相手が竜の旦那だからって、それが何だ
そうだよ。旦那みたいなじゃじゃ馬の相手ができる男なんて、この人くらいじゃないか――――――
相手が竜の旦那だからって、それが何だ
そうだよ。旦那みたいなじゃじゃ馬の相手ができる男なんて、この人くらいじゃないか――――――
? 男?
「………………………アレ?」
「どうした、佐助?」
「いや、俺様、目ぇ疲れてるみたい」
「どうした、佐助?」
「いや、俺様、目ぇ疲れてるみたい」
佐助は、先ほど視界に入った「ありえない物体」を拒絶するように、目をゴシゴシと手の甲で擦った。
そして、もう一度、正面を見直す。
そして、もう一度、正面を見直す。
そこにあるのは、実に仲睦まじい恋人たちの姿だ。
幸村は普段とはうって変わって、慎ましい女子の着物を着ている。薄い緋色が、実によく似合っている。
髪もやや整えてあるようで、香を焚いたのか、ふわりと甘い果実のような香りがした。
幸村は普段とはうって変わって、慎ましい女子の着物を着ている。薄い緋色が、実によく似合っている。
髪もやや整えてあるようで、香を焚いたのか、ふわりと甘い果実のような香りがした。
その隣に立つ政宗も、戦場で見る戦装束ではない。
紺色に桔梗の柄をあしらった着流しだ。しかし、質素だが素人目にも一級品だということが分かる。
流石に腰にいつもの六爪はない。おそらく懐に短刀くらいは忍ばせているだろうが。
鋭い隻眼がいつもに比べて穏やかに見えるのは、隣に幸村がいるせいか。
紺色に桔梗の柄をあしらった着流しだ。しかし、質素だが素人目にも一級品だということが分かる。
流石に腰にいつもの六爪はない。おそらく懐に短刀くらいは忍ばせているだろうが。
鋭い隻眼がいつもに比べて穏やかに見えるのは、隣に幸村がいるせいか。
何もおかしいところは無い。
政宗が、今にもその豊満な乳房がこぼれそうなほどに、胸元を開いているのが気になるが。
…………………………乳房?
「竜の旦那」
「んだよ」
「その胸にひっついてる脂肪の塊は何」
「人の自慢のBsutに向かってなんつー言い草だ、テメェは」
「いやいやいやいやいやいや」
「巨乳なだけじゃねぇ。オマケに美乳だ」
「いやいやいやいやいやいや、そういう話じゃなくて」
「確かに、戦場じゃ拝める機会もそうねぇけどな」
「待って待って待って待って!!俺様は産まれてこの方、ここまで混乱したことはない!!!!!!」
「何がだよ!」
「んだよ」
「その胸にひっついてる脂肪の塊は何」
「人の自慢のBsutに向かってなんつー言い草だ、テメェは」
「いやいやいやいやいやいや」
「巨乳なだけじゃねぇ。オマケに美乳だ」
「いやいやいやいやいやいや、そういう話じゃなくて」
「確かに、戦場じゃ拝める機会もそうねぇけどな」
「待って待って待って待って!!俺様は産まれてこの方、ここまで混乱したことはない!!!!!!」
「何がだよ!」
平行線のまま、会話が進まない。
無意識に、佐助が現実を認めたくないせいでだが。
そこに、幸村が非情にも留めを刺した。
無意識に、佐助が現実を認めたくないせいでだが。
そこに、幸村が非情にも留めを刺した。
「佐助、もしや知らなかったのか?」
「何が!?」
「何が!?」
「政宗殿は女子であるぞ」
人は、あまりにも衝撃的な事実を見聞きすると、一種の現実逃避として、気を失う。
佐助もその例に漏れず、完璧に意識を深淵へと沈めていった。




