「あの小紋、まつに似合いそうだなぁ」
「まぁ、犬千代さまったら」
「じゃ、俺はちょっと夢吉とその辺見てくるからさ、仲良くやんなよ!」
「まぁ、犬千代さまったら」
「じゃ、俺はちょっと夢吉とその辺見てくるからさ、仲良くやんなよ!」
相変わらずの仲良し夫婦っぷりを見せ付けられ、
慶次が気を利かせて場を離れた。
慶次が気を利かせて場を離れた。
「あっ、おい、あんまり遠くへ行くなよ!」
「もう、慶次ってば…落ち着きのないこと」
「もう、慶次ってば…落ち着きのないこと」
残された二人は顔を見合わせ、仕方ない子だ、とくすりと笑った。
「犬千代さま、わたくしたちも二人で見物いたしましょうか」
「うん、そうだな!まつ、どこか見たいところはあるか?欲しい物はあるか?」
「うん、そうだな!まつ、どこか見たいところはあるか?欲しい物はあるか?」
着物でもかんざしでも香でも、欲しい物は何でも言ってみろ、
と顔を覗き込まれる。
考えた後、まつはためらいがちに、
と顔を覗き込まれる。
考えた後、まつはためらいがちに、
あの、わたくし、
あんみつが食べとうござりまする。
と言った。
少し恥ずかしそうに、主人と甘味処を交互に見つめる。
「おお、某もちょうど腹が減っていたところだ!」
利家が明るく答えた。
利家が明るく答えた。