あー言っちゃおうか。言っちゃう?
正直、幸村様の機嫌が悪いより、長の機嫌が悪い方が一大事だしな。
忍隊全員に被害が行って恨まれるよりは良いか。
「あの、拙いと言えば拙いのですが……あの。」
「ちょっと旦那何やってんの。」
からり、と音がして、無造作に御館様の大きな夜着を着た長が部屋から顔を出した。
「佐助!居たのか!」
ああああ――――もう、両方機嫌悪くなるとかそう言う……もう、勘弁して。
正直、幸村様の機嫌が悪いより、長の機嫌が悪い方が一大事だしな。
忍隊全員に被害が行って恨まれるよりは良いか。
「あの、拙いと言えば拙いのですが……あの。」
「ちょっと旦那何やってんの。」
からり、と音がして、無造作に御館様の大きな夜着を着た長が部屋から顔を出した。
「佐助!居たのか!」
ああああ――――もう、両方機嫌悪くなるとかそう言う……もう、勘弁して。
「居たのかじゃないでしょ。もー。」
「長、申し訳ありません。その……。」
長に駆け寄り謝りかけると、とん、と肩を叩かれた。
「ああ、気にしなくても良いよ。旦那のあれ、ワザとだから。」
小さい声でそう言うと長は俺の横を擦り抜けて幸村様の前に立った。
「長、申し訳ありません。その……。」
長に駆け寄り謝りかけると、とん、と肩を叩かれた。
「ああ、気にしなくても良いよ。旦那のあれ、ワザとだから。」
小さい声でそう言うと長は俺の横を擦り抜けて幸村様の前に立った。
ワザとって何が?そう思って二人の成り行きを見守る。
「俺、今日ちゃんと言ったよねえ?御館様のとこに行くってさ。」
「……。」
「ほら、剥れて無いでちゃんと答えてね。俺はちゃんと言って置いたよね。」
「言った。」
「なら、何で着たの?分ったって言ったでしょ。」
「その……忘れておったのだ。」
「俺、今日ちゃんと言ったよねえ?御館様のとこに行くってさ。」
「……。」
「ほら、剥れて無いでちゃんと答えてね。俺はちゃんと言って置いたよね。」
「言った。」
「なら、何で着たの?分ったって言ったでしょ。」
「その……忘れておったのだ。」
静かに問いただす長と、たどたどしく答える幸村様はまるで親子のようだった。
それにしても……騙されたのか俺、忍の癖に……
結構落ち込む……何か長に失恋するよりも傷ついた。
それにしても……騙されたのか俺、忍の癖に……
結構落ち込む……何か長に失恋するよりも傷ついた。
苦しい言い訳を続ける幸村様を見て、長はこれ見よがしなため息をついた。
「あーあ、何時の間に旦那はそんな狡い嘘つくような小物になったのかね?俺様すっごくがっかりした。」
「佐助……。」
「気に入らないなら、俺や御館様にそう言えば良いじゃない。 それを見計らったように邪魔しにくるなんてね。嘘までついてさ。」
其処まで言われてはもうぐうの音で無いらしく。幸村様は唇をかんで俯いていた。
「昔の真っ直ぐで可愛かった旦那は何処に行っちゃったのかなあ。ほんと残念。」
「本当にそうじゃな。」
「あれ、見つけちゃいました?出てこないようにこれ着てきたのに。」
キチンと着物を着こんで出てきた御館様を見て長はにやりと笑った。
「あーあ、何時の間に旦那はそんな狡い嘘つくような小物になったのかね?俺様すっごくがっかりした。」
「佐助……。」
「気に入らないなら、俺や御館様にそう言えば良いじゃない。 それを見計らったように邪魔しにくるなんてね。嘘までついてさ。」
其処まで言われてはもうぐうの音で無いらしく。幸村様は唇をかんで俯いていた。
「昔の真っ直ぐで可愛かった旦那は何処に行っちゃったのかなあ。ほんと残念。」
「本当にそうじゃな。」
「あれ、見つけちゃいました?出てこないようにこれ着てきたのに。」
キチンと着物を着こんで出てきた御館様を見て長はにやりと笑った。




