戦国BASARA/エロパロ保管庫

伊達×愛姫 5

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「お前が言ってんのは理屈だ。怒らないから本音で言ってみろよ。俺のこと厭じゃねぇの?」
「厭じゃありません。政宗さまには、厭になるようなところがありませんもの」
 振り上げた刃を躱されて、自分が盥に張った水を斬ろうとしているような気分になる。愛には捉えどこ
ろがない。
 翻弄するのは良いが、されるのは許しがたい。苛立ちをさらに募らせ、政宗はこんな嫁を貰うのではな
かったと後悔しながら、愛の円やかな頬を見つめた。滑らかで透き通るような色は、父が先頃手に入れた
高麗茶碗に似ていた。
「OK, だったら、左目はどうだ? 右目は見えなくて、左目は妙なことになってる。気持ち悪いだろ」
「妙……って?」
「瞳孔。黒目の真ん中の丸いのが、俺のは縦に長くなってる。瘡毒がこっちにも回ったんだか、高熱のせ
いか分かんねぇけど、疱瘡が治ったらこうなってたんだよ」
 眼帯の下、瞼は痘痕で醜く崩れている。奥に溜まった血膿を流すために、小十郎が短刀を突き立てた傷
跡も生々しく残っている。その奥で白く濁った右の目玉の存在は、普段は自分でも忘れている。
 右は物の怪の目で左は蛇の目と表したのは母だ。子供心には傷ついたが、現在は言い得て妙だと思える。
ごく一部の例外を除くと、他人は左目にも驚愕し、嫌悪するか畏怖するか。
「瞳孔が、縦に……? 存じませんでした。愛には見えませんでした」
「じゃあ見ろよ。jokeで言ってるんじゃないぜ」
 それを目にしたとき、愛はどんな顔をするのかとせせら笑いながら、政宗はいっそう前へと身を乗り出
した。
 小十郎からも喜多にも、徒にこのような真似をするのではないと止められたに違いない。我ながら悪趣
味だと思うが、愛の微笑みが消えて、顔が凍り付くのを見たくてたまらない。
 父が珍重する白磁の高麗茶碗は、茶会で用いられることもなく棚の奥で眠っている。大事すぎて使えな
いのだという。
 しかし政宗は、使えないものに意味を見出せない。いちいち気遣ってやらなくてはならないのならば、
いっそのこと叩き壊してしまいたい。
「では、拝見させてください……縦に長くなっているのですか」
 膝で絵巻物を踏まないよう躙り寄ってきた愛の、白磁の頬が近くなった。息を潜めてじっとこちらを見
つめる顔がどんなふうに陰るのかと、政宗も同じように息を詰める。


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