戦国BASARA/エロパロ保管庫

伊達×愛姫 9

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唖然として政宗が呟くと、愛はどうしました? と言うように小首を傾げた。
 愛らしい仕草にお似合いの可愛いらしい頭には、全く異なる常識が詰まっているらしい。一方は名ばか
りの夫婦と思い、もう一方が完全に夫婦だと信じているのなら、齟齬が生じるのも当たり前だ。
「innocentって、お前みたいなやつのこと言うのかもな」
 無垢で純粋で、限りなく愚かな。
 この世の善なるもののみを信じ、疑うことを知らずに、真綿に包まれるように大切に育てられたのだろ
う。恐らくは悪意を向けられた経験もなく、だから今、馬鹿にされたとも知らずに笑っている。
「ひとまず収穫はあった……愛がわけ分かんねぇ理由は察しがついたし。意味不明なのは同じだが、知っ
ているほうがいいな。まだましだ」
 自分を説き伏せるつもりで言い、溜息を吐くと、そう思いますと愛が引き受けた。
「今日も政宗さまのことを新しく知ることが出来て、愛は嬉しかったです」
「馬鹿。肝心なことは何も知らないじゃねぇか。調子に乗ってると、そのうち世界がひっくり返るぞ」
 愛の行動の礎は誤解で造られている。無知に呆れて溜息を重ねると、愛は表情を改めた。
「馬鹿だから、よけいに知りたいって思うんです。それに馬鹿だから、一度思い込んだことを変えられる
とは思えないんです。だから政宗さま、いつか愛に教えてください。愛が知らない政宗さまのことを、全
部」
 いつも笑みの絶えない顔からそれが消えると、やけに綺麗な目鼻立ちが際立つ。年齢よりも幼い印象も
なくなり、綻びかけたつぼみの如き危うい美しさに、目が奪われる。
 これまで関係した女たちとは全く違う、未知の生物。自然と動悸が激しくなり、政宗は忌々しさに舌打
ちして、両手で愛の頬を摘んだ。
「shut up. 寝言は寝てからにしろっての」
 フニャン、と妙な声を出して、愛は目を瞬いた。陶器のように滑らかな頬は柔らかく、伸ばすとどこま
でも伸びていきそうだ。
「白磁ってより、大福だな……痛くねぇの?」
 目だけで頷き、抵抗しないのをいいことに頬を引っ張ってみるが、この期に及んでも愛は可愛いままだ。
笑える顔にならない。早鐘を打つような心音に鼻白みながら、政宗はふと想像する。
 もし愛の内側に小豆餡が詰まっていたら。舌が痺れるくらい甘そうだ、噛みついたら痛くて泣くだろう
か。
「そんな生意気言ったこと、そのうち後悔させてやるぜ。絶対泣かす。許してって言っても許さねぇ」
 妄想を頭から追い出し、ついでに手も離すと、愛は目に見えて怯えた。


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