戦国BASARA/エロパロ保管庫

その後の二人5

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momo

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「さっちゃんはさ!幸村の子供、ちゃんと産みたいって頑張ってるんじゃない!」
慶次はこれみよがしに大きな溜め息を一つついた。
言う気は無かった。
例え立場は変わらなくとも幸村が佐助を唯一人の女とみているならば、余程の圧力が無い限り正妻や側室を迎える事は無いだろう。
ならば佐助は幸村の内縁の妻である事には変わりは無いのだ。

「普通は惚れた女が身篭ったら体の心配するもんなのに知っててヤりたがるなんて非常識だろ。」
「佐助は……危ないのか。」
「さあね。いくらこっちが友達のつもりでも身内以外にはそんな大事な事、教えちゃあくんないよ。」
ああ、もう。何てじれったい人達なんだろうね。
幸村も佐助もお互い大切で好き合ってるのなんて、俺には分かりすぎるぐらい分かるのに。
立場の違いのせいで幸村がどんなに押しても佐助は身を引いてしまう。

そして幸村には佐助を引かせない器用さが無く。
幸村の気持を簡単に受け流せるほど佐助は器用なんだろう。

「佐助は俺を本当は嫌いなのだ。」
幸村は暗い声でそう呟いた。
「分かっている。仕事だから、それ以外の理由で俺の側には居てはくれぬのだ。だが、嫌だ。佐助が欲しかった。どうあっても俺のものだと言いたかった。」
「幸村?」
今にも泣き出しそうだ。
震えるような声に幸村の顔を覗き込む。
泣いては居ないものの、初めて見る幸村の暗い顔に慶次はどうして良いか分からなかった。

「手に入れた時は嬉しかった。だがその時だけだ。幾ら抱いても、俺の子を宿しても尚、佐助は遠い。」
「何言ってんの。さっちゃんは。」
「俺が子供だからか?下手だからか?佐助を満足させたら少しは男として見てくれるのか?」
「はいはい。そこまで~。」

ぱんぱん、と手を打つ音に振り替えると、何時の間に来たのだろう。
佐助が部屋の隅に座っていた。

「さっちゃん?」
「……あ、さ、佐助……。体は平…気なのか?」
佐助は先日会った時とはまた違う、少し軽そうな着物を着ていた。
驚く二人に少し困ったような顔で笑うと、佐助は両手を前に出して言った。

「ほんとにもう、仕方ないなあ。旦那、おいで。」
引き寄せられるように幸村はふらふらと佐助に歩みより、その腕の中に収まった。
まるで子供が母親にすがりつく様に肩に埋められた幸村の頭を、佐助はあやすように撫でた。
「悪いね。風来坊。迷惑をかけた。」
幸村をあやしながら、佐助は慶次に笑いかけた。
「いや、俺は全然……。平気なの?」
「良くは無いけど、これ以上は仲裁に入って貰ってもね。」
佐助がちらりと幸村を見る。困ったような、でも柔かい、優しげな表情にほっとする。
佐助はちゃんと、多分先日自分が思った以上に幸村を好きなのだと確信出来たから。



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