ゆきは森にいた。
二人の体液で汚れた女物の着物を脱ぎ、用意していた服に着替える。
「よう佐助。色狂いのてめぇも形なしだな」
「ああ。どうもわざわざ」
着替えるゆきは何かを、方向も確認せず、ほおった。
男がそれを片手で受け取る。
「コレが書簡か……ち、たいしたことは書いてねぇな」
「ね。とんだくたびれもうけ」
ゆき、いや佐助とよばれる少女は男の目も気にせず全裸になり着替えた。
その姿。
動きやすい短めの着物。さらしで留めた胸。
明らかに宿場町の女のなりではなかった。
そう、それはまるで闇に生きるもの。
二人の体液で汚れた女物の着物を脱ぎ、用意していた服に着替える。
「よう佐助。色狂いのてめぇも形なしだな」
「ああ。どうもわざわざ」
着替えるゆきは何かを、方向も確認せず、ほおった。
男がそれを片手で受け取る。
「コレが書簡か……ち、たいしたことは書いてねぇな」
「ね。とんだくたびれもうけ」
ゆき、いや佐助とよばれる少女は男の目も気にせず全裸になり着替えた。
その姿。
動きやすい短めの着物。さらしで留めた胸。
明らかに宿場町の女のなりではなかった。
そう、それはまるで闇に生きるもの。
「そうでもないだろう。結構本気で感じてたんだろう?」
「ああ…まぁ悪くはなかったかも」
「ああ…まぁ悪くはなかったかも」
色仕掛けで片倉小十郎を誘惑し
隙を突いて、書簡を奪う手はずだった。
そういう依頼だった。この男は里の佐助より年長の忍だ。
今回の仕事の後見人でもある。
隙を突いて、書簡を奪う手はずだった。
そういう依頼だった。この男は里の佐助より年長の忍だ。
今回の仕事の後見人でもある。
「まだ若いみたいだけど、あと5年もすりゃ、女泣かせの武将になるかもね」
さも興味がなさそうに佐助は身づくろいを追え、顔に変装時塗るドーランをふき取った。
あわられる両頬と鼻の上の三箇所の翠の刺青。
さも興味がなさそうに佐助は身づくろいを追え、顔に変装時塗るドーランをふき取った。
あわられる両頬と鼻の上の三箇所の翠の刺青。
「てめぇ、今までスキモノみてーに振舞ってたが、存外アレがすきでもないんだって?」
男が佐助の身体を後ろから掴む。
「…そんなことないってば」
佐助はにこりと微笑んだ。
「何が『中で出して』だ。てめぇはまだ月の物も来てないガキだってのに。
孕みようがねぇだろ」
「んーでも、ほしかったんだもん」
「は、よくいうぜ」
男が佐助の身体を後ろから掴む。
「…そんなことないってば」
佐助はにこりと微笑んだ。
「何が『中で出して』だ。てめぇはまだ月の物も来てないガキだってのに。
孕みようがねぇだろ」
「んーでも、ほしかったんだもん」
「は、よくいうぜ」
男は佐助の着物の裾から手をつっこんだ。
「俺にもやらせろよ。アイツよりよくしてやる」
佐助と小十郎の情交を監視していたせいで、熱を帯びた男は佐助の女陰に触れた。
「俺にもやらせろよ。アイツよりよくしてやる」
佐助と小十郎の情交を監視していたせいで、熱を帯びた男は佐助の女陰に触れた。
が、しかし素早く手を引いた。
「あれ?やんないの?」
「てめぇ。この馬鹿が。感じすぎてついに女になりやがったか」
「は?」
よく見ろ。
そういわれ、佐助は自分の股間を確かめた。
先程、小十郎が放った子種の残滓の白に混じって赤黒い血がぽたり、と腿に伝う。
「げ。コレ、月の…?」
「片倉に小突かれて小突かれて、てめぇの女が反応したんだろ。
あー萎えた。帰るぞ」
「うそぉ…しんじらんね」
言葉以上に佐助は狼狽した。
まさか、そんな、でも。俺が、俺様が。あんな奴と交わったのがきっかけなの?
「あれ?やんないの?」
「てめぇ。この馬鹿が。感じすぎてついに女になりやがったか」
「は?」
よく見ろ。
そういわれ、佐助は自分の股間を確かめた。
先程、小十郎が放った子種の残滓の白に混じって赤黒い血がぽたり、と腿に伝う。
「げ。コレ、月の…?」
「片倉に小突かれて小突かれて、てめぇの女が反応したんだろ。
あー萎えた。帰るぞ」
「うそぉ…しんじらんね」
言葉以上に佐助は狼狽した。
まさか、そんな、でも。俺が、俺様が。あんな奴と交わったのがきっかけなの?
佐助は、物心付いた時から忍びだった。
女だったが、その実力は里でも抜きん出ていた。
有能すぎて、くのいちではもったいないと戦忍として教育された。
理由は簡単。戦忍のほうが儲かるからだ。
女だったが、その実力は里でも抜きん出ていた。
有能すぎて、くのいちではもったいないと戦忍として教育された。
理由は簡単。戦忍のほうが儲かるからだ。
もちろん、女技も幼い頃から仕込まれた。
コレも免許皆伝の腕前だったが、佐助自身は性交が、とくに挿入が好きではなかった。
発育が遅いせいで、月の物が来ないせいか濡れが十分ではなく、
性交痛があった。それでも完璧な演技と我慢でこなしていた。
コレも免許皆伝の腕前だったが、佐助自身は性交が、とくに挿入が好きではなかった。
発育が遅いせいで、月の物が来ないせいか濡れが十分ではなく、
性交痛があった。それでも完璧な演技と我慢でこなしていた。
小十郎の言った事は当たりだ。
自分は色狂いを演じているに過ぎない。
相手を手玉に取るのが楽しいと感じるときはある。
だれとでもほいほい寝るほうが物事が簡単に運ぶ。というかもとより忍びに貞操観念は不要だ。
佐助にとって寝ることは、諜報活動や、外交手段の一つでしかなかった。
相手を手玉に取るのが楽しいと感じるときはある。
だれとでもほいほい寝るほうが物事が簡単に運ぶ。というかもとより忍びに貞操観念は不要だ。
佐助にとって寝ることは、諜報活動や、外交手段の一つでしかなかった。
でも、今回は…。完璧に演じたはずが、なぜか小十郎に見破られた。
佐助は空を仰いだ。
闇の中にはぽかりと浮かぶ下限の月。
「まって、ねぇ」
「なんだ。早く帰るぞ」
「あんたでいいや。今の俺と試しに寝てみない?」
闇の中にはぽかりと浮かぶ下限の月。
「まって、ねぇ」
「なんだ。早く帰るぞ」
「あんたでいいや。今の俺と試しに寝てみない?」
正体不明の感情の正体をつきとめんと、佐助は男に跨った。