「アニキ…いや、『お嬢』!」
将の言葉を聞いて、長曾我部軍は元親をかつての呼称で叫んだ。
「いいんだ。お前らも、今まで本当に良くついてきてくれた。故郷(クニ)には弟もいる事だし、俺がいなくても長曾我部は大丈夫だ。今回の敗戦は、頭である俺の不始末。その落とし前はつけなきゃなんねぇ」
「お嬢!」
「姫!」
「ほぉ。覚悟は出来ている、という訳か」
見下すように自分を眺めてくる元就に、元親は一度だけ唇を噛み締めたが、屹然と向き直った。
「覚悟がなけりゃ、戦場(いくさば)になんて立たねぇ。アンタもそうじゃないのか?」
「──判ったような口をききおって。自分がこれから、どのような目に遭うかも知らずに…」
「何…?」
含みのある物言いに、元親が訝しがる間もなく、元就の手が元親の上着を引き裂いた。
「やぁっ!?」
先程の戦闘で既に切れかかっていたそれは、呆気なく元親の身体から破れ落ちていく。
「フン。先程まで、我に向かって偉そうに喚き散らしていた者とは思えぬ声だな」
服の切れ端を投げ捨てながら、元就はすっかり露になった上半身を、必死で両の腕で隠している元親に冷笑を送る。
その大柄な体躯に勝るとも劣らない元親の豊かな乳房は、腕の隙間から隠し切れずに零れ始めていた。
先刻よりも更に顔を紅潮させて、周囲の視線から避けるように身を縮ませている元親に、元就は尚も言葉を続けた。
将の言葉を聞いて、長曾我部軍は元親をかつての呼称で叫んだ。
「いいんだ。お前らも、今まで本当に良くついてきてくれた。故郷(クニ)には弟もいる事だし、俺がいなくても長曾我部は大丈夫だ。今回の敗戦は、頭である俺の不始末。その落とし前はつけなきゃなんねぇ」
「お嬢!」
「姫!」
「ほぉ。覚悟は出来ている、という訳か」
見下すように自分を眺めてくる元就に、元親は一度だけ唇を噛み締めたが、屹然と向き直った。
「覚悟がなけりゃ、戦場(いくさば)になんて立たねぇ。アンタもそうじゃないのか?」
「──判ったような口をききおって。自分がこれから、どのような目に遭うかも知らずに…」
「何…?」
含みのある物言いに、元親が訝しがる間もなく、元就の手が元親の上着を引き裂いた。
「やぁっ!?」
先程の戦闘で既に切れかかっていたそれは、呆気なく元親の身体から破れ落ちていく。
「フン。先程まで、我に向かって偉そうに喚き散らしていた者とは思えぬ声だな」
服の切れ端を投げ捨てながら、元就はすっかり露になった上半身を、必死で両の腕で隠している元親に冷笑を送る。
その大柄な体躯に勝るとも劣らない元親の豊かな乳房は、腕の隙間から隠し切れずに零れ始めていた。
先刻よりも更に顔を紅潮させて、周囲の視線から避けるように身を縮ませている元親に、元就は尚も言葉を続けた。