戦国BASARA/エロパロ保管庫

蝶と狂2

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
私は引き金を引けなかった。
油断な筈は無い。
銃口の先に見えたのはあの日の思い出。

彼の刃には迷いが無かった。首を易々と切り裂かれ、私は声も出せず崩れ落ちる。ただし、闇だけに切られて。

気がつけば山崎の陣営か。松明に照らされた横顔は人間らしさを見せていない。
私は後ろ手を縛られているだけで、くつわを噛まされているわけでもなく、彼と会話する事も出来る。
周りに他の兵士は見当たらない。


「あなたとまた、こうしてゆっくり話す事が出来て光栄ですよ…」
彼の言葉は耳には入らない。本当は憎い筈なのに、彼への殺意は芽生えなかった。
あるのは、羞恥の感情。
「…殺して…」
「は?」
「殺しなさい光秀!」
既に誇りなどない。魔王の嫁として嫁ぎ、幾度となく戦場に出ても、大した事は出来なかった。一生尽くすと決めた、その相手から出た言葉は、
無能
所詮は女
愚か者
それでも私は尽くした。少しでも「愛」を感じられるなら。

「私、お嫁さんになったらその人が喜ぶ事を沢山してあげて、それから…」

純粋な幼子の、乙女の夢はもう消えた。
今思えば異性からの愛など感じた覚えが無い。父でさえ、斎藤の為の道具としか見てくれなかった。

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