戦国BASARA/エロパロ保管庫

蝶と狂と聖(しょう)

最終更新:

Bot(ページ名リンク)

- view
だれでも歓迎! 編集
蝶と狂と聖

私はただ、普通の女として「愛」を享受したかった。


「何を言い出すかと思えば…」
光秀の表情は髪に隠れて良く見えない。

「殺しなさいよ…」
「何故死に急ぐのですか?」
「あなたなんかに情けをかけられる位なら、死んだ方がマシよ!」
「おや…月並みな…」
鬱陶しげに手を振って見せる。
「そんなに信長公が大事で…?」
「そうよ!上総助様に世話を掛ける位なら死んだ方がマシ!」
少しだけ光秀の表情が歪んだ気がした。

何故か感情が収まらなかった。始めて胸に秘めた事を口にした。
「私は…役立たずの…」
「…」
「誰も…私を愛してくれないもの…」
彼は、沈黙。


「光秀…?あなた私を殺さないんでしょう…?」
心の抜けた声で、人形に語るように語る。感情が壊れているのか、涙を流したままで。
「私を好きにしてみる…?ほら…まだ私経験なんてないわよ…」
「…」
「誰もこんな女振り向かないもの…」
「…」
「あなたの趣味でいいわ…裸にして犬にでも犯させるのかしら?…それとも手足を切って見世物にでもする…?」
「…」
「それも嫌なの?なら…」
「帰蝶!」

久しぶりに聞いた、「あの人」の言葉。
「?!」
駆け寄り、私の顔を覗く。
「あなたは!こうされたいのでしょう!」
私の顔を持ち上げ、引き寄せた。

始めて私の唇に、他人の唇が触れた。

温かくって、柔らかくって、あの人の腕に抱かれたみたいな、幸せな感触。

「光秀が…帰って参りました…」
「み…つ…ひ…で?」
「あの人」としての明智光秀を、始めて名前で呼んだ気がする。
英雄の瞳、気品溢れる風格。
かつての俊才、信長と唯一渡り合える聖人が、そこに居た。
私は私に戻る。
蝶と聖(しょう)

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
ウィキ募集バナー