幸村が待っている部屋まで近づくと話し声が聞こえて来た。
どうやら客人がいるようだ。
部屋を遮る襖の前で立ち止まるとゆっくりと襖を開ける。
「真田隊、猿飛佐助、只今参りました」
敷板は跨がずに廊下で待機する。
幸村一人なら普段はこのような形式めいた事はしないのだが
客がいる手前幸村の部下としての立場をしっかり示した。
「佐助、顔を上げよ。佐助もこちらで座ると良い」
「御意」
幸村の言葉で室内に入ると適当な距離を置き正座してから
改めて客人の顔を見る。
「お久しぶりですな。佐助殿」
幸村と対面するように座る初老の男。
白髪混じりの髪をきっちりと結い上げ顔にも数本の
皺が刻まれてはいるが顔立ちから若い頃はなかなかの
美男子だったろうと伺える容姿をしている。
物腰や紳士的な態度からもさぞやモテたであろう。
(・・・これはまた意外な人が)
「お久しぶりです。大熊殿」
佐助は男・・・大熊朝秀に頭を下げた。
かつては上杉軍の中でもこの人ありと言われ勇猛な武将。
だが意見の対立により上杉を去り、今では武田軍として
その才能を発揮している
かすが凌辱16
どうやら客人がいるようだ。
部屋を遮る襖の前で立ち止まるとゆっくりと襖を開ける。
「真田隊、猿飛佐助、只今参りました」
敷板は跨がずに廊下で待機する。
幸村一人なら普段はこのような形式めいた事はしないのだが
客がいる手前幸村の部下としての立場をしっかり示した。
「佐助、顔を上げよ。佐助もこちらで座ると良い」
「御意」
幸村の言葉で室内に入ると適当な距離を置き正座してから
改めて客人の顔を見る。
「お久しぶりですな。佐助殿」
幸村と対面するように座る初老の男。
白髪混じりの髪をきっちりと結い上げ顔にも数本の
皺が刻まれてはいるが顔立ちから若い頃はなかなかの
美男子だったろうと伺える容姿をしている。
物腰や紳士的な態度からもさぞやモテたであろう。
(・・・これはまた意外な人が)
「お久しぶりです。大熊殿」
佐助は男・・・大熊朝秀に頭を下げた。
かつては上杉軍の中でもこの人ありと言われ勇猛な武将。
だが意見の対立により上杉を去り、今では武田軍として
その才能を発揮している
かすが凌辱16