糸に吊るされ、少年の身体は宙に浮く。
かろうじて自由な両の手で懐から短刀を抜こうとする…
「やらせぬ!」
暗器を短刀めがけて投げつければ、安易に地面に金属音が鳴り響いた。
落ちてきた得物を邪険そうに足で払い、木々の生い茂る場所へと飛ばされる。
かろうじて自由な両の手で懐から短刀を抜こうとする…
「やらせぬ!」
暗器を短刀めがけて投げつければ、安易に地面に金属音が鳴り響いた。
落ちてきた得物を邪険そうに足で払い、木々の生い茂る場所へと飛ばされる。
「……がぅぐ………」
細糸できつく締め上げ、うなり声をあげる少年の意識が飛ぶのは時間の問題だろう。
やがて力が抜けきろうというときに開放してやる。身体が音を立てて落ちてきた。
息をつこうと咳き込む少年の腹に拳を一撃、更にのしかかり呼吸を妨害する。
暗器を喉笛に押し当て、改めて顔を覗き込むと――焦点の定まらない眼は微かに弧を描いていた。
細糸できつく締め上げ、うなり声をあげる少年の意識が飛ぶのは時間の問題だろう。
やがて力が抜けきろうというときに開放してやる。身体が音を立てて落ちてきた。
息をつこうと咳き込む少年の腹に拳を一撃、更にのしかかり呼吸を妨害する。
暗器を喉笛に押し当て、改めて顔を覗き込むと――焦点の定まらない眼は微かに弧を描いていた。
何故、笑っている…?
途端に思い出したのは自害しようとしていたあの光景。
こいつは自ら死のうとしたのだ。自分はその行為を助勢しているに過ぎない。
では、自分は少年をどうしたいのか?
途端に思い出したのは自害しようとしていたあの光景。
こいつは自ら死のうとしたのだ。自分はその行為を助勢しているに過ぎない。
では、自分は少年をどうしたいのか?
――ただ、憎い。
あの方の姿を映した瞳が憎い。
あの方の声を聞いた耳が憎い。
あの方に触れられた身体が憎い。
あの方の興味をそそった、存在が憎い―――
あの方の姿を映した瞳が憎い。
あの方の声を聞いた耳が憎い。
あの方に触れられた身体が憎い。
あの方の興味をそそった、存在が憎い―――