心のときめきをもちつつ、城へ着く。
「父上…ただ今…可愛が戻りました…」
彼女の印象は昔のままで、家臣団は「我らの姫様が帰って来た!」と到着を喜んだ。
病と称し戻って来たため、あまり大っぴらにははしゃげないが、それでもちょくちょく城下に足を運び彼女の存在は再び大きくなった。
病と称し戻って来たため、あまり大っぴらにははしゃげないが、それでもちょくちょく城下に足を運び彼女の存在は再び大きくなった。
その一方で夜な夜な、父の寝床へ足を運んだ。
父が起きているかなど関係ない。
「あ…父上…また下さるのですね…」
体を乗せれば、父は必ず精を与えた。
父が起きているかなど関係ない。
「あ…父上…また下さるのですね…」
体を乗せれば、父は必ず精を与えた。
そんな日が続き、数ヶ月立つ。
近頃、城内、城下に異変が起きていた。
可愛の姿が、無い。
「最近姫様はどうなさったのだろう…」
「まさか病気が…」
家臣団と農民、誰一人として彼女の身を案じない者はいなかった。城門には毎日、見舞い品が届けられる程である。
彼女は父とは違い、仁徳を持つ。毛利軍の将には無い存在。それが彼女の存在を更に大きくしていた。
「まさか病気が…」
家臣団と農民、誰一人として彼女の身を案じない者はいなかった。城門には毎日、見舞い品が届けられる程である。
彼女は父とは違い、仁徳を持つ。毛利軍の将には無い存在。それが彼女の存在を更に大きくしていた。
では実際彼女は。
梅雨の季節に入り、風情ある庭と雨を見ながら自室の縁側に佇む女性。
流れる黒髪。
幼い顔立ち。
際立つのは大きな、透き通った瞳で、これは彼女が人なつっこいような感覚を与えるだろう。
流れる黒髪。
幼い顔立ち。
際立つのは大きな、透き通った瞳で、これは彼女が人なつっこいような感覚を与えるだろう。
最近は溜め息ばかりついていた。
「はぁ…遊びたいな…せっかく帰ってきたのに…」
まるで幼子の溜め息。呟く言葉まで幼い。
自室から出られない理由は自業自得による。最近、この部屋に出入り出来るのは最も信頼できる女中と、父だけ。
「はぁ…遊びたいな…せっかく帰ってきたのに…」
まるで幼子の溜め息。呟く言葉まで幼い。
自室から出られない理由は自業自得による。最近、この部屋に出入り出来るのは最も信頼できる女中と、父だけ。
「昼間は父上帰って来られないし…」
紫陽花などをぼーっと眺め、自らの腹をさすった。
大きくなった腹を。
紫陽花などをぼーっと眺め、自らの腹をさすった。
大きくなった腹を。
もう解ると思うが、彼女は身ごもってしまったのだ。相手は禁断の。
宍戸の子な訳がない。なにしろ体を許した相手は父だけだ。
「おっぱいも出るようになっちゃった…」
以前より少し胸が膨らんでいる。元々小さいサイズでは無かったので、今は少々大きい程だ。
この体になってしまったせいで退屈が増えた。だが一年の時間を貰った事は正解だ。
あちらにいる時にこうなればとんでもない事になってしまう。
「あ~早く夜にならないかな…」
夜に何があるかは後述しよう。
兎に角、
彼女は、
暇をもてあましていた。
宍戸の子な訳がない。なにしろ体を許した相手は父だけだ。
「おっぱいも出るようになっちゃった…」
以前より少し胸が膨らんでいる。元々小さいサイズでは無かったので、今は少々大きい程だ。
この体になってしまったせいで退屈が増えた。だが一年の時間を貰った事は正解だ。
あちらにいる時にこうなればとんでもない事になってしまう。
「あ~早く夜にならないかな…」
夜に何があるかは後述しよう。
兎に角、
彼女は、
暇をもてあましていた。