戦国BASARA/エロパロ保管庫

市毛3

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元就は、自身は醜いものと信じている。
枯れ枝のように痩せ細った手足と、浮き出るあばらを覆う皮膚は
まるで死んだ魚の目のように生白い。
双眸は片割れ月のように忌々しく細く、睫毛ばかりが見通す先を邪魔するかのように濃い。
兵達は、こんな自分を『美しい』と言って抱くが、それも女に餓えた男の詭弁なのだろう。

どうせ美しくないのならば、せめてもっと上背があり、男のように筋に優れていたのならよかった。
それならば武器を振るい、戦場を掌握するのにも役立った事だろう。
しかし、実際は元就の願いとは真逆に、武術の鍛錬をすればするほど身は細るばかりである。
『忌々しい。口惜しい事よ。』

元来、彼女は女である事自体が疎ましかった。
強くなって、愛する家族を守る。それが幼い時分からのたったひとつの願いであった。
母は元就が物心つくかつくないかの内に他界し、父も心労の末、酒に溺れて死んだ。
どちらも、遠い記憶を辿れば彼女を見つめる優しい瞳しか思い出せぬ。
育ての母も彼女を全霊を持って愛してくれた。
居城が分かれてからはめったに会うことは出来なくなったが、それでも顔を合わせれば
この上なく優しい笑顔で迎えてくれた兄も愛していた。

ただ、皆…優しい人であったから…

この乱世では駆逐されるばかりなのであろう。
元就を置いて、愛する者は全て早くに亡くなった。
穏やかで春の陽だまりのような彼らを、幼い姫である元就は守る事も支える事も出来なかった。
元就は、悔やんで、悔やんで、何故この身が頼れる、力のある男子ではなかったのか、
大きな才のある大人ではなかったのかと自らを疎んだ。
そして、せめて愛する者が残した地を、国を守ろうと刃を取ったのである。
穏やかであればすぐに屠られる。心を凍てつかせて、元就は毛利家総大将の道を選んだ。

醜いばかりのこの体だが…
それでも、一つだけ好ましい部分があった。
兄と、同じ目の色。濃い琥珀色の瞳で世界を見れば、兄が見た風景が見えるだろうか。
爽やかな風に揺れる、野原の白い花のような興元にいさま。
それを想うと少しだけ頬が緩むのを感じる。

だが、今は…

その愛しい色の瞳に濃く影を乗せ、眼前の敵を見据える。
口先だけの正義を語る浅井長政とその妻、汚れた女・市。
毛利の行く末を安らかなものにするために、まずはここを完全に落とさねば成らぬ。
元就は、輪刀を握る手に力を込めた。

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