市と長政が言葉を交わしている間にも、元就は闇の腕によって追い詰められていた。
いまや袴もすっかり破り捨てられ、ずり下げられた上着が肘に引っ掛かるだけである。
元就の腕は、体を隠そうとしたところを触手に捕まれ、自身の前で拘束された。
折り曲げられ、結果自らの乳房を持ち上げ強調するような格好になり、また屈辱を深める。
戦場で駆けても足を痛めないようにとしつらえた頑丈な履物を残して、元就の下肢はあらわになっている。
立ち膝で座り込まされ、大きく広げられた脚の間に、わらわらと細い闇の指が群がっていた。
ここ数ヶ月の間に半ば強引に性事に順応させられた元就の体は、
それでも触手が這うたびにひくり、ひくりと反応を示す。
元就の細い指と同じぐらいの触手が、彼女に膣に潜り込んでくる。
長くのびたそれは、細いだけに痛みを与えず、不快感は冷たさだけで元就に快感をもたらす。
「…っ、ふ…ぅ…」
自身の口から漏れる声は、明らかにはしたない女のそれで、早まる心臓の音と共に耳にいやに響く。
いっそ先ほどのように口を塞がれればいいのだが、その願いとは逆に、
闇の指は元就の唇を広げてくる。声を、とねだるように。
不定形の闇は、生身の男根とは違って、元就の膣の狭さに合うように形を変えて潜ってくる。
細い指が徐々に増え行き、押し広げられる性器がただ快楽ばかりではなく──痛みを、訴え始めてきた。
「!…あっ…ぃ…痛…うぅっ…」
いつの間にか触手でいっぱいになった膣道ごと、肢体を激しく上下に揺さぶられ、
唇を噛んで耐えることも難しい。
背後にざわつく自軍の兵達の息遣いが聞こえる。
恐ろしくて首を振り確認することは出来ないが、随分と荒くなっているようだ。
「あっ!あぅ、あああっ!」
貫かれる痛みとは別に、優しく陰核を摘ままれ、びりびりと腰にくる快感に嬌声をとめられない。
声を、聞かれている。望んでもいない溢れる愛液が掻き回される淫らな音とともに。
羞恥に焼ける元就の脳髄を、市がまた優しい声音で侵してくる。
「気持ちいいのね。…こんなに濡れちゃってる」
「そのような、事が、あるか…あ…っ、うぁ…」
強がりは甘く溶ける語尾に否定され、ぎりりと苛む膣の痛みすら快楽に変わっていく。
いまや袴もすっかり破り捨てられ、ずり下げられた上着が肘に引っ掛かるだけである。
元就の腕は、体を隠そうとしたところを触手に捕まれ、自身の前で拘束された。
折り曲げられ、結果自らの乳房を持ち上げ強調するような格好になり、また屈辱を深める。
戦場で駆けても足を痛めないようにとしつらえた頑丈な履物を残して、元就の下肢はあらわになっている。
立ち膝で座り込まされ、大きく広げられた脚の間に、わらわらと細い闇の指が群がっていた。
ここ数ヶ月の間に半ば強引に性事に順応させられた元就の体は、
それでも触手が這うたびにひくり、ひくりと反応を示す。
元就の細い指と同じぐらいの触手が、彼女に膣に潜り込んでくる。
長くのびたそれは、細いだけに痛みを与えず、不快感は冷たさだけで元就に快感をもたらす。
「…っ、ふ…ぅ…」
自身の口から漏れる声は、明らかにはしたない女のそれで、早まる心臓の音と共に耳にいやに響く。
いっそ先ほどのように口を塞がれればいいのだが、その願いとは逆に、
闇の指は元就の唇を広げてくる。声を、とねだるように。
不定形の闇は、生身の男根とは違って、元就の膣の狭さに合うように形を変えて潜ってくる。
細い指が徐々に増え行き、押し広げられる性器がただ快楽ばかりではなく──痛みを、訴え始めてきた。
「!…あっ…ぃ…痛…うぅっ…」
いつの間にか触手でいっぱいになった膣道ごと、肢体を激しく上下に揺さぶられ、
唇を噛んで耐えることも難しい。
背後にざわつく自軍の兵達の息遣いが聞こえる。
恐ろしくて首を振り確認することは出来ないが、随分と荒くなっているようだ。
「あっ!あぅ、あああっ!」
貫かれる痛みとは別に、優しく陰核を摘ままれ、びりびりと腰にくる快感に嬌声をとめられない。
声を、聞かれている。望んでもいない溢れる愛液が掻き回される淫らな音とともに。
羞恥に焼ける元就の脳髄を、市がまた優しい声音で侵してくる。
「気持ちいいのね。…こんなに濡れちゃってる」
「そのような、事が、あるか…あ…っ、うぁ…」
強がりは甘く溶ける語尾に否定され、ぎりりと苛む膣の痛みすら快楽に変わっていく。
ふと元就は、少しだけ残る理性に疑問を浮かべる。
これは…いつになったら果てるのだ…?
通常の性交ならば、男が達すれば…それが何回か繰り返されようともいつかは終わる。
だが、この世のものではない闇の手どもは、生身と違って精を放つ、という事もないだろう。
これは…いつになったら果てるのだ…?
通常の性交ならば、男が達すれば…それが何回か繰り返されようともいつかは終わる。
だが、この世のものではない闇の手どもは、生身と違って精を放つ、という事もないだろう。
果てが、ないのか。
この女の言う通り、熱を与えさせられ続けて、…いつか奪われ尽きるまで、
この女の言う通り、熱を与えさせられ続けて、…いつか奪われ尽きるまで、
────死ぬまで?
元就の瞳に恐怖が宿る。
快感以外の感情で、ぞわりと皮膚が粟立つ。
こんな場所で、こんな理由で死ぬのか。元就は絶望に舌を震わせる。
「ああ…っ」
卑しい液体をまき散らして、自軍の兵に堕ちた姿を見せつけたまま?
何より、家を、国を守りきる事が出来ぬまま?
快感以外の感情で、ぞわりと皮膚が粟立つ。
こんな場所で、こんな理由で死ぬのか。元就は絶望に舌を震わせる。
「ああ…っ」
卑しい液体をまき散らして、自軍の兵に堕ちた姿を見せつけたまま?
何より、家を、国を守りきる事が出来ぬまま?
白い顔をさらに青白くさせた元就を見て市は、違うわ、と彼女を考えを否定する。
「殺すなんて…命を奪う気なんてないわ。安心して」
そういう市の顔はすこし困って、本心から元就を心配するような表情を見せる。
「市は、市はね、あなたに楽しいコトを教えたいだけなの。
あなた可哀想…みんなあなたのこと大好きなのに。
苦しいのは、あなたがあなた自身を追い詰めているからなのよ…?
ね、ほら…認めて。
そうすればもっと、楽しくなるから…」
「殺すなんて…命を奪う気なんてないわ。安心して」
そういう市の顔はすこし困って、本心から元就を心配するような表情を見せる。
「市は、市はね、あなたに楽しいコトを教えたいだけなの。
あなた可哀想…みんなあなたのこと大好きなのに。
苦しいのは、あなたがあなた自身を追い詰めているからなのよ…?
ね、ほら…認めて。
そうすればもっと、楽しくなるから…」
優しい、ただ優しい市の声に安堵する心を抑えられない。
けれど、まだ冷える理性がそれを否定する。
いけない。信じるな。このままでは心まで持って行かれる。
いつかは、この状況から抜け出る隙が訪れるはずだ。
その合図を見逃すことのないよう、気をしっかりと保たねば。
そうだ…体の痛みなど、なんでもない。心すら、例え屈辱にまみれても守るものがあれば…
忘れなければ、大切なものがある事をしかと焼き付けたままでいれば、
蹂躙される屈辱になど心折れる事はない。
せいぜい卑しい快楽に浸るがいい。
この下賎のものどもめ。
けれど、まだ冷える理性がそれを否定する。
いけない。信じるな。このままでは心まで持って行かれる。
いつかは、この状況から抜け出る隙が訪れるはずだ。
その合図を見逃すことのないよう、気をしっかりと保たねば。
そうだ…体の痛みなど、なんでもない。心すら、例え屈辱にまみれても守るものがあれば…
忘れなければ、大切なものがある事をしかと焼き付けたままでいれば、
蹂躙される屈辱になど心折れる事はない。
せいぜい卑しい快楽に浸るがいい。
この下賎のものどもめ。
また強い意志を取り戻し始めた元就の目の輝きをみて、
市はくすりと笑う。
これから元就に教え込む、快楽の海の暖かさを思って。
あらゆる手段でその白い体に染み込ませよう。逃げられないよう…
いや、自ら望んで留まるように仕立て上げるのだ。
「あなたに、愛し愛される喜びを、教えてあげる…」
その言葉に元就は強い視線を投げてくる。けれど市は、くく、と笑って喉を鳴らすばかり。
市はくすりと笑う。
これから元就に教え込む、快楽の海の暖かさを思って。
あらゆる手段でその白い体に染み込ませよう。逃げられないよう…
いや、自ら望んで留まるように仕立て上げるのだ。
「あなたに、愛し愛される喜びを、教えてあげる…」
その言葉に元就は強い視線を投げてくる。けれど市は、くく、と笑って喉を鳴らすばかり。




