戦国BASARA/エロパロ保管庫

瀬戸内のカイとゲルダ44

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bsr_e

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「だが、暫くの間は大人しくしていろ。婚礼早々に四国に戻るようでは、我の面
子が立たぬ。それに、多少は妻らしい事もして貰わねばな」
「妻らしい事?」
「そうだな…手っ取り早く世継ぎを産んで貰う、というのはどうだ?」
「えぇ!?そ、そりゃあ子供は沢山欲しいけど…もうちょっとだけふたりでいた
い…っていうのはダメ?」
何処か悪戯っぽい目つきをする元就に、元親は困ったように視線を泳がせる。
まるで子供のような元親の仕草に、元就は失笑するとその身体をかき抱く。
そのまま、ふたりで窓の外を見続けていたが、

ドォン!

突如、激しい轟音と共に、船全体が震動するのを覚えた元就と元親は、弾かれた
ように身構えた。
「な…大砲!?」
床に投げ捨てられていた襦袢を羽織ると、元親は慌てたように寝所を下りる。
すると、間髪入れずに新たな爆音が響いてきた。ガクリと腰が砕けそうになった
元親は、元就に支えられながらどうにか身体の均衡を保つ。
「お、おい誰だ!俺の許可なく砲台動かしてんのは!」
「…待て、元親」
窓の外を見つめながら、元就は穏やかな声で元親を制した。
目を丸くさせる元親に、元就は黙って窓の外を指差す。
視線を移した元親の双眸に映っていたのは、夜空に輝く大輪の華であった。

「よぉ~し、いけぇ!どんどん打ち上げろぉ!」
砲台の角度をギリギリまで上げながら、海賊達は、砲弾代わりの特殊な火薬の樽
を入れ続ける。
「ホントに大丈夫なのか?お嬢達もう寝ちゃってるとか、実は…未だ『真っ最中』
とかじゃないだろうな?」
「お任せ下さい。元親様の滞在中に我々が極秘に調査した資料は、完璧です。元
就様が元親様との房事にかける時間は、毎回ほぼ一刻(約2時間)!」
「ゆとりがある時だけは、更に半刻ほど延長されますが、宴の後ならば、恐らく
今が絶好の瞬間です!間違いありません!」
妙に鼻息荒く力説する毛利の兵達に、海賊達は若干引き気味になったが、当初の
目的を思い出すと、作業を再開した。
彼らの、軒猿(上杉の忍の徒名)や武田の草の者も、裸足で逃げ出しそうな隠密
活動がなければ、この作戦は決して成功しなかったのだ。

「なるほど…砲台を花火の打ち上げに利用したのか。中々味な真似をする」
だが、苦笑する元就とは対照的に、元親は両目にいっぱいの涙を浮かべていた。

種子島の鉄砲と時を同じくして、火薬を用いる花火の技術も、外国から日本へ伝
わって来ていた。
元親も花火の存在を知り、とても興味を覚えていたのだが、兵器その他に用いる
火薬だけでもバカにならないのに、流石に娯楽の為の火薬までは、購入する余裕
がなかったのである。
仕方ないとはいえ、内心ガッカリしていた元親に、海賊達は次のように言って慰
めてくれたのだ。
「いつか、お嬢が天下を取るかお嫁に行く時に、俺達の手で幾らでも打ち上げて
みせますよ」と。

「憶えてて…くれたんだ……」
止め処なく流れ続ける涙を何度も拭いながら、元親はぼやけた視界で花火を見上
げる。
元就は、そんな元親の泣き顔を暫し見ていたが、徐に立ち上がって衣服を身に着
けると、元親の手を引いて部屋を出た。
そのまま甲板まで上がったふたりは、歓声に沸く仲間達の前に姿を見せる。
「バッカヤロウ…お前ら…あんな俺の言う事、真に受けやがっ……」
後はもう言葉にはならず、元親はまるで子供のような泣き声を上げた。
「お嬢…!お嬢ーっ!」
「おめでとうございます、お嬢!本当におめでとうございます!」
「お幸せに!お嬢!」
「有難う…みんな…本当に、ありがと……」
元親につられて、長曾我部の海賊達も貰い泣きを始める。
彼らから少し離れた場所で、元親を見ている元就の様子を見て、毛利の兵達は声
を掛けた。
「元就様。どうなさいましたか?」
「判らぬか」
「いえ」
「──フン。愚鈍なヤツらめ」
不機嫌も露な主の返答を聞いて、毛利の兵はこっそりと笑みを漏らす。
おそらく、婚礼の時にも涙を流さなかった元親が、こんな風に仲間達と号泣して
いるのが面白くないのだろう。
ひとしきり感動を分かち合った後で、長曾我部の海賊達は、すっかり泣き腫らし
ている元親を、元就の前に立たせた。
「…毛利の旦那。この方は、俺達にとって頼もしい将であり、そしてずっと小さ
い頃から見てきた、俺達の大事な大事なお姫様だ」
「お嬢は、アンタの事を心から愛している。どうか、そんなお嬢を大切にしてや
ってくれ。この通りだ!」
「……言われるまでもない」


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