戦国BASARA/エロパロ保管庫

瀬戸内のカイとゲルダ45

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だれでも歓迎! 編集
一斉に頭を下げてきた、誇り高き海の男達の申し出を、元就は力強く頷く事で応
じた。
そして、海賊達に背中を押され、自分の胸に飛び込んできた元親をしっかりと受
け止めると、その頭を撫でてやる。
「…っへへ。さあて、しんみりはここまで!最後にとっときのヤツ、打ち上げる
ぞぉ!準備はいいかぁ!?」
「いつでもいけますぜ!そらっ!」
鼻を啜りながら、海賊は砲台の仲間に景気の良い声を張り上げた。
元気な返事が返ると同時に、海賊船のふたつの砲台が、発射の態勢に入る。

「お嬢!」
「ついでに、毛利の旦那!」
「──ついでは余計だ」
「「「おめでとーっ!」」」

盛大な祝福の声と共に、ふたつの砲台から火薬が飛び出した瞬間。

「ヒイイイイィィーっ!?」
「ンノオオオォォっっっ!?」

──爆発音とは程遠い奇怪な声が響き渡った後で、空中で破裂した火薬が、何処か
人型のような図形を描きながら、瀬戸内の夜空を彩った。
妙に凝った仕掛けを目の当たりにした元親は、元就の腕の中で、大はしゃぎしなが
ら手を叩いていた。
しかし、
「…おい。あんな細工なんて、お前いつしたんだ?」
「いえ…それにあの声、どっかで聞いた事あるような…?」
「……ま、お嬢喜んでるみたいだし…いっか……」

そのような疑惑に満ちた密談は、花火の作成に関わったごく一部の関係者の胸の内
に、永久に封印されたのである。

【エピローグ】

1年後。
「風向きよーし!中国、毛利の海域に入りやした!」
「潮の流れも穏やかです。これなら今日中には…って、お嬢。ホントに大丈
夫っスか?」
「ぅー…」
心なしか覚束ない足取りで甲板に現れた元親を、長曾我部の海賊や毛利の兵
達が気遣わしげに見やる。
「…悪ィな、お前ら。殆ど任せっきりにしちまって」
「イイっスよ。お嬢、派遣先での仲介役、ホントに頑張ってたじゃないっスか」
「きっと、その疲れが出たんですよ。もうすぐ着きますから、元親様はお部屋
で休んでいて下さい」
「うん…でも、どうしてこの俺が船酔いなんか……」
痛む頭を押さえながら、元親は部下が用意してくれた椅子代わりの樽の上に
崩れるようにして腰掛けた。

2ヶ月前。近隣諸国との交渉の為に、所用で中国を離れられない元就に代わ
って、元親は長曾我部の海賊・毛利の兵と共に船に乗り込んだ。
毛利・長曾我部両国の結束の強さを主張する意味も含めた他国との交渉は、概
ね順調に進んだのだが、いざ帰ろうとした時に突如暴風雨に見舞われ、半月ほ
ど足止めを食らってしまったのだ。
どうにか嵐も去り無事に出航したものの、その矢先、元親が突然船酔いと思し
き身体の不調を訴えた。
元親が弱音を吐くというのは本当に珍しい事なので、部下達は、ふらつきなが
らも船を操ろうとする元親を押し止め、後は自分達に任せて休むよう告げた。
結局、中国に戻るまでの間、元親は殆ど起き上がる事が出来ず、情けなくも自
室の寝床で窓の外を眺めてばかりいたのである。
「予想外に時間がかかったからな…元就、心配してるだろうな……」
おそらくやきもきしながら、自分達の帰りを待っているに違いない。
元々、計算外の事態にからきし弱い彼の事だ。
自分へのひと当てふた当ては、覚悟しておかなければならない。
「帰って早々説教かあ…ぁう~、それにしても頭痛ぇ……」
こめかみを押さえる元親の隻眼に、毛利の陸地が見えてくる。
汽笛を聞きつけたのだろう、桟橋で数人の重臣と共に腕組みをしている元就の
姿を見つけると、元親はこれから己が身に起こるであろう試練を想像し、深々
と息を吐いた。


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